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【修理解説】Newニンテンドー3DSLLの十字キーが効かないので、分解してパーツ交換修理してみた

投稿日:2024年11月4日 更新日:

 先日、別の記事でXリターンズの話題を取り上げた際に、久しぶりにNewニンテンドー3DSLLを立ち上げてみたところ、十字キーの右ボタンの効きが悪くなっていることに気が付いた。

 しかし、十字キーを少し強めに押すと反応し、その後は問題なく反応したので一時的な不具合なのかと思いきや、翌日も同じ症状になり右キーの効きが悪くなっていたため、こりゃ中の部品がダメになっているなと思い、Newニンテンドー3DSLLを修理しようと思った。

十字キーの効きが悪くなったNewニンテンドー3DSLLさん

 これまで3DSシリーズではスライドパッドなどのアナログ周りの修理を何度かしてきたが、十字キーの故障は初めてだ。

 十字キーの修理に必要な部品について調べてみたところ、十字キーはユニット単位での交換が必要という事が分かったため、さっそく部品を取り寄せて修理してみたところ、無事修理できたので、今回は3DSシリーズの最高峰「Newニンテンドー3DSLL」の十字キー修理方法を解説しよう!

……え?最高峰は最後に出た「Newニンテンドー2DSLL」だと?
そんなハード、知らんなあ(New2DSLL嫌い)


■必要な道具を揃える

・New3DSLL用の十字キー基板

・精密プラスドライバー(細いマイナスもあると尚よし)

・ピンセット

・無水エタノール

・綿棒

■本体裏フタ取り外し

 作業前に本体を裏返してタッチペンを外しておく

 次に、写真赤丸のプラスネジ2本を逆時計回りに回す。
 このネジ2本は紛失防止のためネジが外れない仕組みになっているので、ネジがカチッと鳴るまで回せばネジが緩む

 2本ともネジが緩んだら、本体側面にあるツメから裏フタを持ち上げて取りはずす

 フタが取れたら、バッテリーマイクロSDカードを取り外す。
 マイクロSDカードはロックがかかっていて引っ張っても抜けないので、奥に押し込んでロックを解除してから外す。

 これらの小物は無くしがちなので、まとめて保管しておく。

 ネジを外す作業に入る前に、ゴムキャップの隠しネジが2本あるので先に取り外す

無水エタノールでゴムキャップの粘着を剥がす(2か所)

 ゴムキャップは粘着テープで固定されているため、粘着を弱めるために無水エタノールをひたひたに染み込ませた綿棒をゴムキャップの縁に沿ってあてて液を溝に染み込ませる

 液がある程度染みこんだら、マイナスドライバーを縁から差し込み軽くキャップを持ち上げてみる。
 上手くエタノールが染みていたらポロッと外れるが、もし抵抗がある時は再度無水エタノールを塗布する。

液が上手く染みているとポロっと取れる

 ゴムキャップが取れたら、プラスネジ8本を外す(写真赤マル)

 裏フタのネジの種類は全て同じなので、外したあとも特に気にせずひとまとめでOKだ。

 
 ネジが外れたら、本体下側(カートリッジスロット側)から開ける。

 この時点では、まだ裏フタ側のLボタンとRボタンのフレキケーブルが本体側のボードに接続されているので引っ張らないこと。

ケーブル断線に注意!(写真赤マル)

 ケーブルを抜かずにそのまま裏フタを開けようとすると、フレキが断線するおそれがあるため、基板側のフレキケーブル根元部分のコネクタからピンセットなどで持ち上げてケーブルを取り外す

根元付近からコネクタを持ち上げる
もう片方も外そう

 LとRのケーブルが外れたら、裏フタの取り外し作業は完了だ。

■カートリッジスロット取り外し

 基板全体を見ると、New3DSLLは基板がそれぞの機能ごとに分かれたユニット構造となっているようで、旧3DSや2DSのように殆どの機能がメインボード1枚にまとまった構造とは異なるようだ。

