ニンテンドー2DSを使っていると、SDカードスロットのフタが緩くなり、軽く触れるだけでも閉まっていたフタが開いてしまいがちだ。
時間が経つと状況はさらに悪化して、本体のSDスロット側を下にするだけでフタが開いてしまい、プレイ中にスロットのフタがプラプラしてストレスを感じることもしばしば。

何とかこの締まりの悪い2DSのカードスロットのフタを修理できないか分解して調べてみたところ、意外と簡単に修理できる方法が分かったので、今回は緩くなったニンテンドー2DSのSDスロットふたの修理方法を紹介しよう。
目 次
■必要な道具を準備
・精密ドライバー(100均のはダメ絶対)
・ピンセット
・つまようじ(先端が細い使い捨ての物ならOK)
・アロンアルファ光(断然オススメ!)
ここでドライバーについてだが、任天堂のゲーム機は総じてネジが非常に固く締められているため、安物のドライバーでネジを回そうとすると、ドライバーとネジの食いつきが悪くグリップも良くないため、ネジ山が潰れる恐れがある。
ネジ山を潰れ(なめて)しまうと分解不可となってしまうので、ここはケチらず品質の良い国産のドライバーを選ぶことを全力でオススメする。
(ベッセルの精密ドライバーはゴムグリップが付いて握りやすくてGOOD!)
■作業前に行うこと
まず、本体の電源をOFFにする。(スリープはダメ)
次に、SDカード、タッチペンを取り外す。
これで事前作業は完了だ。
電源OFFの方法は、電源ボタンの長押しで画面が切り替わるので、下画面の「電源を切る」をタップで電源が落ちる。

2DSは下にスライドスイッチがあり、一見電源スイッチかと思うが、あれはスリープスイッチなので間違えないように要注意だ。
■本体背面のバッテリーカバーを取り外す
バッテリーを外すにあたって、本体上部のバッテリーカバーを取り外す。
写真の2か所のマル部分のネジを逆時計回りに回す。
ネジは紛失防止用に完全に外れない構造となっているので、二回カチッとなるまでを目安に回せばネジが緩んでフタが取り外せるようになる。

ネジが緩んだらバッテリーカバー上部に穴があるので、つめをかけてカバーを取り外す。
バッテリーは左側にある穴から爪をかけて持ち上げれば外れる。

■本体背面パネルの取り外し
写真の青マルの部分のネジを精密ドライバーで取り外す(全10本)。
ネジの本数が多く、かなり固めに締められているので、ネジを回す際はドライバーをしっかり押し込むようにして行う。

この作業を舐めてかかったり安物のドライバーで作業をしようとすると、ネジの野郎に舐められてネジ穴が潰れてゲームオーバーなので、くれぐれも慎重かつ丁寧に作業しよう。
ネジを10本全て外したら、背面パネルの固定が外れるが、内側のマザーボードと背面カメラのケーブルで接続されている箇所があるので、先にケーブルを外す必要がある。

カメラケーブルはマザーボード側の黒いストッパ(ラッチ)が寝た状態でロックされているので、ピンセットの先端でラッチを立てる。


ラッチを立ててロック解除するとカメラのケーブルが簡単に取れるが、もしケーブルが抜けないときはラッチがちゃんと立っているか再確認しよう。
抜けないからと力まかせにケーブルを抜こうとすると、ケーブル先端の接点が破損して使い物にならなくなるので、特に注意が必要だ。
一応、背面カメラのケーブルがダメになった時に備えて社外品で交換パーツが売られてはいるようだが、未だ使ったことないのでニントモカンとも……。
カメラケーブルが外れると、ようやく背面パネルが取り外せる。
■SDカードスロット蓋の分解
本体左側の黒いプラパーツがSDカードのスロットなので、それを取り外す。
このパーツは特にネジ留めされていないので、簡単に取り外しできる。

このパーツの裏側にはプラスネジ2本で留められている箇所があるので、2本とも外す。
ネジを外すと手前のパーツが分離できるので、取り外す。


■摩耗したパーツを補修
先ほど取り外したパーツを裏返すと、突起のような部分が2か所ある。
どうもこの突起がすり減ってくるとSDカードスロットのフタとの引っ掛かりが弱くなって蓋がゆるゆるになってしまうようだ。

そこで、摩耗したプラパーツを盛る方法でフタのひっかかり部分を復活させるのが今回の修理だ。
以前、こういうプラパーツの盛りにUVレジンを使っていたが、最近もっと良い物がみつかったので新兵器を使用してみることにしよう。
その名も、「アロンアルファ光」だ!

