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【修理解説】ニンテンドーDS LiteのRボタン(Lボタン)が反応しないので分解修理してみた【またマリカーか!】

投稿日:2024年4月21日 更新日:

 ニンテンドーDS LiteのRボタンを押しても反応しない……。

 一般ユーザーなら「まあ、古い機械だから仕方ないよね」という反応するところだが、当ブログにおいては「またマリオカートにDSを壊されたか!」という反応をしてしまうほどの話だ。

マリオカートDSよ、またお前か!

 ニンテンドーDSは大人気の携帯ゲーム機で、ニンテンドーDSシリーズの全世界販売台数は1億5402万台となっており、とにかくバカみたいに売れていた。

 そして、DSのキラータイトルだった「マリオカートDS」もDS本体同様に2360万本という驚異的な販売本数を記録している。

マリオカートDS(キラータイトル)
色々な意味でキラータイトル

 そのマリオカートの操作でカーブを曲がる際はドリフト走行が必須となるのだが、ドリフト時はDSのRボタンを多用する。
さらにレースが白熱すると力強くRボタンを押しがちで、ますますボタンへの負担が増すのだ。

 このようにRボタンを酷使された影響で、ニンテンドーDSのRボタンが効かなくなる故障は昔から多くみられ、DSが現役だった当時も自分のDS LiteのRボタンが故障して任天堂のサポート送りになった事があるほどだ。

Rボタンの故障……またですか

 しかし、以前も故障したDSiのRボタンを修理したことがあるため、おそらくあの方法でDS Liteも直せるのかもと思いDSLiteを分解してみたところ、何とか修理できた。

 今回はそんなキラータイトル(笑)にキルされたDS LiteのRボタン(Lボタン)の修理方法を解説しよう。

●ちなみに、DSiのRボタンを修理した時の記録はこちら


■分解作業に必要な道具を用意

 今回も任天堂携帯ゲーム機恒例の道具が必須となる。

 既にいくつか任天堂ハードを分解したことがある人は、別途用意する必要がないかも?

・Y型ドライバー

・精密ドライバー

・KURE 接点復活スプレー

・ヘラ(スパッジャー)

・ベビー綿棒

■電池、タッチペン、GBAスロットカバー、ネジ穴隠しゴム取り外し

 分解作業前に取り外すものがいくつかあるので、順番に紹介しよう。

 まず、ゲームボーイアドバンスのカートリッジスロットのカバータッチペンを外す。

 次に本体を裏返して、本体右下のフタのような部品についたプラスネジを精密プラスドライバーを回して緩め、蓋を外す。

 フタを外すと電池が出てくるので、取りはずす。
(バッテリーをツメで引っかけてあるポイントがあるので、そこから外そう)

 次に、DSカートリッジスロット付近のネジ穴隠しゴム(2個)を取り外す。

躊躇わずにズブっと行け!

 細めのマイナスドライバーやコンパスの針のようなものでゴムの隙間から差し込むと、穴にズブっとドライバーが入り、そこでゴムパーツが浮くので、その状態からゴムを外す。
(浅く刺さった状態で剥がそうとすると、ゴムが割れるおそれあり)

 ここまで出来たら、次はネジ外しの作業になる。

■ネジ外し

 プラスネジとYネジを使用しているので、+00の精密プラスドライバーと0.5mmのY字ドライバーを使用する。

写真の赤マルがプラスドライバー青マルがY字ドライバーで取り外す。

ここで注意するポイントは、ネジの長さがそろぞれ違うものがある点だ。

(Yネジ4本、プラスネジ3本)

 ここで気を付けるポイントは、DSカートリッジスロットの青マルのネジ(黒色)が潰れやすいので、ドライバーをしっかり押し込んで回すこと

あと、写真にマルが付いていないプラスネジは外さなくていい。

取りはずしたネジはどこに付いていたものか忘れないようにしておこう。
(記憶力に自信の無い人は、マグネット板などにネジを固定して保管しておくと安心)

