今年も殺人的に熱い夏がやってきた。
連日猛暑につぐ猛暑で、これまで猛暑日が最大かと思われた中、とうとう40度以上の日に対して「酷暑日」という地獄度合いのアップした名前まで近日爆誕してしまった程だ。
我らが名古屋も連日の猛暑で、名古屋を舞台にした漫画「八十亀ちゃんかんさつにっき」でも、夏場に名古屋の地上を歩く事は自殺行為だと言い張る程の暑さだ。

そんな中、我らがサンコーからネッククーラーという首の頸動脈を冷やして熱中症を防ぐという独自のアプローチのアイテムが数年前にリリースされた。
↓コレは過去に発売されたモデルだが、発売当時はペルチェ方式の斬新な冷却方式に「こ、これは革命機!?」と驚愕した。
発売当時は首掛け型の扇風機のようなアイテムしか無かった中、突如ペルチェクーラーを利用して体を血流で水冷するという新しい概念に感動して思わず飛びついたものだった。
※過去のネッククーラーのレビューは以下のリンクをご参照ください。
そして、何代かのモデルチェンジを経て、今回リリースされたネッククーラーは何と、空冷ファンとペルチェクーラーのハイブリッドという、過去に否定した空冷技術を合わせ技にしたコンセプトで投入されたモデルだ。
既にサンコーのネッククーラーを何台持っているか忘れてしまうほど購入してサンコーに貢いできた英二六だが、今回あえて空冷を取り入れたという真逆のコンセプトが気になってまた懲りずに購入してしまった。

そんなワケで、名古屋という連日40度に迫る地獄の中で1か月ほど使用してみたので、レビューを紹介しよう。
■ネッククーラーAIRのメリット
・風+左右のペルチェで冷涼感アップ(当社比)
スイッチを入れると間もなく首の後ろからスーッと感じる冷涼感に驚いた。
これまでのネッククーラーでは感じることの無かった空冷ファンの風だ。

これまでのネッククーラーでは左右にペルチェクーラーが配置されているだけで、首の後ろは冷却機構が無かった。
今回のAIRはその部分が空冷ファンとなっていたため、今まで感じていた不快感が和らいで快適性がアップした。
しかし、ファンによる快適性アップと引き換えに、さらに消費電力が上がるというネックもある。
ネッククーラーの仕様上、ペルチェクーラー単体の使用では廃熱が籠るため、どうしてもペルチェが吸収した熱を排気するファンが必要となる。
そして、左右にペルチェクーラーを配置するため、必然的にファンが2基必要となる。
そういった消費電力の都合から「これ以上ペルチェの冷却機構を増やすと電池持ちが悪くなるから仕方ないか」と諦めていた。
そんなバッテリーと消費電力の板挟みの中、サンコーはペルチェより消費電力が少ないと思われる空冷ファンで首元に風を送り込む事で少しでも快適に出来ると想定して開発したのではないかと思われる。

そういった快適性と消費電力とのトレードオフで、バッテリー運用では1時間から2時間位しか持たないというかなりスパルタンな仕様となってしまった。
強は1時間、弱は2時間、ゆらぎが1.5時間で、普段はゆらぎモードで回しているが、ほぼカタログ通りで1時間少々回すとバッテリー切れになる。

そのため、外で運用するときは補助用にモバイルバッテリーと付属のUSB-Cケーブルを持ち歩くのは必須だ。
正直モバイルバッテリー無しでの運用は現実的では考えられないと思っているほどだ。

ネッククーラー駆動用のモバイルバッテリーを選ぶにあたって、比較的軽量な10,000mAhのバッテリーあたりが持ち運びに向いているだろう。
(20,000mAhは重すぎるので、あまりオススメできない)

リチウムイオンバッテリーは屋外などの温度が高い環境下では発火の危険も伴うため、発火リスクの低減された「半固体タイプ」のモバイルバッテリーの使用がオススメだ。
・予備バッテリー付属で1時間+1時間無充電で使える
ネッククーラーAIRの電池持ちが悪いことをサンコー側も自覚しているようで、標準で予備バッテリーが1本付いてくる。

1本目のバッテリーは前述の首の後ろ側に風をあてる空冷ファン内蔵型だが、もう1本の予備バッテリーはファン無しタイプのバッテリーだ。
ファン付きに比べると快適性が落ちるのは間違い無いが、無いよりはマシだ。
個人的には、この予備バッテリーを持ち歩くより10,000mAhのモバイルバッテリーをもう1本持った方が良いかも?
■デメリット
・電池の持ちが悪い(実質約1時間!)
メリットの項目でも少し話した件だが、とにかくバッテリーの持ちが悪く、実用的なモードで回すと1時間少々しか使えないという点がこの機種最大のネックだ。
ネッククーラーAIRは3つの駆動モードがあり、「強」「弱」「ゆらぎ」の3種類がある。
しかし、最弱の「弱」でも最大2時間というよわよわぶりだ。
しかも弱は冷却性能を絞ってあまり使い勝手が良くないため、実質「ゆらぎ」の1.5時間が現実的だ。

これでは、ちょっとコンビニまで行く程度ならバッテリー単体だけでも何とかなるかもしれないが、これでは殆どの外出には向かないレベルだ。
そのため、USBケーブルとモバイルバッテリー(10,000mAh推奨)を一緒に持ち歩くことが望ましい。
10,000mAhのモバイルバッテリーを接続して計測してみたところ、「ゆらぎモード」20分の使用でモバイルバッテリーの残量が満タンから90%に減った。
ざっくり推測すると、モバイルバッテリーだけで200分(3時間20分)は使えそうなので、これは移動時に十分使えそうなレベルだ。

