当ブログでは、これまでにニンテンドーDSシリーズのRボタンの修理を行ってきた。
DSLite、DSiと主にマリオカートDSによって壊されたと思われる症状のDSを修理してきた。
そして今回修理するゲーム機は、そのDSシリーズ後継機「ニンテンドー3DS」のRボタンだ!
しかし、よくもまあこんなにRボタンが壊れるものかと思うが、マリオカートがある限りこの因縁の戦いは不可避だろう。おそらくSWITCHでも多くのジョイコンのRボタンが犠牲になっているに違いない。
◆(参考)過去の戦いの記録
そう、3DS用のマリオカート7も例に漏れずRボタンを多用するゲームで、ドリフトやジャンプでRボタンをガシガシ押し、さらにレースが白熱するとつい力強く押しがちとなる。
そのためRボタンが接触不良をおこして使えなくなってしまうという、まったく懲りない悪びれない状況で悲劇が繰り返されているのだ。
そんなワケで、今回も3DSを分解してRボタン(Lボタン)を修理する方法を解説しようと思う。
それでは手術開始デース!
目 次
■必要な道具を揃える
・プラス精密ドライバー
3DSは特殊ネジが使用されていないため、精密プラスドライバーで分解することができる。
ここで注意したい点は、ネジがメチャクチャ固く締められているため、必ず国内ブランドのしっかりした精密ドライバーを使用することを忘れないでほしい。
以前、100均で買ったチャチなドライバで3DS分解作業をした際、ネジ締めの固さとドライバーのショボさが災いして、3DSのネジ山を潰してしまった苦い経験があるため、安物ドライバーはダメ絶対!
とにかく安いドライバーは先端部の精度もアレだが、グリップ部もツルツルと滑って力が入りにくいところが実にいただけないのだ。
そういう事情があるため、国内ブランドのベッセル製のドライバーの使用を推奨する。
・オープナー(ポイントカードみたいなプラスチックカードでもOK)
・ピンセット
・接点復活スプレー
・精密綿棒(ベビー綿棒でも可)
一通りの道具が揃ったところで、作業開始だ。
■3DS本体の分解
・作業前に取り外す物(SD、ペン、バッテリー、ソフト)
分解作業を行う前に、SDカード、タッチペン、ソフトを取り外しておこう。
次に、本体の裏フタをはずすため写真のネジ(赤丸)4本をプラスドライバーでカチッと鳴るまで回す。このネジは紛失防止のため何度回してもネジが外れない構造になっている。
裏フタは上部の隙間にツメをかけて引っ張ると簡単に取り外すことができる。
フタを外すとバッテリーが登場するので、これも外しておく。
さあ、前座はこれで終わりで、ここから作業本番だ!
ちなみに、現在3DSの電池持ちが悪くなっている人は、経年劣化でバッテリーがヘタっていると思われるので、分解ついでにバッテリー交換してしまおう。
個人的オススメの3DS用バッテリーは、お手頃価格で結構性能の良いROWAの互換バッテリーだ。
・ネジ取り外し
まず、写真赤マル部分のプラスネジが入っている箇所を全て取り外す。
カートリッジスロットのネジ(銀色)以外はすべて同じ種類のネジなので、ネジを取り違える心配ご無用だ。
このネジが前述のようにメチャクチャ固く締められているため、しっかりとドライバーを押し込みながら回すよう心掛けて作業しよう。
いくら良いドライバーを使っても、回すだけの力で作業するとネジ山を潰すおそれがあるので、力加減には特に注意が必要だ。
「いくらなんでもこんなに固くネジ締めしなくてもいいのに……」と思うほど3DSのネジ締めはキツキツだ。
この固さは、子供が簡単に分解しないようにするためのチャイルドレジスタンス的な発想なのかも?
