Google Pixel 4a(5G)に機種変更してから、ちょうど4カ月が経った。
これまで、スマホはXperiaを愛用していたが、最近は端末の高価格化やイヤホンジャックを省く等の迷走に何となく不満があった。
ちょうど2年の更新時期を迎えた際、他社のスマホを検討したところ、GoogleのPixel4a(5G)が、ちょうど自分の求めている性能と価格にマッチしていると思い、購入に至った。
Pixelとは、Googleが作ったandroidスマホで、リファレンス機ならではの自社アプリの親和性の高さとOSアップデート3年というセキュリティ性の手厚さに定評があるスマートフォンだ。
Pixelシリーズの型番表記は、数字だけのモデルが豪華スペックのフラッグシップモデルで、末尾にaが付くモデルは、スペックを控えた廉価モデルに相当する。
今回購入したPixel 4a(5G)は、末尾にaが付いた廉価モデルのため、フラッグシップ機より性能は控えめだ。
しかし、4ヶ月使ってみた結果、動作は快適、カメラ性能優秀、さらに価格控えめの、コストパフォーマンスに優れた機種という結論に達した。
もしも、このページを見に来た人で
「Pixel 4aとかPixel 5とかPixel 4a(5G)とかあるけど、結局どれを買えばいいの?」
……と迷っている人がいたら、こう言いたい。
「Pixel 4a(5G)なら、買って間違いないぞ!」(即答&サムズアップ)
「あと、Pixel 4aとPixel 5は個人的にはあまりオススメできない……カナ?」
そんなわけで、今回はPixel4a(5G)をここまで推したい理由の紹介とメリット、デメリットを紹介してみようと思う。
これは、いいものだ。
目 次
有機ELディスプレイ(OLED)の鮮やかで締まった発色
Pixel4a(5G)は有機ELパネル(OLED)を採用している。
有機ELは、液晶に比べて色味がハッキリした濃度のある映像が表示され、黒色もキレイに締まって表示される点が魅力だ。
下の映像は、それぞれ同じ映像をPixel4a(5G)のOLEDと、液晶の8インチタブレットで表示したものだ。
左がPixel 4a(5G)のOLEDで、右が液晶の画面だ。
同じ映像データを表示してみると、空の発色にハッキリ差が出ている。
液晶が色味が淡く、OLEDは濃いめのメリハリある映像が表示される。
人によっては、OLEDのコントラストが強い映像を好まない人もいるので好みはそれぞれあるが、個人的にはメリハリのある色加減は気に入っている。
ちなみに、今回引き合いに出したPixel 4a,4a(5G),5いずれもOLEDを採用しているため、どれも画面の色のメリハリは液晶よりハッキリとしている。
極細ベゼルで全体が表示画面
これまで使っていた機種(Xperia XZ Premium)はベゼルが額縁のように太く、ほぼ同じ本体サイズでも画面が表示される枠に手狭感があったが、Pixel 4a(5G)はベゼルが殆ど無いため、画面が広々としている。
そのため、ほぼ同じ本体サイズだったにも関わらず、広々とした大画面の恩恵を存分に感じられる点はすばらしい。
ベゼルが細い弊害として、裸の状態でスマホを握ると、思わぬところで指が画面に接触して誤動作することがあるため、手帳型ケースに入れた方が使いやすい。
手帳型ケースは、画面の保護やスタンド的な使い方、カード入れなど、スマホを使う上で利点が多いため、持っておいた方がいいだろう。
(Pixel用は量販店ではあまり売られていないので、ネットで買うのがオススメ)
高性能カメラとGoogleレンズの検索機能が凄い!
Pixelのカタログにも、カメラの性能については強くアピールされているが、実際使ってみてところ、確かに言うだけあるなと感じる高性能なカメラだった。
特に気に入った機能は、「夜景撮影」「広角」「ポートレートモード」「Googleレンズとの連動」の4点だ。
・夜景に強い!
カタログにも夜景撮影の強さについてアピールされていたが、実際に夜に撮影してみたところ、光の弱い夜景でもブレを抑えて被写体をきっちり捉えてくれた。
これまで使ったスマホの中では、夜の撮影で一番満足のいく画が撮れるものだった。
・広角撮影が便利すぎる!
