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【修理解説】Nintendo Switch LiteのRボタン(Lボタン)が反応しないので分解修理してみた【ついでにZL,ZRも】

投稿日:2025年7月27日 更新日:

先日、Switch Liteでゲームをプレイしていたところ、Rボタンの反応が悪くなっているのに気が付いた。

本体設定の画面からボタン入力チェックを行ったところ、Rボタンだけ反応がおかしく、押しても無反応だったり、長押ししてもチャタリングのようにON/OFFを繰り返して連打となってしまい不安定な動きをする。

Rボタン押しっぱなしで連打扱いに……ダメだこりゃ

そのため、英二六が愛してやまない名作ロボゲー重装機兵ヴァルケンで、敵の攻撃を防ぐシールドを展開するRボタンが使えずノーガード戦法となってしまい、ジェイク中尉がガンガン戦死する悲惨な事となってしまった。

重装機兵ヴァルケン(switch版)

不調なRボタンは時々思い出したかのように息を吹き返すが、残念ながら肝心なタイミングで使えない事も多く、これでは全くゲームにならない。

当然、ヴァルケンにインスパイアされたインディーズゲームも操作系統の似たものが多く、個人的に好きなヴァルケンにインスパイアされたと思われる「メックブレイズ」も例に漏れず、Rボタンがシールドに割り当てられているため、ノーガードで敵大型兵器の攻撃をモロに食らって大爆死だ。

ギガンティックアーミーやメックブレイズも面白いぞ!

こりゃアカンと思い、修理依頼をしようと任天堂ホームページの修理代金を見たところ……

任天堂ホームページより引用(2025/7/27現在の価格)

6050円かー。


安いと言えば安いが、大貧民の英二六にはちょっと厳しい額だなー。



そんなワケで、今回はRボタン入力の反応がよろしくないSwitch Liteの分解修理を行ってみたので、その方法を紹介しよう。

本体上部に配置されたL/R系のボタン(ショルダーボタン)の修理は、思っていた以上に簡単だったので、不器用な英二六でも特に苦労することなく修理できたほどだ。

(なお、アナログスティックなどの修理は最深部にあるパーツなので、任天堂送りが賢明かと……)

今回Rボタンを修理したついでにZRボタンLボタンZLボタンもメンテナンスしたので、このあたりのボタンの反応が良くない人も是非ともご参照あれ。

それでは、手術開始です。

★L/Rボタン修理関連リンク

■必要な道具を準備

・Y字ドライバー


・精密プラスドライバー(+00)


・オープナー(ギターピック状)


・接点復活剤


・精密綿棒

Switch Liteは任天堂謹製ハードのため、一部にY字ネジが採用されている。
これは子供が興味本位で分解して壊さないように特殊なドライバーでないと分解できないようにとの配慮かと思われるが、こちらにとっては実に余計なお世話だ。

しかも、ネジ穴が潰れやすいという罠まで仕掛けられている手厳しさだ。

しかし、Y字ドライバーはSwitch Lite以外にも任天堂ハードに採用されているため、分解修理をするにあたっては1本は持っておいて損は無い。

今回は交換部品代、ゼロ円!

■作業前にやること

まず、本体の電源ボタン長押しで電源メニューを呼び出し「電源OFF」をタップして電源を完全にOFFにする。
単純に電源ボタンを押すだけではスリープになってしまうので要注意だ。

電源長押しで電源オプションを呼びだし
電源OFFを選択

電源OFF後、ゲームソフトマイクロSDカードも抜いておこう。

■本体外装のネジを外す

まず、本体裏面のYネジ4本を外す。

このネジ穴はかなり潰れやすそうなよわよわ仕様なので、電動ドライバーの使用はオススメできない
手で回すタイプのドライバーで、ゆっくりネジを押し込むように力を入れてドライバーを回す方法を推奨する。

Yネジの山を潰さないように、慎重に!

次に、本体上面(2本)下面(2本)プラスネジを外す。(精密ドライバー+00)


こちらもネジ穴の強度に不安があるため、先ほどと同様に機械は使わず手回しが安全かと思われる。

上部2本
下部2本

■本体裏蓋を外す

ネジが全部外れたら、プラヘラ(オープナー)を本体の隙間に入れ、溝に沿って添わせるとパキパキと裏蓋を固定するツメが徐々に外れる。

とっかかり部分は本体下のスピーカー孔あたりあたりの溝から攻めるといいかも?

