久々にDSのマリオカートをやってみようと思い、ニンテンドーDSiを起動してみたところ……
あれ?ドリフトが出来ないぞ?
マリオカートはドリフトする時、Rボタンで車体を滑らせるための初動が必要だが、何回Rボタンを押してもマリオがウンともスンとも言わないのだ。
このゲームはドリフトありきのプレイが基本のため、全然カーブを曲がり切れず最下位に……マンマミーヤ!
一体何事かと思い、いったん電源を落として本体を再起動してみた。
DSiのメインメニューからLまたはRボタンを押すとカメラが起動し、DSの画面に福山雅治かベルサイユ宮殿の美麗な部屋が表示される深刻なバグがあるのは有名な話だが、何度Rボタンを押してもメニュー画面のままで、一向にイケメンも豪華邸宅も表示されることは無く、ひたすらメニュー画面のままだ。
(Lボタンを押すとアラン・ドロンが表示されたが……)
冗談はさておき、このDSiはRボタンが何らかの不具合で入力できない状態になっているようだ。
おそらくマリオカートDSのドリフトでRボタンを酷使したのが故障の原因と思われる。
ちなみに、中古ショップで訳あり品として売られているDSiの不具合箇所の多くが「Rボタンが効かない」という物をよく見かけるところから、どれだけマリオカートは多くのDSのRボタンを葬ってきたのだろうか……まさに葬送のマリオカートだ。
とりあえず、このままでは全然ゲームにならないので、DSi本体を分解してRボタンを修理してみたところ、無事Rボタンが復活したので、今回はその修理方法を紹介しよう。
(Lボタンも修理方法はほぼ同じ)
電池取り外し
まず、DSi本体を裏がえし、右の電池ボックスの蓋のネジ2本を精密プラスドライバーで外す。
電池は本体をひっくり返して軽く振るだけで簡単にとりはずしできる。
ネジ7本取り外し
次に、写真赤丸のネジを7本取り外す。
ネジは思わぬ方向に転がっていくため、失くさないように保管しておこう。
もし、ネジの部分に目隠しゴムが付いている場合は、精密マイナスドライバーなどでこじって取り外そう。(このDSiは、既にゴムが無いけど)
本体ガワ取り外し
ネジが全て外れたら本体のガワを取り外す。
ツメが掛かっていて取り外しにくくなっている時は、隙間に使用済みのプリペイドカードなどを差し込んでスライドするだけにツメが外れる(カートリッジスロット付近にケーブルがあるので、深く挿しすぎないこと!)
取り外しで注意するポイントは、L/Rボタンのケーブル(フレキ)が本体メイン基板に繋がっているため、先にメイン基板側のコネクタからヘラなどで持ち上げるようにケーブルを外す必要がある。
力任せに引っ張ると、ケーブルが断線するおそれがあるので、要注意だ!