Newシリーズから構造がだいぶ変わっている

病巣部の十字キーへのアクセスにあたって、まずは上にあるカートリッジスロットのユニットを取り外す必要があるため、取り外しを行う。

 先に6本のネジ(写真赤マル)を取り外すのだが、このネジは長短さまざまなネジで統一感の無い構成なので、取り外したネジの種類と位置を間違えないように気を付けよう。

ネジ取り外し(赤マル)

 次にフレキケーブル2本を取りはずす

 まず左側にある、メイン基板に繋がれたケーブルはコネクタの根元をピンセットで持ち上げるだけで外れる。

 次に、十字キー基板のケーブルの外し方は、ケーブルが黒いプラスチック(ラッチ)でロックされているので、ピンセットでラッチを立ててロックを解除した状態から、ケーブルを引き抜く。

 これでカートリッジスロットの基板が外せるが、基板の左部分がメイン基板下に潜り込んでいる箇所があり、垂直には抜けないので、ずらすようにして基板を外そう

カートリッジスロット、摘出完了

■十字キー基板交換

 十字キーは独立した基板になっているため、修理にあたってはユニットごと交換する。

 ネジは左下1か所だけで留められているので、これを外すだけで基板の取り外し可能だ。

摘出完了

 これで古い基板の取り外し完了だ。

 次に、新しい基板を同じ位置に取り付ける。フレキが上になるように設置し、左下のネジ1本を締めて交換完了だ。

新品パーツなのに、何でフレキに折れ目が……?
まあ、細かいことを気にしたら負けだな

■戻し作業

 ここからは元の手順で戻すだけだが、カートリッジスロット基板の戻し作業にちょこっとクセがあったので、そこだけ細かく解説しよう。

 カートリッジスロット基板はメイン基板の下側に潜り込ませるように設置するのだが、さらにメイン基板とのフレキケーブルとの接続箇所もあるので、取り付ける際は下側から上にスライドするように取り付けよう。

 最初コレが分からず、「おっかしいなー、戻せん」と悩んだので、ここは要注意ポイントだ。

 抑えるポイントは、最初に十字キーのフレキを接続し、その後に本体斜め下側からメイン基板をくぐるようにして取付位置に寄せる。

十字キーのフレキ取付は、ラッチが上に上がっている状態からケーブルを刺しこみ、入ったらラッチを寝かすのだが、ケーブルが細くてなかなか上手く刺さらずにちょっと焦るが、ここは心を落ち着けて根気強く挑戦してみよう。

 カートリッジスロット基板を取り付けたら、ネジ締め、メインボート接続のフレキ(左)の接続を行う。このフレキはコネクタの位置を合わせて押しこむだけで接続できる。

ここがちょっとクセのあるポイントだ
穴の位置を合わせてネジ締め(6本)&メイン基板とのフレキ接続
完了!

 次に、裏フタのLとRのフレキをメイン基板に接続して、裏フタを閉じる。

 L/Rのフレキはコネクタの位置をしっかり合わせて押し込めば取り付け可能だ。位置が合っていると比較的軽めの力でコネクタは繋がる。


上手く入らない時はコネクタの位置が合っていないので、無理に押しこまないように再度位置合わせを行ってから接続する。

 力任せに無理やり押し込むと、コネクタか基板が破損するので気を付けよう!

あとは裏フタを閉じるだけ

■動作チェック

 ここから動作チェックを行うため、まだ裏フタはネジ締めせず仮留めにしておく。

 電池とSDカードを入れた状態で電源ON!


★動作チェックする項目

・電源が入るか

・L/R/ZL/ZRのボタンは効くか

・十字ボタン、ボタン入力、Cスティック入力はOKか

・ゲームソフト読み込めるか

・SDカードにアクセス出来るか


 ここまで動作に問題がないのを確認出来たら、ネジ締めおよび隠しネジのキャップを嵌め、最後に電池フタを閉じて作業完了だ。

動作バッチリであります、サー!