■裏フタの取り外し

 全てのネジが外れたら、裏フタの取り外しを行う。

 ボディはツメで引っかけてある箇所があるため、GBAスロット付近の接合部分にヘラを差し込んで軽くスライドするたけで簡単にツメが外れる。

 裏フタとメイン基板に繋がっているケーブル類は無いため、そのままボディを外せばOKだ。
DSシリーズの機種によっては、カメラやL/Rボタンのケーブルがあるが、DS Liteは特に無しなので安心だ。

 これでメイン基板のご登場だ。

裏フタの音量パーツが取れやすいので注意

■Rボタン(Lボタン)取り外し

 ここがちょっと面倒なポイントだ。
 Rボタンは、「プラパーツ」「バネ」「銀色の軸」の部品で構成されているので、まずどういう取り付け方がされているかじっくり見て把握しておこう。

 特にバネの向きと位置はキチンと覚えておかないと戻し作業で苦労するので、取り外す前にスマホなどで写真を撮っておくなどしておこう。

このバネの付け方がクセあり

 Rボタンのプラパーツ、は基板側を下にして垂直に持ち上げるだけで簡単に外れるが、その際に銀色の軸やバネが飛んでいって紛失するおそれがあるため、手で押さえながら慎重に作業しよう

 垂直に持ち上げるとRボタンのパーツが一気に外せるが、個々のパーツは固定されていないため、ここでパーツがバラバラになって落下するので、取扱には要注意だ。

 パーツは転がって失くさないように、お皿などに入れておこう。
 (チップスターや綿棒のフタがオススメ)

 ここでようやく病巣のRボタンのタクトスイッチご本尊が登場だ。

MAJIでパーツがPORORIする5秒前

■タクトスイッチに接点復活剤塗布

 LRボタンの動作不良の多くは、メイン基板に取り付けられたボタン部品のタクトスイッチの接点不良のパターンが多い。

 そのため、このタクトスイッチに接点復活剤を染み込むように塗り込んで接点不良を解消する作戦でいこうと思う。

親の顔よりも見たKURE接点復活スプレー

 まずは、信頼と実績の「KURE 接点復活スプレー」のノズル先端に付属の細ノズルを取り付け、タクトスイッチの根元部分に向けて軽くスプレーする。

軽くシュッと一吹き(かけすぎ注意)

 薬剤がスイッチにかかったら、ベビー綿棒で周りに飛び散った液体を拭き取りながらタクトスイッチのボタンを連打する。

 この作業はRボタンの反応が少し悪い程度なら1セットでいいが、今回はRボタンが全く反応しなかった為、塗布→拭き取りを2セットくらい行ってみた。

綿棒で周りを拭き取りながら黒ボタンをカチカチ連打

■(番外編)本体の清掃

 ここまでの作業工程の写真を見てお気づきだと思うが、長年の使用によって入り込んだ手垢やらホコリやらで結構本体が汚れている。

 そんなワケで、本体を組み戻す前に本体の汚れを取って綺麗にしておこう。

 さらにこのDS Liteというシリーズは本体に独特の光沢感を出すために、透明のプラパーツを多用しているせいか、その透明部分に手垢の汚れが入り込んで汚らしく見えてしまうという弊害がある。

分解した今が掃除チャンス!

 まあ、よく中古品でありがちな溝の部分に茶色い汚れが付いているアレだ。
 ブラックやネイビーの本体はあまり気にならないが、ピンクやホワイトなどの明るい色のボディではこの汚れが露骨に見えて精神衛生上あまりよろしくない。

 汚れた箇所はベビー綿棒の先端に無水エタノールを付けて、軽く擦って汚れを除去しておこう。

うぇええ、きったねー!
裏フタの清掃もお忘れなく!

 先ほど外したRボタンも例外なく手の入らない箇所に結構な汚れがあったので、あわせて清掃しておけば、当面の物理的衛生も精神的衛生も大丈夫だ!

