先日ディスカウントショップをブラついていたら、何やら見慣れたデザインのヘッドホンが売られているのが目に止まった。
あのキリッとした眉毛と自信に満ち溢れた不敵な笑顔の白いアイツ……奴の名は「激落ちくん」。あのメラミンスポンジでお馴染みの激落ちくんだ。
激落ちくんといえば、100円ショップのダイソーでよく似た顔の「落ち落ちV」という物が売られているのを見かける事があるが、あれは一体何者なのだろうか?
大企業のダイソーがこの期に及んでパチモノを作るとは思えないし、一体……?
それはさておき、清掃グッズ界では抜群の汚れ取りで絶大な信頼を寄せているメラミンスポンジ「激落ちくん」がデザインされたヘッドホンは一体どういう経緯で登場したのだろうか?
デザインだけ勝手に流用したパチモノかと思いきや、ちゃんとパッケージ裏に「QC By LEC」と記載があるのでちゃんとライセンスされた商品なのだろう。
ちなみに、QCとはQuality Controlの略で、品質管理の意味の筈なので、直訳すると「レックによって品質管理されています」といった意味なのだろうか?
そんな激落ちくんのオフィシャル商品がなぜディスカウントショップに?
そして、お値段が100円と激安価格……お値段から想像すると、ヘッドホンとしての性能には全く期待できないが、捨て値で売られているものの中でも稀に大当たりの激安ヘッドホンが売られていることもあった。
(↓過去の成功例)
【お値段以上】ASUS Zenfone5用イヤホン(ZenEar Pro?)がじゃんぱらで300円なので買ってみた【良音!】
そんな成功体験を再び味わえるか淡い期待を寄せて購入してみたので、今回は魅惑のデザイン激落ちくんのヘッドホンのレビューをしてみよう。
■激落ちくんヘッドホンレビュー(外観)
これが激落ちくんヘッドホンだ!
外観は白色をベースに、デザインはお馴染みの激落ちくんの顔が描かれている。
全体的に質感はプラスチッキーで安っぽーい感じだが、左右に配置されたおなじみのキリっとした眉毛が、力強いダイナミックなサウンドを奏でるのではないかと期待させてしてしまうデザインだ。
ヘッドホンの形状は耳掛け式で、側面に付いたフックを耳たぶにひっかけて使用するタイプだ。
耳掛け式は耳を圧迫せず、耳穴が蒸れない点がメリットだが、音の出るパーツを耳に軽く当てる構造のため、音漏れが発生しやすいところと外部ノイズを拾いやすいというデメリットがある。
そして、耳掛け式ヘッドホンはこの構造のため、公共の場で使うと周りに迷惑がかかるおそれがあるのが最大のネックだ。
外の騒音を拾ってしまい、ヘッドホンの音が聴こえにくい
↓
音量上げる
↓
音漏れで大迷惑!
……こういった悪循環を生みやすいためか、耳掛けヘッドホンが敬遠されているのかもしれない。(推測)
そういった音漏れ事情が原因かは不明だが、最近このタイプの耳掛けヘッドホンは以前に比べて積極的に販売されていないようで、あまり街中で使用している人をみかける事が少ない。
耳からうどんを垂らしている人はあちこちで見かけるが、耳掛けヘッドホンは殆ど見かけない。
個人的にはカナルは耳が蒸れやすく、ポロリと落ちやすいため、耳掛け式がけっこう気に入っているのだが、以前気に入って使用していたSONYの耳掛けヘッドホン(MDR-Q38)が断線して以来、なかなか良い耳掛けヘッドホンに出会えていない。
さらにSONYが耳掛けヘッドホンから撤退してしまったため、買いなおそうとネットを探してみたが、アホみたいなプレミアム価格となっているため手が出せない状況だ。↓コレ
一応、パナソニックやオーディオテクニカなどSONY以外のメーカーから耳掛け式はリリースされているので、SONY党員としては不本意だが、いざとなったら手を出してみようかと思う今日この頃だ。
その中でもオーディオテクニカのATH-EW9というモデルはデザインも良く音質も定評のようだが、お値段が1万円以上するので、もう少しお財布に優しいモデルを探そうとすると、今度は2000円以下のものがズラリ……中間くらいのやつは無いのだろうか?
■激落ちくんヘッドホンレビュー(サウンド)
さて、ここからはオーディオ機器としての本命「音質はどうなのか?」について切り込んでいくとしよう。
え、ブログタイトルに「音質が激落ちくん」とネタバレしているから分かってるって?
そう、その通りで音質はかなりの激落ちくんなのだ。
初めて音を聴いた瞬間、思わずプッと吹き出してしまうほどのサウンドショックだった。
それは、想像の斜め上をいく音質の悪さで、下手をすると100均で売られているヘッドホンの方が音質が良いんじゃないかと思うほど、全体的に音が貧弱で、まるで隣のイヤホンからの音漏れのような音質なのだ。
高音、低音、中音、全ての音域にモヤがかかったような音で、さらに音量を上げると強烈に音漏れするという、前述の耳掛けイヤホンのダメなところを余すところなく体現しているダメさ加減だ。
昔、中華のしょっぱいMP3プレイヤーを購入した時に付属していたオモチャみたいなイヤホンも相当なへっぽこサウンドだったが、この激落ちくんはそれと同等、いやそれ以上のヘボさ加減だ。
念のため出力元のソースを改善すると多少は良くなるのではないかという可能性から、ヘッドホンアンプ(SONY PHA-2)に接続して音質をブーストして試聴してみたが、それでも音質は変わらずのヘッポコサウンドだった。
逆にここまでやってもどうにもならない清々しいダメサウンドだと、一度怖いもの見たさに聴いてみて欲しいと周囲に猛烈レコメンしたいほどだ。
今回これが100円という価格で購入してものだから笑える話だが、これを定価で買った人の落胆ぶりは半端じゃないだろう。
(定価いくらで売られていたのかは不明)
とにかく、激落ちくんヘッドホンはネタで買うにはいいけど、音響機器として購入するのは全力でオススメできない代物だ。
■激落ちくんヘッドホンレビュー(まとめ)
これは買ってはいけない。
この一言に尽きる。
このヘッドホンも残念性能で、最近あまり勢いのない耳掛けヘッドホンの現状を打破するには至らないシロモノだった。
今回のタイトルにもある「音質も激落ちくん」という言葉通りの音質だが、ガワのデザインはあの激落ちくんで結構気に入っているため、ひょっとしたら内部の音が出るパーツ(ドライバー)をまともな耳掛けヘッドホンのパーツに付け替えれば、マトモな耳掛けヘッドホンに転生できるのかもしれない。
確かどこかに断線して放置していた耳掛けヘッドホンがあったハズなので、そこからパーツを流用してこればワンチャンあるのかもしれないが、パッと見たところ激落ちくんのヘッドホンのドライバーを入れ替えるための空きスペースがあまり無いため、交換は厳しいかもしれない。
あるいは、パナソニックやオーディオテクニカの安価なモデルを買ってきて、その部品を流用するか……?
機会があったらこいつを改造手術して、最強の激落ちくんヘッドホンに生まれ変わらせてみたいものだ。
あの激落ちくんのボディからまともなサウンドが出てくれたら良いのになあ……。
2024/1/28update
激落ちくんのイヤホン……だと……?
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