先日、昔に遊んだPSPのゲームがやりたくなり、ソフトを探してみたところ……
あったあった、「メモリーズオフ アフターレイン」!
このソフトは、PS2時代に発売されたもので、いわゆるギャルゲーというやつだ。
いま手に取っているのはPSP向けに移植されたバージョンだが、内容はPS2版と同じだ。
PS2版ではアフターレインシリーズを分割商法というエグいスタイルで販売され、ショートストーリーをそれぞれ3本に分割して販売されていた(Vol.1 折鶴、Vol.2 想演、Vol.3 卒業)。
当時、1本あたりのプレイ時間のあまりの短さに呆気にとられたが、PSP版は3本パックを1枚のUMDに収録して移植されているので、こりゃいいやと思い購入した。
このソフトのPS版が発売されていた当時は、ギャルゲー業界が大盛況で、主にテキストタイプのアドベンチャーゲームが多く、ソフト開発が比較的容易なためか多くのメーカーが参入し、玉石混交の様々なタイトルが発売された。
そんな群雄割拠の中、各メーカーのクリエイター達が切磋琢磨し、いかに感動したり熱くなったりキュンキュンしたり爆笑したりできるかを競うように次々とシナリオを生み出し、我々を楽しませてくれた。
特にKeyブランドの「Kanon」や「Air」などに至っては、感動シナリオ全振りにブッコんでくる内容で、各社もそれに追随するように感動系シナリオのソフトが多く制作された。
前述のメモリーズオフを開発したKIDというゲームメーカーも多くのギャルゲーを発売しており、時間トリックを使ったミステリアスなSF要素満載のギャルゲー(Ever17)や、ヒロインや主人公の言動がいちいちおかしいメモリーズオフのような怪作品など、快作から怪作まで色々な切り口で多くのギャルゲータイトルがリリースされた。
しかし、最近のギャルゲー界隈は昔ほどの勢いは無くなってしまい、残念ながらKIDも時代の波に飲まれて倒産の憂き目にあってしまったが、作品の権利は紆余曲折をへて現在5pb.へ移譲されているため、今でもメモリーズオフの続編やリメイク版が発売されている。
当時ガッツリはまった初代メモリーズオフも、当時流行した感動路線のシナリオで開発されたており、実際にキャラクターによっては泣かせる話もあったが、それを余って補うほど全体的にクセのある内容で、特に主人公の言動の奇行に定評があった。
日常パートでもシリアスパートでも、主人公の口から発する「アホゥ!!アホゥ!!お前は正真正銘のアホだぞ!!脳をゆすげ!!脳を!!」 やら「バカタレェ!!バカタレェ!!脳を塩素漂白剤につけて洗え!!3日3晩は寝かせろ!!」という壊れ気味の言動から、シナリオ担当者がどれほどイカれていたかが分かるはずだ。
しかし、そういった香ばしい要素も含めて当時はメモリーズオフにドはまりしてしまい、過去にシリーズを何作か購入してしまった経緯がある。
何というか変な臭いがするけど味わいがあり、ついつい食べてしまうクサヤのようなギャルゲーだったメモリーズオフだが、かれこれ十年以上放置していたのにも関わらず今ふとやりたくなってしまうのは、やはり変な作品だったけど我々の心にザックリと刺さっていたのだろう。
まあ、そんな長い前置きはさておき、早速メモリーズオフアフターレインをプレイしてみよう!
ちなみにこのアフターレインというソフトは、そのイカレた初代メモリーズオフの本編ではなく、初代と2のアフターストーリーで、ギャルゲーにおける「日常パート」→「シリアスパート」→「大団円」の流れの後のお話だ。
既に初回プレイから10年以上経過して殆ど内容を覚えていないから、ある意味新鮮な気分でプレイ出来ると思い、胸躍らせながらパッケージを開けてみたところ……
THE 歩兵2 ~戦友よ、先に逝け~
……なん……だと……?
よりによって感動巨編のメモリーズオフをプレイしようと思ったら、まさかのthe歩兵2(かなりクソゲー)とは、たまげたなあ。
そう、ゲームソフトを片付ける時に「あれ?ケース無いぞ。探すの面倒くせー。せや、そこらへんの開いてるケースに片付けたろ!」という愚行を犯したまま数年放置してしまったしわ寄せが今になって牙をむくというケースだ。
よくニンテンドーDSなどでもいい加減な片付けをやってしまっており、いざ遊びたい時に肝心なソフトが見つからないというダメダメな人の見本だ。
そんな自称ズボラ検定3段の英二六だが、慌てず急いで正確にTHE 歩兵2のパッケージを見つけ、今度こそメモリーズオフをやろうとしたところ……
は、薄桜鬼??
