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【修理解説】SONYのウォークマンNW-F805の電池を交換してみた(NW-F800シリーズ共通)

投稿日:2024年3月24日 更新日:

 最近あまり使っていなかったウォークマン(NW-F805)の電源を入れようとしたところ、ウンともスンとも言わなくなっていた。

 まあ、長いあいだ使用せずに放置していたから電池切れかなと思い充電してみたが、充電中の電池マークが出ずに一瞬だけウォークマンロゴが表示され、あとはブラックアウトするというこの現象……充電ケーブルを刺して1時間放置してもなお沈黙を続けるNW-F805。

動かざること山のごとし……

 この状況から、これまで多くのウォークマンの最期を看取ってきた「葬送の英二六」の2つ名のカンが導き出した答えは

「問題は、電池だ!」

 このNW-F805のウォークマンは2012年10月20日に発売されたモデルで、現在2024年という事情から考えて、もうとっくにバッテリーのお迎えが来てもおかしくない時期だ。

 さらに、電源を刺しっぱなしの状態に限ってリカバリモードが立ち上がることから推測して、おそらくバッテリーが完全に消耗しきっていて定格の電力すら出力できないほど低下しているため、このウォークマンのOS(Andoroid)をブートできるほどの電力供給ができないのではないかと思われる。

 以上の状況から、バッテリーを新しい物に交換すれば復活できるのではと推測し、交換用バッテリーを発注しようとアマゾンを検索してみたところ、値段に驚愕した。

……え、2000円近くする、だと?

 こんな12年前のロートルに2000円も払うとは、随分と酔狂な話ではないか。
 さらに「バッテリーが2000円だぞ? 他にもウォークマン持ってるなら、わざわざこんな古い機械を修理する必要があるのか?」ともう一人の自分から厳しい問いかけがあったが……

 という葬送の英二六らしい小粋な台詞を吐きながら、笑顔でバッテリー注文ボタンをポチッた。
(実際、友人の愛用していたNW-ZX1を修理した際に感謝されたので……)

 待つこと数日、待望のブツが到着したのでさっそく手術開始!


■道具を揃える

 まず、NW-F805の電池交換作業に必要な道具を揃えよう。

・電池

 アマゾンで購入。値段は時々変動するが、現在は2000円位する。
 様々な出品車から販売されているため価格がまちまちだが、プラスチックヘラ(ピック型、スティック型)が付属しているものがオススメ

・精密プラスドライバー(+00)

 ネジの長さや色がまちまちだが、これ1本で全部外せる。

・セラミックピンセット

 ハンダごての作業で使用するため、先端の材質が金属じゃないものが良い。
 (オール金属製の一般的なピンセットで作業するとヤケドするおそれあり)

・プラスチックヘラ

 棒状の物やギターピック状のものがあるが、今回はピックの方が使いやすかった。
 バッテリーに分解キットが付属している場合も多いが、販売者によってはバッテリーのみの販売もあるため、もし付いていない場合は別途用意する必要がある。

・金属ヘラ(プラヘラあれば無くても大丈夫)

 先端の細さと材質の強靭性に定評のある凄い奴。

 絶大な硬度と柔軟性を合わせ持つこの金属ヘラは、これまで数々の難儀な機械分解で活躍してきた実績を持つが、間違えて液晶周りのパーツ外しに使用すると、その強靭さゆえに液晶を破損する恐れのある諸刃の剣となるので、取扱には十分注意が必要だ!

・ハンダごて

 白光のFX-600、これは良いものだ!
 温度調整用のダイヤルがあり希望の温度設定が出来る点が便利なうえ、希望の温度に達するとLEDランプで通知される素敵なハンダごてだ。

 これは一家に一本持っておいて損は無い!

・はんだごて台

 ハンダごてを挿せる部分があるモデルが安定してオススメだ。
安いペラペラのこて台はハンダごてを置く部分が不安定で落ちたりして危ないので、白光の良いやつを買っておいた方がいい。

・強力両面テープ

 本体上部のパーツ取付に使用。
 なるべく幅が狭くて薄い物を推奨。


 

・カプトンテープ

 ハンダごての接着部に貼る絶縁テープ。
 元々ハンダ接合部に貼ってあるテープの粘着が弱っていた場合の交換用なので、もしテープを使い回すことが出来るなら別途用意する必要なし。

■本体裏面上部のフタを外す

 まず本体を裏返して、本体上部に付いている四角い部分のパーツを取り外す。
 
 このフタは粘着テープとプラスチックの爪で固定されており、溝の部分にヘラを差し込んでフタをズラして持ち上げれば結構簡単に外れる。

 電源スイッチのパーツ(青い楕円形のやつ)は乗っているだけで固定されていないので、作業中に落ちないように一緒に外しておく。

■ネジ外し(5本)

 先ほど外した本体上部のネジ3本(銀)、下部2本(黒)を精密プラスドライバー(+00)で外す。

 気を付けるポイントは、上部ネジの真ん中だけネジが短いので、元に戻す際に種類を間違えないようにしよう。

本体上部
本体下部

 外したネジとスイッチ部品は紛失しないようにまとめておこう。

これを失くしたら、おしまいDeath!

■本体ガワの裏を取り外し

 ネジを外すと裏のガワの固定が外れるので、液晶側の隙間にプラヘラを挿しこんで溝をスライドさせることでガワが外れる。

 ここは少し力がいる作業で、スティックのヘラよりギターピックの方が使いやすいかも?