 最後に、電池を外した影響で3DS本体の日時がリセットされているので、再設定もお忘れなく。コレをけっこう忘れがちなので要注意だ。

■最後に

 このようにNewニンテンドー3DSLLの十字キー入力不具合は、部品交換するだけで比較的簡単に修理が可能だ。

社外品の交換用パーツも2024年11月現在ではamazonに比較的潤沢に在庫があるため、パーツ調達も問題なさそうだ。
ただし、あくまで非純正の社外品なので、純正パーツに比べると品質や耐久性に不安が残るが、それは運次第のパーツガチャと割り切ろう。

 New3DSシリーズはこれまでの3DSシリーズに比べて、アプリの起動速度アップ立体視のブレ防止機能、CスティックZL、ZRボタンの追加入力デバイス搭載といったけっこう地味めな改良された機種だ。

しかし、Newシリーズは一見地味な進化のように見えて、これまで3DS,3DSLL,2DSと分解して中の基板を見た経験から、中身が大幅にアップグレードされていることが分かった。


下の写真を見比べてみても、旧型3DSのメインボード一体型から、機能別ユニット構成と大幅な改良がされているのが分かる。

旧3DSのメイン基板
New3DSLLの基板構成

 この機能別ユニットの構成のメリットは、故障時のメンテナンスが容易で、故障部位のユニットを交換するだけで修理できるため、日々多くの修理サポート対応を行っている任天堂の作業効率を重視した改良点ではないかと思われる。

 旧3DSなどのようなメインボード一体型では、仮にカートリッジスロットの故障でもメインボード丸ごと交換となってしまい、部品代も高額となってしまうため、コスト面からみても大幅な改善がみられる。

 まあ、メンテナンス性の向上やコスト削減は会社側に有利な改良といってしまえばそれまでだが、間もなく修理サポートが打ち切りになるNewニンテンドー3DSLLは、いずれ自分の手で修理しなければならなくなるという事情から見ると、メンテナンスしやすい構造は非常にありがたい改良だと言える。

 ちなみに、2024年11月4日現在、任天堂ではNewニンテンドー3DSLLの修理サポート対応しているので、もし修理に自信の無い人や高品質の任天堂純正パーツに交換したい人はまだ間に合うので、可及的速やかに任天堂修理サポートに出そう!

(無理に自力で修理して大事な3DSを壊すのは悪手なので、絶対やめよう!)

2024/11/4現在の情報(任天堂HPより)

 ページには恐ろしいキーワード「部品在庫がなくなり次第、修理サービスを終了させていただきます」と記載されているため、既に補修用パーツ在庫が薄くなっている状況が考えられる。

 ちなみに、New3DSLLと同期の「Newニンテンドー3DS」は既にサポートが打ち切られているため、遅かれ早かれ部品切れによるサポート終了が予想されるため、「面倒だから、また今度でいいや」と引き延ばすのは厳禁だ。


【2024/11/4現在・修理サポート対応機種】

・Newニンテンドー2DS LL

・ニンテンドー2DS本体

・Newニンテンドー3DS LL本体


 しかし、これだけ多くの3DSシリーズがサポート終了しているのに、未だに旧式の2DSがサポート対象というのは全くもって謎だ。

せっかくだから、うちのコレクションの2DSの液晶も経年劣化気味で色がちょっとくすんでホワイトスポットもうっすら出ているのがあるので、交換修理に出そうか悩ましいところだ。

ただ、ちょっと見た目が悪いだけ程度で、特に壊れてはいないというのが引っかかり、わざわざ有償修理に出すべきなのだろうか……?

知る人ぞ知る名機・ニンテンドー2DS

……あ、よく考えたらこの2DSは以前スライドパッド交換で分解修理したやつだから、そもそも修理サポートに出しても断られるかもしれないなあ。

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