名前からも分かるように、あの瞬間接着剤のアロンアルファのシリーズだが、UVライトと液体接着剤の組み合わせで使う方法から見て、UVレジンのような雰囲気も感じられる新種のアロンアルファのようだ。
さらに、これまでアロンアルファを使っていて不満に感じていた接着部付近が白く濁る現象も無い点も実に魅力的だ。
施工を開始する前に、まず突起部分を綿棒やティッシュで拭き掃除して汚れや油分を取り除いておく。
部品が細かいので、精密綿棒が便利だ。
次に、綿棒の軸や爪楊枝など先端が細い物にアロンアルファ光の液体をチョンと付ける。
(突起に直塗りは失敗しやすいのでNG!)

液体をパーツの突起部分の先端2か所に乗せるようにチョンと付ける。

次に、液体部分に付属のUVライトを照射する(5-10秒)

ちゃんと硬化しているのを確認した後、一旦SDスロットのフタだけをネジ留めして、開閉チェックを行う。
もしフタが緩い時は盛りが不足しているので、再度ネジを外して突起にアロンアルファ光を盛る。
ただし、あまり盛りすぎると今度はフタが開かなくなるので、盛り作業は少しずつアタリを付けながら調整して行う。

ちょうど良いタイミングまで盛れたら本体を組み戻して作業完了だ。
■組み戻しで注意するポイント
組み戻しする際に1点間違えないように気を付けるポイントは、背面カメラのフレキケーブルの向きだ。
写真のようにフレキケーブルの茶色い部分を上、金色の接点がある部分を下にして接続すること。

ケーブルが奥まで入ったら、ラッチを寝かしてロックをかければOKだが、この作業に慣れていないとケーブルがなかなか入らずに差し込み作業にけっこう苦戦しがちだ。
■最後に(なぜ2DSのSDスロットの蓋は緩む?)
どうもこの形状の2DSはSDカードスロットのフタが緩くなりやすい傾向にあるようで、これまで何台かフタの緩い2DSをみてきた。
もし、手持ちの2DSで似たような症状が出て蓋がプラプラしてイライラしている人は、是非ともこの方法で修理するを試してみて、ストレスから解放されよう。
しかし、3DSのSDカードスロットなんて普段使いではカードを出し入れすることなんか無い筈なのに、何でこんな蓋のパーツが摩耗するのだろうか?
ここからはサイコメトラー英二六の私見だが、2DSユーザーは子供が多いという点がこのSDスロット蓋ゆるゆる問題に大きく関連しているのではないかと思っている。
そもそもSDスロット蓋は開閉して摩耗しているのではなく、子供特有の乱暴でワイルドな取り扱いが原因で、ボディを落としたりぶつけたりするタイミングでスロットの突起部分が削れたり折れたりしたという可能性が考えられる。
その根拠として、とにかく2DSの中古品は高確率でボロい個体が多く、さらにシールがベタベタ貼られていたりボディに深いキズや画面が見えなくなるほどの擦りキズ、液晶バリバリ伝説、ペンホルダーに異物混入、ゲームカードスロットピン破損など、子供がやりがちなことを見事にしでかした痕跡のある2DSが多いのだ。

さすがに高嶋ちさ子に真っ二つに折られた3DSのような悲惨な2DSは見たことがないが、とにかくコンディションがアレな個体が多いのが中古2DSの特徴だ。
(なお、高嶋ちさ子の3DSはNew3DSLLという最上位モデル……もったいないお化けが出るぞ?)

さらに、ちょうどSDスロット蓋は左手の掌に当たる部分にあるため、プレイ中に手を押し当てることでて徐々に内部パーツが摩耗していくという可能性もある。
中高生以上になると、ある程度の力加減と分別ができるようになるため壊れにくくなると思われるが、おそらく中高生になると廉価版の2DSではなく通常モデルの3DSや上位機種のNew3DSを持っているため、SDスロットの問題が発生していないのかもしれない。
ちなみに、友達のGeminiさんに聞いたところ、「2DSは低年齢層の子供向けに開発された機種で、目の健康に影響を及ぼすおそれのある立体視もできないようにしてあって、さらに値段も安くなっているから、親も安心して子供に買い与えやすいぞ」との事だ。

ニンテンドー2DSは低年齢層が販売ターゲット層という前提条件が成立すると、先ほどのトンデモ仮説は案外当たっているのではないだろうかと思う。
まあ、そもそもサイコメトラー英二六というよりプロファイラーだな……。
(サイコメトラー英二六と言いたかっただけ)