最近、PSPをプレイ中に突如「ゲームを終了しますか?」という画面が出るようになった。
最初はたまたまプレイ中にHOMEボタン(PSボタン)に誤って指が触れてしまったのかと思ったが、どうもPSボタンを押していないのにこの画面が出るようになっているようだ。
最初はUMDドライブのフタにトンっと指が当たった衝撃でメッセージが出る程度だったが、日を追うごとに症状は悪化し、最終的には十字キーや〇×△□のボタンを押す程度のわずかな揺れでも「ゲームを終了しますか?」が発生するようになってしまった。
ここまで来ると、もはやまともに遊ぶことすら困難な状態で、どうにかしないといけないレベルだ。
一体PSPに何が起こっているのか調べてみたところ、この画面が出る条件は、PSボタンを押したときと、UMDの蓋が開いた時に表示されるようだ。
しかし、ゲーム中にUMDのフタはちゃんと閉まっているのに、PSPは開いたと認識しているこの状況は一体どういう事なのか?
この症状について調べてみたところ、どうやらUMDドライブのフタ内側には開閉を検知するスイッチが入っているようで、蓋を閉めた状態でも中でUMDの揺れやスイッチの誤動作で、このようなエラーメッセージが出るようだ。
そして、UMDドライブ内のパーツを調整修理してみたところ、見事にエラーが出なくなった。
というわけで、今回は「ゲームを終了しますか?」が頻発するPSPの修理方法を紹介しよう。
それでは、手術開始デース!
■その1:銀色のパーツを手前に曲げる
蓋が開いていると認識されるということは、「UMDを固定するパーツの押さえが弱くなった影響で、ディスクが揺れてスイッチが誤作動したのではないか?」という可能性が考えられる。
まず、UMDフタの内部は銀色のパーツ4点がディスクに触れる構造になっており、そこの押しが経年で弱ってきているのが問題なのかもしれない。
これは、多くのサイトでも紹介されている方法で、成功したという報告もあるが、改善されなかったという報告もけっこうあった。
とりあえず、銀色パーツ4点をマイナスドライバーで軽く手前側に曲げてみたものの、残念ながらうちのPSPはこの方法では「ゲームを終了しますか?」問題は解決しなかったため、「その2」へ
■その2:開閉スイッチに接点復活剤塗布
まずは作業に必要な道具を紹介しよう。
・KURE接点復活剤
・ベビー綿棒(細い綿棒)
次は「開閉スイッチ自体の接触が悪くなっているのが原因ではないかと?」いう線から攻めてみよう。
UMDドライブ蓋内側には、開閉を検知するスイッチが2か所あり、UMD蓋を閉めるとスイッチが押されて閉まったと認識される仕組みになっている。
もしも、そこのスイッチの電気接点の接触が悪くなっていたとしたら、フタを閉じてスイッチが押されているにも関わらず、スイッチが誤動作し「フタが開いている」と認識し、「ゲームを終了しますか?」メッセージが出るのではないだろうか?
そして、スイッチなど電気接点の接触不良にはコイツ、接点復活剤が有効だ!
このKUREの接点復活剤はプラスチック部品を傷めないタイプのため、PSP本体のプラパーツに使用しても大丈夫だ。
(同じKUREでも556はプラスチック部品を傷めるのでダメ、絶対!)
接点復活剤に付属の細型ノズルを取り付け、写真のスイッチ部分に軽~く一吹きだけでOKだ。くれぐれも勢い余ってディスク読み取りレンズに吹きかけたりしないように!
吹き付け後、ベビー綿棒で周囲に飛び散った液をふき取りながら、スイッチ部分を綿棒で繰り返し押して接点復活剤をなじませる。
次に、もう1つの接点だが、ここはノズルが入りにくいため、ベビー綿棒に接点復活剤を多めに吹き付けた後に、綿棒をスイッチに当て、何回か押し込みながらスイッチに液をなじませる。
この修理方法はかなり有効な手段と言われているが、もしこの工程でPSPが直らない場合は、次の最終手段へ!