パキパキ音が心地よい

四方ともツメが外れたらいよいよ裏蓋を外すのだが、ここで気を付けるポイントは、裏蓋を取る時はUSBコネクタ側(下側)から開けることだ。

裏蓋にはフレキケーブルが接続されていないので、精神的プレッシャーは少なくパカっと開けることが可能だ。

(なお、ニンテンドー3DSシリーズは大抵ここでケーブルにヒヤヒヤさせられる)

こちら側から開けよう
お、案外キレイ

これでSwitch Liteの2枚おろしが完了だ。

……あら?
もっと内部がホコリだらけの薄汚えシンデレラかと思っていたが、案外キレイだ。

■ZRボタンを外す

今回のターゲットのRボタンは、ZRボタンの奥に配置されているため、まずは手前にあるZRボタンを外す。

写真赤マルのプラスネジ2本を外すだけで簡単にZRボタンが取り外し可能だ。

写真ではボタンのラバーパーツが残っているが、作業で邪魔なら持ち上げて外しても特に問題ない。

■接点復活剤でRボタンをメンテナンス

ようやくお目見えしたRボタンだが、よく当ブログのDSシリーズ修理で見かけるタクトスイッチのようで、恒例のメイン基板に直付けされているタイプのようだ。

黒い突起のあるパーツがタクトスイッチ

今回もタクトスイッチの反応が悪いときにいつもお世話になっている接点復活剤を使用しよう。

親の顔より見たKURE接点復活スプレー

Rボタンのタクトスイッチ根元部分に軽ーくスプレーを1プッシュし、液が染み込むようにRボタンを連打しながら、精密綿棒で周りに飛び散った液を拭き取る

今回はボタンが不調だったので、これを2セット行った。

軽くプッシュ(かけすぎ注意)
Rボタン連打&綿棒で液の拭き取り

■ZRボタンをメンテナンス&取付

ZRボタンを元に戻す前に、分解ついでにボタンZRボタンの接点もメンテナンスしておこう。

精密綿棒の先端に接点復活剤をスプレーし、基板側の接点(金色)ラバーパーツ(黒色)の部分を綿棒で擦る。

基板側の接点は強めにゴシゴシラバーは撫でるように優しく拭こう。

金属接点は力強く
ラバーの黒い部分は優しく撫でるように

ZRボタンがキレイになったら、再度プラパーツを取り付けてネジ2本を締める。

ラバーの取り付け位置がズレていると、ZRボタンのプラパーツがはまらないので、上手く噛み合うように確認して取り付ける。

元に戻して、完了!

■Lボタン側をメンテナンス(フレキケーブルに注意!)

要領は前述のRボタンとほぼ同じだが、唯一Rとは異なる注意点があり、それは電源/音量のフレキケーブルがボタン付近に配置されている事だ。

このケーブルがZLボタンのネジを隠してしまうため、先にフレキケーブルを作業の邪魔にならない位置にずらす必要がある

まず、フレキの基板を電源部分あたりの溝から抜き、下側に仮置きしておく。

こいつは作業の邪魔なので除けておく
こんな感じに

以降の作業はRボタンの時と同じで「ネジ2本外す」→「ZLボタン持ち上げ」→「Lボタン接点復活剤プシャー&連打」→「ZLボタン清掃」の流れだ。

最後にZLボタンパーツを戻す際はさらに注意が必要で、ネジを回す時に先ほど端に寄せておいたフレキケーブルが干渉しないように片手でフレキを持ってネジに巻き込まれないように作業すること

アシスト無しでネジ締めをしようとすると、左のネジ締めあたりでフレキを巻き込んで破損させるおそれがあるので、ここは横着せずにケーブルが干渉しないように手で持っておこう。

Lボタンも経年で接触不良になりがちなので念のため

ZLボタンが取付出来たら、フレキの基板を本体フレームの溝に添わせて元の位置に戻す

キチンと溝を通して基板を収納する(赤マル部分)

■動作確認

ここで、一旦電源を入れてボタンが動作するかチェックを行う。

修理がうまく行っていない可能性もあるため、まだこの時点では裏フタは締めずに作業すること!

本体正面から見て、フレキ板の一番左のボタンを長押しするとSwitchの電源が入るので、設定画面から先ほどメンテナンスしたボタン入力がキチンと入るかチェックする。

Lボタン寄りのボタンを長押しで電源ON
ショルダーボタン一連の入力、ヨシッ!