・筐体(ガワ)を外す
ネジが全部外れると筐体にわずかなスキマができるので、隙間にオープナーを軽く差し込んでスライドすれば筐体を分解することができるが、L/Rボタンのフラットケーブルがメイン基板と繋がっている箇所があるため、そのまま引っ張るとケーブル断線のおそれがある。
そのため、筐体はイヤホンジャック側からゆっくりと半開きまで開け、写真赤丸のフラットケーブル2本のコネクタメイン基板側の根元部分をプラヘラやピンセットなどで持ち上げて取りはずす。
このケーブルは特にロックされていないため、根元から軽く持ち上げるだけでコネクタが簡単に取り外せる。
今回の修理対象パーツは、L/Rボタンの付いている筐体なので、メイン基板側はどかしておこう。
■L/Rボタンに接点復活剤を塗布
毎回このDSシリーズの修理記事では接点復活剤による修理を行っているが、今回も例外に漏れず接点復活剤を試してみようと思う。
これまで、マリカーで酷使されたRボタン内部のタクトスイッチが接触不良を起こす故障パターンが多かったが、今回もその可能性が濃厚だ。
Rボタンのタクトスイッチを取り出すため、まずは銀色の鉄板を取り外す。
黒いネジ(写真マル印)を4本取り外すと鉄板が外れる。
次に黒いプラパーツをピンセットでつまんで取り外す。
プラパーツを外すと、タクトスイッチの付いたフラットケーブルを取り外せる。
プラパーツ中央のスリットをケーブルが通る取付方法に、ちょっとクセがあるので、ケーブルを取り外す前にケーブルがどういう取り付け方をしているかを良く見てから外す事をオススメする。
(予めスマホで撮影しておくとよい)
これで病巣部のタクトスイッチに到達した。
まずは、タクトスイッチをピンセットで取り出し、付着した汚れを綿棒などで取り除く。綿棒に無水エタノールを付けて清掃するのがオススメだが、わざわざ買うのはもったいない人はとりあえず目に見えている汚れだけでも乾拭きで取り除く。
ボタンの根元部分に接点復活剤をスプレーする。
あまり液をかけすぎないように軽くワンプッシュする程度の液量でボタン内に接点復活剤を入れる。
あまり液を掛けすぎると、ボタンがカチカチ鳴らなかったりボタンが効かなくなることもあるので、かけすぎには注意だ。
次に、ボタン周りに飛び散った液を綿棒でふき取りながら、タクトスイッチの先端を綿棒でカチカチ連打して接点復活剤の液を馴染ませる。
ボタンに液がしっかり馴染んだら、これから逆の手順でボタンを組み戻せばOKだ。
戻し作業では、黒いプラパーツのスリットとフラットケーブルの通る位置を元の通りに取り付ける必要がある。
適当な位置で取り付けようとするとケーブルが断線するおそれがあるため、くれぐれも慎重に。
今回はRボタンの取り外し修理の解説だったが、Lボタンもほぼ共通だ。
ネジ2本を外してプラパーツを取り出すだけでタクトスイッチがお目見えするので、鉄板の取り外しが無いぶんRボタンより作業がちょっとだけ楽だ。
■動作確認
本体を組み戻して電源ON……よし、L/Rボタン入力OKだ!
早速ゲームプレイと行く前に、さきほどバッテリーを取り外した影響で日時がリセットされているので、まずは設定画面から日時を再設定しよう。
よーし、これでまたマリオカート7をドリドリしながら遊べるぞ!