■最終手段:UVレジンでプラパーツを盛る
UMDを押さえつけてもダメ、スイッチの接点を改善してもダメ……そうなると考えられる事、「フタに付いているスイッチを押さえつけるパーツが経年で摩耗して短くなっているのではないか?」という可能性だ。
前項の1個目のスイッチはUMDのシェルで直接押さえこんでいるが、2個目のスイッチはフタ側に付いた突起のようなパーツがスイッチを押し込む構造になっているようだ。
つまり、長年の使用でプラパーツが摩耗して突起の部分が短くなったりすると、スイッチの押さえが弱くなってしまい、少しの振動や接触でスイッチがON/OFFを繰り返してエラーが出るのではないかという予想だ。
それでは、ここで使用するアイテムを紹介しよう。
・UVレジン(透明タイプ)
・UVライト(別名:紫外線照射装置ィィ)
・つまようじ
UVレジンは、UVという名前の通り紫外線を当てると硬化するプラスチックの液体だ。
この液体を突起の先端に塗りつけて固めることで、短くなってしまった突起を少しだけ長くしてスイッチの接触部分を補うという作戦だ。
なお、UVレジンとUVライトは対応する光の波長があるようなので、UVレジン液は「UV LED/太陽光」のように両対応表記のものを選ぶ事をオススメする。
なお、このUVレジンとUVライトはダイソーなどの100均でも買えるが、売り場がネイルケアコーナーというガチで女性客向けなコーナーのため、なかなか踏み入るのが困難というハードルの高さがネックだ。
そんな複雑な事情があるゆえ、シャイな方は通販で購入した方が良いかも?
まずは、つまようじにUVレジンを付ける。あまりUVレジンを付けすぎると逆にスイッチを破損させるおそれがあるので、チョコっとだけ付けるのがコツだ。
次に、UMDドライブのフタ突起部分につまようじで軽くチョンとUVレジンを乗せて盛る。
突起にレジンが乗ったら、UVライトを30秒ほど当ててレジンを硬化させる。
紫外線照射が終わったら、突起を触ってレジンが固まっているか確認し、ベチャついたり柔らかい時は再度UVライトを当ててレジンが硬化するまでライトを当てる。
もうこれで直らなかったら打つ手なしなのだが、果たしてどうなるか……?
直った!
これまで指でフタに触れたり本体が少し揺れた程度で「ゲームを終了しますか?」が出ていたが、メンテナンス後はフタに触れても本体を振ってもメッセージが出なくなった。
手術は大成功だ!
■最後に(PSPを楽しんでいこう!)
このようにPSPは経年によりUMDの開閉スイッチのトラブルが発生するようで、実際に中古ショップで売られているワケ有り品PSPで同じような症状のものを見たことがあったほどだ。
そういったワケ有り品のPSPも故障の程度によっては、接点の接触不良程度なら簡単に直すこともできる物もあるので、同じような症状で困っているPSPユーザーは諦めずにメンテナンス修理を試してみて欲しい。
もし、この方法でダメだったらソニーに修理依頼といきたいところだが、既にPSPのメーカーサポートは打ち切られているため、中古ショップで出来るだけ程度の良い中古PSPを探す位しか対策がない。
そして中古PSPを探す際は、出来るだけ製造時期の新しいモデルの「PSP-3000」シリーズを買う事をオススメしたい。UMDドライブや液晶など経年や使用頻度で劣化するパーツを積んでいる機械だけに、なるべく新しいものを選ぶことが望ましいからだ。
PSPは製品ライフサイクルが長く、初代の発売から3世代かけてマイナーチェンジを繰り返し、初代はPSP-1000、2代目はPSP-2000、そして3代目がPSP-3000と分かりやすい型番でナンバリングされている。
最終モデルのPSP-3000は過去モデルに比べて、軽量化、液晶パネルの性能強化など分かりやすい進化を遂げているが、何より発売が一番遅いぶん部品の経年劣化が一番少ないという最大のメリットがある。
(PSP-1000/PSP-2000の購入はなるべく避けた方が良い)
そんなPSPも2014年に最後のモデル「PSP-3000」が製造中止になってから既に8年ほど経過している機種だけに、あちこちガタがきているようだが、今回のように比較的簡単なメンテナンスで復活するものも少なくなさそうだ。
当時PSPはモンハンのヒットで結構人気のあるハードだった為、ソフトのラインナップも豊富で今もなお十分楽しめるタイトルが充実しているので、今でも中古ショップを探せば未体験のPSPゲームが沢山あふれているのだ。
既に後継のPSVITAも2019年に製造中止となってしまい、ソニーの携帯ゲーム機は現行機種が存在しないというお寒い状況だけに、これからも末永くPSPを楽しんでいきたいと思う。
それでは全国のPSPユーザーの皆様
引き続き素敵なPSPライフを!
「……あのー、僕のこと忘れていないですか?」
あっ……
やだなあ、君の事を忘れるワケないよ。
世界一かわいいよ!!