L,R,ZL,ZR……ヨシッ!
最後にボタンを長押ししても連打にならないか確認が取れたら動作チェックは完了だ。

動作に問題がなければ、裏蓋を取り付けてネジ締めすれば作業完了だ。

もし、ボタン入力がおかしいときは前の工程に戻ってボタンのメンテナンスを行う。

■(番外編)せっかくだから空冷ファンを清掃

せっかく分解したので、ついでに空冷ファンに付いたホコリも飛ばしておこう。

とは言っても、それほど汚れていなかったので簡単にブロアーでシュシュッとするだけだが……。

最近の電動ブロアーは結構パワーがあって使える!
こんな小型でも凄い風量!
排気口のホコリも取っておこう

これまではスプレー缶のブロアーやカメラ用のハンドブロアーを使っていたが、最近は電動ブロアーを使用する機会が多くなった。

このブロアーはUSB-Cから充電して使用するバッテリータイプのため、AC電源直結型の電動ブロアーに比べてパワー面で劣るが、個人的には十分な風量があり特に不便を感じないほどだ。

逆に充電式だからと油断して作業すると、外しておいたネジがブロアーの風で飛んでいくおそれがあるので、使用時は周囲の物が飛ばないように注意が必要だ。

充電式の電動ブロアは繰り返し使用できるため、缶のゴミも出ない先端にブラシが付いていてゴミを掻き出せる点が良いのだが、何よりガス切れにならないのは実にありがたい話だ。

まあ、缶のブロアーに比べると若干パワー負けしているかもしれないが、それを上回るメリットの方が大きいため、最近はコレですわー。

ちなみに、電動ブロアー界ではサンワサプライのコイツ ↓がトップクラスに凄いらしいとの噂だ。

うちのやっすい中華ブロアーでも十分な風量なのに、AC電源仕様のこっちはパワーが段違いなのだろう……欲しいなあ。

■最後に(Switch版ヴァルケンはファン垂涎の内容だ!)

今回の修理で、不調だったRボタンは無事動作するようになり、これまで通り重装機兵ヴァルケンも快適に遊べるようになった。

Rボタン復活で無敵のアサルトスーツヴァルケンさん

今回、スイッチ版の重装機兵ヴァルケンはスーパーファミコン版の移植作品ではあるが、ただの移植だけにとどまらず、攻略本設定資料集、さらにサウンドトラックまでソフト内に入っているため、これまでヴァルケンを楽しんだ層もこれからヴァルケンを楽しみたい層も唸る納得の内容だ。

つまり、これ1本あればファンアイテムが全て入っているのだ。

その中でも個人的に気に入っているポイントはサウンドトラックへのこだわりで、当初CDで販売されていたヴァルケンのサウンドトラックは原曲から少しアレンジを入れた内容となっており、原曲そのままを入れないのは如何なものかと賛否両論だった。

当時ヴァルケンのサントラCDを買って「あれ?こんなクリアな音だったかな?」と思ったが、後日アレンジが加えられているという事を知り、良アレンジなのだがオリジナルが無いのは微妙な気持ちだったことがある。

そして、このSwitch版ヴァルケンは、サウンドモードで前述のCDアレンジ版BGMSFCオリジナルBGMをどちらも聴けるという並々ならないこだわりがあるのだ。

サウンドモードをよく見ると……
「SOUNDTRACK(CD)」と「ORIGINAL(SFC版)」が選べる!

もうコレ1本あればヴァルケンはほぼ網羅しているという満足感は半端ないものだ。

そんな大絶賛のSwitch版ヴァルケンだが、スーパーファミコン版の発売当初から痛感していた難易度の高さは相変わらずで、いくら防御シールドを展開できるようになったとしても、敵軍の猛攻はすさまじいもので、裏アイテムのナパーム弾やリアルタイムセーブ&ロードを駆使しないと、とてもじゃないがクリア出来ない難しさだ。

よく当時はこんなものをクリアできたものだと思ったと同時に、随分ヘタクソになったもんだと痛感する今日この頃であった。

そんなワケで、かつて重装機兵ヴァルケンにハマったおじさんゲーマーは、ゲームを懐かしむアクティブな目的以外にも、設定資料集を読みふけったりBGMに聴き惚れたりするパッシブな楽しみもあるので、是非ともSwitch版ヴァルケンを購入しよう!

そして、皆で叫ぼう!

最後に、修理はあくまで自己責任で!

(分解する自信が無い人は任天堂修理サポートに送って有償で直してもらおう)

分解修理は自己責任で

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