以前、ゲームキューブ発売20周年記念と称して光学ドライブの修理記事をアップしたが、あれから1年が経った21周年の今、再びゲームキューブに問題が発生した。
それは、スイッチを入れる度に必ずこんなエラーが出るようになったのだ。
このように日付と時刻が毎回リセットされるという事は、おそらく時間や日付をバックアップしておく電池が機能していないのだろう。
そういえば以前ゲームキューブを分解した時にボタン電池のようなパーツが基板にハンダ付けされているのをみつけたが、まさかアレが原因なのだろうか?
ゲームキューブのボタン電池について調べてみたところ、どうやら予想はビンゴのようで、ゲームキューブ本体に内蔵されたボタン電池が消耗すると、時計やカレンダーが機能しなくなるという事が判明した。
そして、この電池は簡単に脱着できるものではなく、本体を分解して基板にハンダ付けされた電池を交換する必要があるようだ。
電池を入手した後、電池交換修理を行ったところ時計機能が見事に復活したので、今回はゲームキューブのボタン電池を交換する方法を解説しよう。
それでは、今回はゲームキューブ発売21周年記念ということで、手術開始!
【修理徹底解説】ゲームキューブのディスクが読み込まないので、分解してレーザー出力調整してみた
目 次
必要なパーツと道具の準備
ボタン電池 CR2032(タブ付き)
ゲームキューブの内蔵電池は一般的なCR2032ではなく、ハンダ付け用の接点(タブ)が付いたCR2032電池が必要だ。
なお、100均などで売られているCR2032はタブが付いていないので、amazonなどの通販で購入することをオススメする。
特殊ドライバー
ゲームキューブ本体のガワを開けるのに必須のドライバーだ。
プラスドライバー(+2)
一般的なドライバーセットに入っているものでも大丈夫だが、結構ネジが固いのでなるべくグリップが握りやすくて長いものがオススメ。
ハンダごて&こて台
これが無ければ、ハンダ付けされた電池の脱着が出来ないため必須の道具だ。
こて台もあると便利だが、お金に余裕が無い人は、陶器のお皿に濡れティッシュを敷いて代用するというビンボー技もある。
ハンダ吸い取り線
電池取り外しの際に、基板のハンダを吸い取るのに使用する。
ハンダ
新しい電池をハンダ付けして取り付けるために必要だ。
本体ガワ分解&コントローラー基板取り外し
まずは本体を裏返して、特殊ドライバーで青丸の4本のネジを取り外す。
ネジが外れたら本体を再び裏返してガワを外す。
次に、本体前面にあるコントローラーのコネクタ側に付いているパネルを取り外す。
パネルはネジ固定されておらず、パネル左右のプラスチックパーツで引っかけてあるだけなので、指で簡単に取り外すことができる。
取り外しの際、本体基板とコントローラー基板をつなぐフレキケーブルがあるので、乱暴に引っ張ってケーブルを切らないように注意が必要だ。
フレキシブルケーブルは特別なロックなどかかっていないため、なるべく根元に近い部分を指で持って垂直に引っぱればケーブルが抜ける構造になっている。
これで、病巣のコントローラー基板の取り外し完了だ。
コントローラー基板の分解
電池交換にあたって、フロントパネルが作業の邪魔になるため、これも取り外す必要がある。
写真赤丸の2本のネジをプラスドライバーで取り外すだけで基板とフロントパネルは分離が可能だ。
古い電池の取り外し
古い電池の取り外しは、ハンダごてとハンダ吸い取り線を使っての作業となる。
ボタン電池は基板にハンダ付けされているので、まずは古い電池を取り外す。
基板上の「+」と「-」がハンダ付けされている箇所に熱したハンダごてをあてて、ハンダが溶けてきたらハンダ吸い取り線をあて、溶けたハンダを吸いだす。
基板上のハンダが取れると、電池を抜き取る事が可能だ。
新しい電池の取り付け
新しい電池を取り付けの際に注意する点は、+と-を間違えないことだ。
基板に「+」「-」が記載されているので、電池の接点を間違えないようにセットする。
その後、ハンダごてとハンダで電池接点を固定すれば完成だ。
元に戻す
取り外した順番と逆の順番で取り付ければいいのだが、気を付けるポイントはコントローラー基板を繋ぐフレキシブルケーブルの取りつけだ。
取り付け部が結構狭いため、指がなかなか入りにくく力が入りにくいのだ。
ケーブルが奥まで入ったら、念のためケーブルを軽く引っ張ってみて、外れなければ上手く接続されているが、スポッと外れる時はケーブルとコネクタが上手く噛んでないのでやり直しだ。
ここさえクリアできれば他はそんなに難しくは無いので安心だ。
動作確認
全部組みなおしたら、動作確認を行う。
(動作が上手く行かない時に備えて、まだガワのネジは締めない方がいい)
チェックするポイントは以下の通りで
「内蔵時計はちゃんと動くか」
「コントローラーはポート1~4認識するか」
「メモリーカードは読み書き出来るか」……の3点だ。
電池交換してから初回の起動はカレンダーがリセットされるので「本体設定が消えています」エラーが出るので、設定の画面から日時の設定を行う。
上手く電池が取り付けられていたら、2回目以降はエラー無しで起動するが、もし電池交換のハンダ付けが上手く行っていない時は、2回目以降も「本体設定が消えています」エラーが出るはずだ。
次にコントローラーとメモリーカードがうまく認識されないときは、フレキシブルケーブルが上手く接続されていない可能性が濃厚だ。
(フレキシブルケーブルの接続が上手くいっていないと、ボタン電池の電源供給もままならないハズ)
もし、上記のような問題が発生したら、一度分解して電池のハンダ付けまたはフレキシブルケーブルの取り付けを再チェックする。
さて、そんなワケで電源を入れてみよう。
エラー画面、無し!
コントローラー、メモリーカード
問題無し!
ここで問題なく動作できたら、日時を正しく設定し、ガワのネジをしめて作業は完了だ。
交換から2か月ほど経っても、問題なく時を刻んでいるので、どうやら手術は大成功のようだ。
まとめ(そうだ、電池交換しよう!)
このようにゲームキューブは発売から20年以上経過しているハードのため、現在フリマアプリや中古ショップに出回っているゲームキューブ本体の多くは、内蔵電池が切れて日時の表示が狂っていると考えられる。
過去の記事では読み込まなくなってしまったゲームキューブの光学ドライブを修理したが、これは使用頻度や保管状況などの劣化度合いによってコンディションはまちまちだ。
しかし、内蔵電池切れは経年とともに必ず発生するため、今でもゲームキューブを愛用している奇異な……あわわ、素敵ゲーマーのみんなはゲームキューブ本体を分解して内蔵電池を交換することをオススメしたい!
分解やハンダ付けは少し手間のかかる作業だが、スイッチを入れる度にいちいち「本体設定が消えています」エラーが出なくなるのは、精神衛生上よろしいのではないかと思う。
ちなみに、電池交換についてはCR2032のボタン電池を脱着可能にするソケットへ付け替える人もいるようだが、今回はソケット部品が手に入らなかったので、タブ付き電池を使って直接電池交換する方法で作業を行った。
まあ、これまでの流れから考えれば、電池交換だけでもゲームキューブはあと10年は戦える……はずだ。