■元に戻す

 ここからは戻し作業となるため、「元の手順で戻す」で解説終了だが、戻し作業でクセのある箇所がいくつかあるので、紹介しておこう。

★Rボタン(Lボタン)


 このボタンは先述の通り、「プラパーツ」「バネ」「銀色の軸」で構成されているので、まずバネはプラパーツ軸受け部の中心側に入れ、次に合体したプラパーツの軸を穴に差し込む。
 軸を入れる際、バネの輪っか部分がちゃんと軸を通っているか確認しておこう。

 このバネは、くの字に曲がって本体フレーム部の溝に入る構造になっているため、慣れていないとはめ込み作業に結構苦労する箇所だ。

★音量、電源の位置に注意

 本体裏フタに付いている電源スイッチと音量は、ちゃんとメイン基板のスイッチ位置と合っていないと機能しなくなるので、取り付け時には要注意ポイントだ。

 取付時のコツは「音量のプラパーツとメイン基板の音量は最大位置」にしておく。

あと、電源のプラパーツは写真のようなOFFの位置にしておくことだ。

ちなみにボリュームは最小位置でも作業できるが、ちょっとやり辛くなる。

電源OFFの位置にしておく

 ここパーツが上手くはまっていないと、DSが機能しなくなるので気を付けよう。

 裏フタがしまったら、ネジどめする前にパーツがきちんと噛み合っているか電源と音量を動かしてみて動作チェックしてみよう。

 ちなみに音量が失敗しているときはボリュームの手ごたえがスカスカし、電源が失敗している時はスイッチがスライドしなくなるので、成功か失敗かの確認しやすい。

■動作確認

 ここまでちゃんと動いたら、まだネジ締めはせずに一旦電池を入れて電源をONにしてみよう。

 今回はRボタンの故障だったので、きちんと動いているかマリオカートなどのゲームソフトでチェックしよう。

 もし、Rボタンの入力に問題がある場合は、再度分解して接点復活剤をかける作業を繰り返してみよう。

ばっちりドリフトできる!手術大成功だ

 
 動作に問題が無ければ、ネジ締めを行い、作業は完了だ。

 DS Liteは従来機より小型化された機種だけにちょっと細かいパーツが多く作業が厄介だが、これくらいの故障なら何とか修理は可能なので、もしマリオカートのやりすぎでRボタンに動作が悪くなってしまった人はこの方法を試してみよう。

■最後に(DS Liteは今でも人気です!)

 ニンテンドーDS Liteは2006年3月に発売されたニンテンドーDSのマイナーチェンジ機だ。

 DS発売当時は斬新なタッチペン操作や脳トレブームと相まって爆発的な人気となり、初期のニンテンドーDSの改良モデルのDS Lite発売時は各地で品薄となり入手困難な事態となった。
かく言う英二六もDS Liteを買うためにショップを何軒も探し回ってずいぶん苦労したものだった。

 その反動からか、今でも中古ショップで安くDS Liteが売られているのを見ると、思わず手に取ってしまい、買ってしまいそうになったりならなかったりしてしまう程だ。

 そんなDS Liteは発売から既に18年近く経過している機種のため、液晶が劣化して黄色く変色していたり、タッチパネルやボタン入力の不具合、ヒンジが折れていたりと状態の良くない物も多く、ハードオフなどのジャンクコーナーでちょくちょく見かける。

 そういえば発売当時から液晶が黄色っぽい、いわゆる尿液晶と言われるDS Liteが流通していて物議を醸していた時期もあるが、今となっては懐かしい話だ。

尿液晶のDS Liteさん(かなり黄色い)

 そんなDSも今となっては古い機械だが、デザインとサイズ感の愛らしさと、今でもブックオフなどで中古ゲームソフトが比較的で入手しやすい事情から、今でもファンは多いようだ。

 さらにamazonなどでも中古本体や本体のガワ(シェル)を交換するパーツが社外品で販売されているのだ。

 個人的には透明シェルでスケルトンDS Liteにしてみたいなと思っているのだが、過去に一度挑戦してみたものの見事に失敗してDSを1台ダメにしてしまったトラウマから、なかなか再挑戦できずにいる今日この頃。

↓こんなやつ。やっぱスケルトンボディ、かっこいいよなあ!

 当時購入した社外品のDS Liteの交換用ガワは、作りがイマイチの成型不良気味でバリがあったりネジの位置が微妙にズレていたりして上手くいかなかった。

 さらに作業に慣れていないせいか取付時に上画面のフレキあたりを断線させてしまったか、それともメイン基板をダメにしたか原因は不明だが、とにかく電源が入らないゴミが出来上がってしまったのだ。

 あー、また懲りずにスケルトンDS Lite作成に再挑戦してみようかな?

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