そもそも、乙女ゲーなんて持ってないぞ???
ちなみに乙女ゲーとは、いい男がいっぱい登場する女性向けゲームの事だ。
……おそらく犯人は姉貴に違いない。
もう自分のズボラですら手を焼いているのに、家族までズボラだと更に目も当てられない事態に発展してしまうという事がお分かり頂けたでしょうか?
それでは、メモリーズオフは一体どこへ消えてしまったのだろうか?
おそらくパッケージとソフトの入れ違い状態がここまで悪化しているという事は、他のパッケージも相当あやしいと思われ、これからこの混沌としたパッケージを入れ替えることを考えると、実に頭が痛い話だ。
まあ、仕方が無いので今日はthe歩兵2をプレイするとしよう……
うわぁ……これこれ、DSでプレイした初代「the歩兵」もフルメタルジャケットのハートマン軍曹みたいな憎ったらしい鬼上官が出てきて相当香ばしい内容だったけど、続編の歩兵2にも出てたっけな。
パート2の主人公は正規の軍隊所属ではなく、傭兵派遣会社みたいなところに所属しているが、例の鬼軍曹は健在で、おそらく映像は前作の使いまわしっぽい雰囲気が……。
まあ、このソフトがシンプル2500シリーズだから開発費を浮かせるために仕方ない事とは言え、それにしてもゲームとしては相当ダメダメな内容だ。
同じシンプルシリーズでもサンドロットの「THE地球防衛軍」のように、別のフルプライスゲームで使用した素材を再利用した副産物のようなゲームにも関わらず、作り手のこだわりが光るゲーマー魂に響く熱意の込められた作品で、今ではフルプライスでシリーズ化されている一方、THE歩兵2はただひたすらに出来の悪いミリタリーアクションゲームだ。
THE歩兵を開発したタムソフトは、シンプルシリーズでも残念なタイトルを数多くリリースしている事に定評で、自分も何本か掴まされてきた経緯があるが、フルプライスゲームではちゃんと良い仕事をする作品もあるので、タムソフト=クソゲーというワケではないので悪しからず。
タムソフトがクソゲーメーカーじゃない証拠として、ニンテンドーDS用ソフトでサクセスより発売(タムソフト開発)された「野獣刑事」はフルプライス作品だが、80年代刑事ドラマのお約束である要素「銃撃」「格闘」「カーチェイス」「爆発」と、実によく分かっている人が作ったと思われる要素がふんだんに織り込まれている優秀なベルトスクロールアクションゲームに仕上がっており、当時タムソフト作品とは知らずにパッケージ買いしてしまった自分は、野獣刑事をプレイして「タムソフト……やるじゃないか!」と見直してしまったほどだ。
オープニングムービーもアラフォー越えなら感涙ものの出来で、当時西部警察や太陽にほえろを見た世代なら感涙すること間違いなしだ。
さらに、エンディング曲が舘ひろしの書きおろしオリジナル曲という異常なまでのこだわりから、タムソフトも開発費さえあれば、ちゃんとできる子である事を認識することとなった。
こういうのを後世のハードに移植なり続編をリリースして欲しいものだが、今のところ野獣刑事の続報は入っていない悲しい現状だ。面白いんだけどなあ……。
しかし、THE歩兵2は悲しきかな低予算枠のため、ゲーム内容も操作性もボロボロで、初代の安っぽいながらも楽しめたゲーム部分もイマイチになってしまい、実に手に負えないクソゲーに仕上がっている。
唯一のお楽しみポイントが鬼軍曹の口汚いボイスとあだ名システムだけというストイックさに、当時THE歩兵2を購入間もなく後悔した事を思い出した……。
まだDS版のTHE歩兵の方が面白かったほどだ。 ↓コレ
あまりのクソゲーっぷりと操作性の悪さから来る酔いと鬼軍曹の口汚い言葉に疲弊したため、お口直しに「メタルスラッグXX」をプレイ……あー、軍隊も会社もこういう上司だったらどんなに良かったでしょうか。
昔からシリーズを通して命の軽さ儚さは業界No.1のメタルスラッグだが、コンバットスクールの教官だけは唯一の癒しだ。
そんなこんなで、THE歩兵2の出来の悪さをあらためて確認すると共に、これからはちゃんとソフトは遊び終わったら正しいケースに片づけようと決意した今日この頃。
あとズボラな人は、ゲームソフトだけまとめて収納できるケースの使用も控えた方が良い。
だいたい収納ケースごと行方不明になってしまい、いざゲームをしようとソフトのパッケージを開けたらカラッポという精神的ショックは結構エグイので……。
↓ こういうの……便利なんだけど、ズボラは買うな!