・日が当たると筐体が熱を持って熱い(濃色モデルはやめとけ)
今回購入した色がブラックボディのせいか、日当たりの良い場所で使用すると、日の当たる側のボディが熱を持ちがちだ。

実際お昼過ぎに南の方向に向かって歩いた際、日の当たる右側は熱々で、あまり日の当たらない左側はそれほどボディが熱くならなかった。
そういった事情から、もしボディカラーが選ぶなら熱を吸収しにくい白などの薄い色のボディを選んだ方がいいだろう。
・予備バッテリーはファン無し
首の裏に風が当たるファンはバッテリーと一体化構造のため、バッテリーを外すとファンも一緒に外れる。
しかし、小型の予備バッテリーはファンが付いていないという謎構造だ。
最初から本体の筐体にファンを内蔵すればそんな事にはならなかった筈なのに、なぜこんな構造にしたのか謎すぎて困惑する程だ。


まさか過去モデルの在庫処分品の流用?
・PD充電非対応
またまたバッテリーの問題だ。
しかも、個人的には結構致命的じゃないかと思うほどの問題だ。
それは、「急速充電(USB PD)に非対応」という点だ。
付属のUSBケーブルはPD非対応のUSB A to USB-Cのケーブルだ。
試しにPD対応のケーブルを接続してみたところ、充電ランプが無反応で充電されることは無かった。

そのため、バッテリーが切れると充電する必要があるわけだが、高速充電ができないため満充電までに約4時間かかるという鬼仕様だ。


もしも高速充電できるバッテリーなら、2本のバッテリーを交換しながら合間合間で継ぎ足し充電して何とかなりそうだが、満充電に4時間もかかるタイプでは到底そんな使い方は出来っこない。
とにかくバッテリー単体では使いものにないという詰めの甘さが実に手痛いところだ。
■まとめ(モバイルバッテリーは必須!)
このように今回のネッククーラーAIRは前モデルより本体部分の進化は見られたものの、バッテリー部分に大きな課題の残る結果となった。
しかし、現状のサンコーのネッククーラーの中では最新で最上位の使い勝手のある代物だ。
そして、最大の問題であるバッテリー持ちの悪さは致命的レベルで、ただでさえ容量の少ないバッテリーなのに空冷ファンが増えた事でさらに電池持ちが悪くなってしまい、バッテリーでは1時間ちょっとしか使えないという厳しい状況だ。
しかし、これ以上バッテリーの容量を上げると重量アップで首が重くなり使い勝手が悪化するという文字通りのネックとなるため、これ以上の大容量化は難しいと思われる。

さらにUSB-PDの高速充電に非対応のため、バッテリー単体での使い勝手は芳しくない。
そのため、ネッククーラーAIRをまともに使うにあたっては、モバイルバッテリーの外部電源から供給が必須になると断言したい。
ここでモバイルバッテリー運用で気を付けておきたいポイントを1点、「USB PD対応のケーブルは使えない」事だ。
付属のUSB-A to USB-Cのような従来の5V給電タイプでないと電源供給されないので、要注意だ。

「スマホはUSB-C充電だから、このケーブルを使いまわせばいいや」と思っている人は特に嵌まりやすいポイントだ。
大抵スマホの充電用USB-CケーブルはPD対応ケーブルなので、ネッククーラーAirの充電には使えないのだ。
今一度コネクタの形状をよく見て欲しい。
スマホ側がUSB-Cで、片方も同じ形状USB-Cのケーブルの場合は、PD対応ケーブルの可能性が濃厚で、そのケーブルではネッククーラーへの給電は一切出来ない。


炎天下で充電ケーブルが使えないのは死活問題なので、ネッククーラーとお出かけする前は今一度モバイルバッテリーの充電とUSBケーブルの種類が間違えていないかチェックしよう。
最悪ケーブルが手元に無かったら、可及的速やかに100均にダッシュして「USB A to USB-C」のケーブルを購入しよう!
特にCプラグの部分がL字に曲がっているタイプが使用時に引っ掛かりにくくてお勧めだ。

そんなワケで、これからネッククーラーAirを使ってみたい人は、本体カラーは白ボディで太陽熱の吸収を抑え、外部から電源供給するモバイルバッテリーは軽量な10,000mAhで発火リスクの少ない半固体タイプを選んでおけば現時点におけるベターな選択ではないかと思うので、参考にして頂ければ幸いだ。
そういった事情を踏まえて、ネッククーラーAirを最も有効に活用できるのは「白ボディ」「半固体10,000mAhモバイルバッテリー」の組み合わせがオススメのセットだ。
特に名古屋という地獄の業火(ヘルファイヤー)を彷彿する猛暑エリアを生きのびるにあたって、USBケーブルを失念することは命に関わる危機に直結するため、ケーブルは付属のUSB A to USB-Cのタイプを使用することを忘れないように気を付けよう!!
なお、そんなタイトルのシューティングゲーム「ヘルファイアー」がかつて東亜プランからメガドライブ用ソフトでリリースされていたが、これはマジで難易度が高く、タイトルに恥じない上級者向け地獄の業火ゲーなので、素人は手を出さない方がいいだろう。
せめてお色気ビジュアルのご褒美があるPCエンジン用の「ヘルファイアーS」あたりをやれば少しは地獄ゲームの清涼剤になるのかもしれない……それでも元のゲームがヘルファイアーなので厳しい事には違いない。