Pixel4a(5G)は、背面に広角(0.6)と標準(1.0)のカメラを搭載している。
この超広角レンズの画角が広く、全体を捉えた写真が必要な時に威力を存分に発揮するのが魅力だ。
最近のスマホは、カメラを複数搭載し、広角や望遠が撮れるモデルが増加傾向にあるが、この機種も例外に漏れずデュアルカメラを搭載している。
これまで「あともう1歩後ろに下がって全体を撮りたいけど、これ以上後ろに下がれない!」という状況に苦しめられていたが、広角(x0.6)に切り替えれば、あっさり全体を捉えることが出来てしまうのには感動した。
上から「広角」「標準」「望遠」だ。
あまり説得力の無い映像となってしまったが、名古屋人でこの場所を知る人なら「やっぱ広角は信号のポールまで撮れて、でらすごいがね!」と思う筈だ……たぶん。
ちなみに、望遠はデジタルズームとなるが、画像の荒れは特に感じられなかった。
・ポートレートモードの疑似的ボケがけっこう良い
一眼カメラの得意技でもあるボケ描写が、スマホでもソフトウェア処理でキレイに表現できてしまう点がスゴい。
ポートレートモードで撮影すると、被写体を強調するように背景をぼかす処理が入るが、これがなかなか良い仕事をする。
しかし、ソフトウェア処理の精度が甘い部分もあり、時々ボケと被写体の境界が怪しく処理される事もあり、完全とは言い切れない粗もポツポツ見られるのが難点だ。
・Googleレンズの検索機能が凄い便利!
カメラアプリの機能にGoogleレンズがあり、これは映像から情報を検索してくれるという便利な機能だ。
さすが検索のGoogle謹製のスマホといったところで、ちょっとした調べものには重宝している。
例えば、「このトラックボールは、マイクロソフトの何ていう機種だっけ?」
という事があったら……
カメラのメニューから、Google Lensモードに切り替えて虫眼鏡ボタンをポンッとタップすると……
このように、カメラで撮影した画像から、検索結果が表示される機能がおそろしく便利で、重宝している。
さらに、商品映像からショッピングサイトへのリンク結果が表示されるため、すぐに購入することも可能だ。
やっぱりノッチレスの画面が好き!
世間では大人気の話題のスマホ(隠語)は、画面上部の中央に切り欠きのような不格好なノッチがあり、正直このデザインはあまり好きではない。
ところで、この話題のスマホの画面を見てくれ。
こいつをどう思う?
すごく…ジョイマン高木です…
何でこんなM字ハゲみたいなデザインで、会社の稟議が通ったのか不思議でならない。
同時に、こんなデザインのスマホに高いお金を出して買ってしまう多くの方々の寛容さには驚かされる。
さらに、「あの話題のスマホがジョイマンみたいなデザインで許されるのなら、うちもあのノッチを採用して大丈夫だろう!」と他社も追随してしまうという負の連鎖は本当にやめて欲しいと思う。
確かに、話題のスマホは斬新な機能を先駆けて搭載し、他社が追随したくなるほど突き抜けた技術も多い。
しかし、イヤホンジャックを無くす件といい、ジョイマン高木風味のM字ハゲみたいなノッチのある画面といい、改悪された部分も少なくない。
Xperiaもこの流れに便乗して、Xperia1などのフラッグシップ機からイヤホンジャックを無くしたのは、本当に失望ものだ。(最近のモデルでは改心してイヤホンジャックが復活した)
そんな悪い潮流の中、我らがPixel4a(5G)は、ノッチレスになっている点が魅力だ。
唯一、インカメラ部分の黒丸っぽく見えるところ(パンチホール)が非表示領域となるが、これ位なら仕方ないと割り切るしかない。
カバーも保護フィルムも4a(5G)専用の為、間違えて買わないように注意!