コネクタが外れたら、本体の分離が完了だ。
これより、病巣のL/Rボタン部の修理を開始する。
Rボタンのプラパーツを取り外す
まず、黒いパーツを取り外す。
黒パーツはプラスネジ2本で固定されているので、ドライバーでネジを外す。
ネジが外れたら、ピンセットでパーツを掴んで取り外す(指でやるのはちょっとムズイ!)。
次に、いつもガシガシ押しているRボタンのプラパーツを外す。
このパーツは、プラパーツ(+バネ)、軸の棒で構成されており、ネジなどの固定は無いので、簡単に取り外しできる。
特に軸の棒は転がりやすく失くしやすいので、ネジ同様に転がらないように注意が必要だ。
ここまで外したら、ようやくRボタンのご本尊がお目見えだ。
接点復活剤をRボタン部品に吹き付け
ようやくたどり着いたRボタンのパーツはタクトスイッチと呼ばれている部品で、押すと独特のカチカチ音がするものだ。
この部品が経年や過度の使用で接触不良を起こしやすいようで、この黒ボタンの根元に接点復活剤を吹き付けて、接触不良を解消する必要がある。
接点復活剤は、当ブログではおなじみのクレの接点復活スプレーを使用する。
こいつは、多くのゲーム機の接点不良を救ってきた優れモノで、ご家庭に1本は常備しておきたいアイテムだ。
まず先端に付属の細いノズルを取り付け、タクトスイッチのボタン根元をめがけてスプレーする。
液が乗ったら、先の細いベビー綿棒で周りに飛んだ液を拭き取りながら、スイッチをカチカチ押し込んで液をなじませる。
念のため、この作業を2セットくらい行う。
接点復活剤の塗布作業が終わったら、逆の手順でRボタンを戻す。(Rボタンパーツ→黒パーツ)
本体組み戻し
本体裏蓋のパーツを組み戻す前に、先ほど取り外したL/Rのフレキケーブルを本体基板に取り付ける。
写真赤丸のコネクタと基板の位置を合わせて押し込むだけで取り付け可能だが、もし上手く入らない時はコネクタの位置がズレているので、コネクタの位置を再度確認しながら取り付けよう。
コネクタを付けたら、裏蓋を閉じる。
この時点ではネジ締めを行わず、電池を取り付けて動作確認を行う。
もし、ボタン入力が上手くいかない場合は、フレキケーブルが上手く繋がっていないか、接点復活剤がうまくなじんでいないかが考えられるので、再度バラして作業を行う。
(それでもダメなら、タクトスイッチのパーツorフレキが逝っているので、部品交換が必要)
動作確認
・電源ON……OK
・L/Rボタン……メニューからL/Rボタン動作OKだが、ブサメンと汚部屋が映る新たなバグ発生?
・他のボタン入力、OK。
・音声出力、OK。
・ソフト読込、OK。
そして……ネット接続、OK!
各部問題なく動作することを確認できたので、一旦電源を落としてネジ締めを行い作業完了だ。
最後に(まだまだDSを楽しもう)
このようにマリオカートDSというRボタン破壊ソフトをプレイしたニンテンドーDSiは、ボタン接触不良をおこしやすいようだが、ちょっと一手間かければ復活することが出来るので、Rボタンの故障でお悩みの人は是非この方法で修理を試みて欲しい。
ちなみに、このニンテンドーDSiという機種は、DSシリーズの中でDS→DSliteの次に登場する第3形態のハードだ。
(DSの最終モデルは、第4形態のDSiLL)
DSiの発売当時はGBAスロットを省いた仕様を見て、GBAソフトやGBAスロットを活用したDSソフトが遊べなくなるのはちょっとイヤだなと思ったが、新たにSDカードスロットを搭載しているため、AACのファイルを入れて音楽を聴けたり、ダウンロード販売のソフトをインストールしたり(DL販売は終了)その他いろいろな用途があるため、うまく活用すればまだまだ行けるヤツだ。
そう、色々と使えるのだ……ふふふ。
そんなDSiだが、既に任天堂からダウンロードソフトの販売は終了してしまったのが残念なところだが、一般のDSソフトを遊ぶのは何ら問題は無い。
まだ中古ショップを探せば、DSの名作ソフトが安価でゴロゴロ転がっているので、気になる人は中古ショップをチェックしてみよう。
しかし、最近はDSなどの古いゲームの売り場が縮小傾向にあり、そろそろ危ない時期にかかっているため、もし欲しいソフトがある人は、なる早でお店へダッシュで奪取だ!
ちなみに、小さい画面が見づらくなってしまったナイスミドルなゲーマー諸君には、大画面モデルの「DSi LL」がオススメだ。
下の写真を見ても分かる通り、LLという名の通り本体サイズも画面サイズもDSiとは段違いに大きいのが特徴だ。
本体が若干ズシッと重いのがネックだが、DSi LLはホントに画面が見やすいので、老若男女問わずオススメしたい一品だ!
まあ、後継の3DSでもDSソフトが動くので、今更DSかよと思うかもしれないが……
考えるな、感じろ!