 ガワを外す際、本体下部のスピーカー部分を保護する網のような小さいプラパーツも外れるので、無くさないように保管しておこう。

 これで問題のバッテリー本体とご対面だ。

■バッテリー取り外し

 バッテリーは3本の線でハンダ付けされているので、まずはこの3本を外す。
 まず、線の上に貼られた透明のカプトンテープを剥がす。
 (カプトンテープを使いまわす場合は、捨てずに残しておこう)

長年の使用でテープがズレている……

 次に、ハンダごてで線を取り外す。
 ピンセットで線をつまみながら、片方の手でハンダごてを接点にあててハンダを溶かして取りはずす。

 線はそれぞれ色が異なるので、色の順番をキッチリ覚えておこう。
 (本体上部から見て、黒、白、赤の順番)

 線が外れたら、次はバッテリー本体の取り外しだ。

 バッテリーは粘着テープで固定されているだけのため、バッテリーの下部にヘラを差し込んでグリグリ持ち上げると外れる

けっこう頑丈に接着されている!

 これで古いバッテリーの取り外し完了だ。
 もし、粘着テープがバッテリーにくっついていたら、剥がして本体側に貼り替えておこう。
 既に粘着が弱っていたら……捨てよう。

 古いバッテリーを廃棄する際は、ショートしないように3本の線の先端にテープを貼って絶縁してから処分しよう。

端子がショートしないようにテープで絶縁

 バッテリーの処分方法については自治体によってそれぞれ異なるため、各自の自治体ホームページを参考にして処分しよう。

 参考までに我ら名古屋市の場合は、充電池も乾電池と同じ電池扱いとなるため回収日に+-をテープを貼って絶縁してから透明袋に入れて処分する。

名古屋市のゴミ出しマニュアルより

■新しいバッテリー取り付け

 次に、新しいバッテリーの取付だ。
 ハンダ付けする前にバッテリーを本体ガワの粘着テープで固定する。
 取り付け位置は元々バッテリーが付いていたコネクタ部と同じ位置に合わせ、ケーブルの向きをハンダ付け側にする。

 なお、今回購入したバッテリーは社外品のため標準のバッテリーより少し小型で取付スペースが少し余ったが、特に気にしなくてOKだ。

 もし先ほど外したバッテリーの粘着が残っていたら、そのまま使いまわすが、もし粘着が弱くくっつかなくなっていたら、両面粘着テープをセットしてバッテリーを貼り付けよう

 バッテリーの線の長さは、取付位置に合わせて3色それぞれ長さが違うつくりになっているが、今回購入した分は幸いケーブルの長さが調整済みだったので、厳密に長さを調整しなくても大丈夫そうだ。

 もし、ケーブルの長さが大幅にオーバーする場合はケーブルをカットして調整する必要がある

 もし純正バッテリーのケーブルより大幅に長く、カットする必要がある場合は、電線を剥く際に「ワイヤーストリッパー」を使用しよう。

 もしケーブルのカットが必要な場合、ケーブル長はこんな感じだ
 ・赤:約3cm
 ・白:約2.5cm
 ・黒:約2cm

 ハンダづけは、取り外しと同じ要領でピンセットでケーブルを持ってケーブルと基板のハンダ部をこてで押し付けて取り付ける。

 赤白黒の順番でやると作業しやすい。

ちょっと標準よりバッテリーが小さい
相変わらずヘタクソなハンダ付け……

 3本のハンダ付けが終わったら、接点の上部にさきほど剥がしたカプトンテープを貼り付ける。

もしカプトンテープが剥がれていたり粘着が弱い時は新しいカプトンテープに貼り替えよう。

■本体ガワの裏を取り付け

 ここからは戻し作業となるが、裏のガワ取り付けで注意する点がある。

 先ほどガワを取り外した際に取れたスピーカー保護のプラパーツは、色が黒いのでガワに取り付けるように見えるが、本体基板側の取付位置にセットしてからガワを取り付ける方が作業しやすい

■ネジどめ、電源スイッチ取り付け、上部フタ取り付け

 上手くガワがしまったら、次に5本のネジを締める。
 上部:(銀色ネジ)長、短、長
 下部:(黒ネジ)

 次に、電源スイッチを元あった位置に置き、上部フタを締める作業だが、1つ重要な作業がある。

 この上部フタは粘着テープで固定されている部分があるが、経年で粘着がかなり弱っているので、両面テープを貼って粘着を強化しておく必要がある。

 写真のように両面テープを貼っておけば大丈夫だ。

見た目以上にかなり強力な粘着力!

 これで完成だ!

■動作確認

 動作確認にあたって、1時間ほど充電しておいて……スイッチON!

動いた!

 おー、動いた。やはりバッテリーが弱っていたか。
 そりゃ12年も経過してりゃ普通に考えてバッテリーの死亡だろうが、時間が経過している割に劣化しているパーツはバッテリーだけのようで、液晶もボタン類も元気なので、まだまだ問題なく使用できそうだ。

 OSのAndroidはバージョン4なのでアプリやネット関連はもはや厳しい状況だが、スタンドアローンのウォークマンとしてはまだまだ問題なく使用できるのでOKだ。

 まあ、そういったネット接続できるやつは、それ用のストリーミング対応のウォークマン(A105)を持ってるからヨシッ!

(左)NW-F805 (右)NW-A105

そして、またどこからともなく「結局こんな古い機械を直してどうすんのさ?」と聞こえてきた。

※英二六コレクションの一部より

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