Pixel 4a(5G)と似た名前の機種にPixel 4aがある。
名前はよく似ているが、Pixel 4a(5G)とPixel 4aは、本体サイズが全く異なるため、アクセサリ類を購入するときは間違えないように注意する必要がある。
購入当初、カバーやケースを探す際、「Pixel 4a(5G)って、Pixel4aと同じ筐体で5G通信に対応してるだけでしょ?」と勘違いしてPixel 4a用のオプションを買いそうになったほどだ。
特にネットショッピングで検索すると、Pixel 4aとPixel 4a(5G)用が同じ検索結果に表示されることもあるため、間違えやすい。
もしも、ケースを商品検索する際は、「Pixel4a 5G ケース」といった具合に”5G”というキーワードを必ず付け、さらに購入ボタンを押す前には、本当にこれはPixel 4a(5G)用かを再確認してから購入する事をオススメする。
これは、本当に間違えやすい表記のため、気を付けた方がいい。
参考用として、Pixel 4a(5G)用の手帳カバーとガラスフィルムの商品リンクを貼っておく。
Pixel 5よりもPixel 4a(5G)をオススメする最大の理由は、イヤホンジャック搭載にある!
Pixel 4a | Pixel 4a(5G) | Pixel 5 | |
CPU | SnapDragon730G | SnapDragon765G | |
メモリ | 6GB | 8GB | |
ストレージ | 128G | ||
重量 | 143g | 168g | 151g |
ディスプレイ | 有機EL FHD+(1080x2340) パンチホール有 | ||
画面サイズ | 5.8インチ | 6.24インチ | 6.0インチ |
アウトカメラ | 1 | 2(超広角、標準) | |
イヤホン端子 | 有り | 無し | |
バッテリ容量 | 3,140mAh | 3,885mAh | 4,080mAh |
Bluetooth | AptX,AptX HD,LDAC,AAC | ||
その他機能 | ワイヤレス充電 | ||
防水、防塵 |
このスペック表を見ても分かる通り、Pixel 4a(5G)はどちらかと言えばPixel5寄りのスペックに設計されている。
5と差別化するためにスペックと、価格を抑えた点に魅力があると思われる。
そして、Pixel 4a(5G)は5には無い「イヤホンジャック搭載」という点にある。
さらに、Pixel4a(5G)は、画面サイズも3機種の中で一番大きく、性能もPixel5と見劣りしないレベル、そして一番気に入ったのは、値段だ。
普段使いに便利な機能が重点的に盛り込まれた性能差に対して、Pixel4より若干高いだけなので、どちらか悩んだ時はPixel4a(5G)を選ぶことを勧めたい。
【Googleストアの端末価格】2021/4/28現在
Pixel4: 42,900円
Googleストアより引用
Pixel4a(5G): 60,500円
Pixel5: 74,800円
Pixel 4a(5G)のデメリット
これだけ褒めちぎったPixel 4a(5G)だが、ちょっと気になった点もあったので、紹介しておこう。
それほど致命的なデメリットではないが、「SDカードスロット無し」「防水防塵に非対応」「ワイヤレス充電(Qi)非対応」の3点がちょっと惜しいと思ったポイントだ。
・SDカードスロット無し
なぜか、Google謹製の端末にはSDカードスロットを搭載しないという謎の伝統がある。
以前使っていたGoogleのスマホNexus5でもそうだったが、このPixel 4a(5G)でも例外なくSDカードスロットが搭載されていない。
しかし、内蔵ストレージは標準で128ギガあるため、動画データなどを大量に保管するなどの用途でもない限り、容量不足で困ることはほぼ無いだろう。
Nexus5を使っていた時は、ストレージの少なさ(16ギガ)に悩まされたが、Pixel 4a(5G)は必要十分な容量が確保されているので、心配ないだろう。
・防水防塵に非対応
上位モデルのPixel5は、防水防塵仕様となっている。(防水IPX8、防塵IP6X)
しかしPixel4aシリーズには、防水防塵の記載がないため、おそらく非対応だろう。
おそらく、生活防水程度はあると思うが、毎日使うものだけに不慮の事故も想定されるため、十分注意して使用する必要があるようだ。
・ワイヤレス充電(Qi)非対応
上位モデルのPixel5は、ワイヤレス充電のQiに対応している。
上位モデルと廉価モデルの差別化を目的としたかったのか、Pixel 4a(5G)はワイヤレス充電に対応していない。
しかし、昨年後半に発売された機種にもかかわらず、ワイヤレス充電に対応していないのは少々納得がいかない。
そこはケチって欲しくなかった。
Pixel 4a、Pixel 5よりPIxel 4a(5G)の方が良い理由
現在、Pixelシリーズは3種類の機種がラインナップされているが、その中でも断然Pixel4a(5G)が性能とコストのバランスが良く、オススメしたい機種だ。
では、どうしてそれ以外の機種をオススメしないかは、以下の理由にある。
・Pixel 4aをオススメしない理由
現在、5Gエリアは限定的なため、当面は4G回線での使用がメインとなるだろう。
そういう観点から、5G非対応のPixel 4aでも通信面では不満が無いかもしれないが、あえて選択に入れない方がいいかなと思う。
その最大の理由とは。「広角レンズが無い」事だ。
広角撮影ができない
スマホのカメラを多用する人にとって、広角(ウルトラワイドレンズ)が無いと、物足りなさを感じるはずだ。
広角で撮影した映像は、被写体の全体をとらえた説得力のある画づくりに適している。
Pixelの商品カタログでも、カメラ性能の高さを売りにしており、画像エンジンによるアシストが効いた映像は綺麗に撮れている。
しかし、それだけ映像をキレイに撮影できる機種だけに、広角撮影の機能が省かれているPixel 4aは、次第に不便を感じるのではないかと思われる。
それでも、端末価格はこの3機種の中では最も安い点は魅力だ。(2021/4/29現在:42,900円)
これらの機能が必要ないと割り切れるなら、Pixel 4aでも有りかもしれないが、個人的にはあまりオススメできない。
・Pixel 5をオススメしない理由
端末の値段が高い
2021/4/29現在、Googleストアの端末価格が74,800円だ。
Pixel4a(5G)より14,300円高いが、その差額の優位性が「防水防塵」「メモリ8G」「リフレッシュレート90Hz」「ワイヤレス充電」だけでは少々物足りないような気がする。
「イヤホン端子無し」が最大の弱点
最近は無線のワイヤレスイヤホンも音質や接続品質の性能は上がっているが、有線イヤホンを併用している自分にとって、イヤホン端子無しの端末は、それだけで購入意欲が薄れてしまうほどマイナスポイントだ。
どうもBluetoothのワイヤレスイヤホンは、混雑時やWifiとの干渉など電波が輻輳する状況では、音がブツブツ途切れがちだ。
そんな時は、有線のイヤホンを使用するなどして使い分けているが、イヤホン端子が無い端末は、非常に面倒なのだ。
イヤホンジャックの無い機種は、USB-Cからイヤホンジャックに変換が出来るらしいが、いちいちイヤホンを変換プラグに繋ぐ手間が煩わしい。
さらに、特殊な二股ケーブルなどを使わない限り、充電中に有線イヤホンが使えなくなるという点が非常に煩わしいのだ。
そんな事情から、未だにイヤホン端子無しの端末は、選択候補から外している。
(まとめ)この単語が刺さる人ならPixel 4a(5G)がオススメ!
随分と長くなってしまったので、最後にPixel 4a(5G)の魅力を伝えるキーワードを列挙して今回のレビューを締めようと思う。
このキーワードの〇印にピンと来た人は、この機種を買って間違いないだろう。
そして、×印の不満点も割り切れたら、120%買ってOKだろう。
〇 過不足ない動作性能(メモリ6G、Snapdragon765G)
〇 有機ELディスプレイ(ノッチレス)
〇 高性能カメラ(夜景、ポートレート、超広角が凄い)
〇 イヤホンジャック搭載
〇 高音質Bluetoothコーデック(LDAC、AptX、AptX HD、AAC)
〇 Android OSの3年アップデート保証(長い)
〇 端末価格、けっこう安い(¥60,500)
× SDカードスロット無し
× 防水防塵には非対応
× ワイヤレス充電(Qi)非対応
このように、Pixel 4a(5G)はコストパフォーマンスに優れた良い機種のハズなのだが、なぜか日本国内の大手キャリアでは大々的に取り扱っていない傾向にあるのは、何とも納得がいかない話だ。
現在、Pixelシリーズを3機種ともしっかり販売している大手キャリアは、ソフトバンクだけで、他のキャリアは何とも頼りない感じだ。
既に回線は持っているので、わざわざソフトバンクの回線契約をしたくない人は、GoogleストアでSIMフリー端末を買うという選択肢もあるので、購入の候補に入れてみるのもいいだろう。