ちなみに、もしこれでもRボタンが直らないときは、再度分解してタクトスイッチに接点復活剤塗布&連打を行ってみよう。接点不良の度合いによっては結構しつこくやらないと直らない時もあるので……。
あと、L/Rのフラットケーブルとメイン基板の取付に失敗している事も結構あるので、そのあたりも入念にチェックしておこう。
それでもダメなら、L/Rのフラットケーブルごと交換するという手段もある。今回、念のため新品の交換パーツを買って用意しておいたが、接点復活剤だけで修理できたので、ケーブル交換作業には至らなかった。
ちなみに、新品の交換ケーブルは折り目が付いていない。そのため、交換パーツ取り付けの際は取りはずしたケーブルの折り方を参考にして、同じようにケーブルを折り曲げる作業が必要となる。
余談だが、3DSのRボタン故障にはもう1パターンあり、「Rボタンは反応するけど、クリック感が無くフニャフニャでカチカチ音が鳴らない」ときがある。
この場合はタクトスイッチがヘタっているので、新品パーツへの交換が必要となる。
新しいパーツに換装する際、L/Rそれぞれパーツの形状が異なるため、部品調達および取り付け時は間違えないように要注意だ。
LRボタンのパーツの多くは、L/Rが1セットで販売されていることが多い。
こんなの↓
■最後に(エヴァーオアシスが遊べるのは3DSだけ!)
毎回恒例のDSシリーズのRボタン故障だが、修理方法も恒例のタクトスイッチに接点復活剤塗布で修理できるため、もし3DSのRボタンを押しても反応しなくて困っている人は、是非とも修理してみることをオススメする。
既に初代ニンテンドー3DS本体は任天堂の公式修理サポートも打ち切りとなってしまっているため、修理は自力で行うか民間の業者へ依頼せざるを得ない状況だ。
部品調達については、幸いなことに社外品の交換用パーツが国内でも多く出回っているため、当面はメジャーな交換パーツの調達は大丈夫そうだ。
とは言っても、電源コネクタなどのように故障率が高いわりに入手しにくいパーツがチラホラ出てきているようなので、そろそろお手持ちの3DS保守用に予備パーツをいくつか買っておくのも悪くないかもしれない。
特にL/Rボタン、アナログスティック、スライドパッドあたりは故障しやすいパーツだが、交換作業は比較的容易なので、来るべき日に備えて予備パーツを持っておいても悪くないだろう。
ニンテンドー3DSは2011年に発売され、10年近く頑張ってきたハードだけに、多くのソフトが発売され、現役ハードをSwitchに譲ってもなお遊び継がれるソフトが多く発売されてきた。
3DSで発売された名作タイトルで既にSwitchに移植されているものも結構あり、もう3DSはお役御免かと思われがちだが、3DSの特徴である画面が飛び出して見える立体視機能があるため、それが理由で移植されていないソフトも多く存在する。
しかし、あまり立体視の必要が無いタイトルのはずなのになぜか移植されていない名作もある。
個人的にお気に入りの3DSソフト「エヴァーオアシス」は、2017年発売と3DSの後期頃にリリースされたものだ。内容は申し分ない筈なのだが、エヴァーオアシスは何故か他機種に移植されていない。タッチパネル操作や立体視などに特にハードに依存している要素は無いハズなのだが……?
このエヴァーオアシスは、タネビトと呼ばれる妖精みたいなキャラと水の妖精、オアシス住人達が協力して自分達のオアシスを外敵から守りながら育て、さらに周辺の砂漠を冒険してオアシスの仲間を増やしたりオアシスの作物を育てたりダンジョンの謎解きをしたりと、楽しい要素が満載のアクションRPGゲームだ。
このゲームには昼夜の概念があり、夜の敵キャラは日中より遥かに強いというドラキュラIIシステムを踏襲しているため、特に体力の少ない序盤はゲーム内の時間に要注意だ。
序盤は主人公が極端に弱く、拠点のオアシスに戻る前にフィールド上で夜を迎えると、凶暴化したモンスターがウヨウヨと現れ、一撃死を食らう事も多く「何じゃこのムズゲーは!?」と驚くほどだ。
しかし、ある程度プレイしてレベルが上がってくると、仲間を連れてのパーティープレイとなるため夜でも殆ど全滅することが無くなる。
それでも新しいエリアの夜時間では大ダメージを頂く事もしばしば……。
謎解きはそれほど意地悪なトラップが仕掛けられておらず、ヒントも多いため比較的簡単にサクサクと進めることができるが、ダンジョン攻略のために本拠地のオアシスとダンジョンを往復する行動が多くなりがちで、ちょっと面倒なところもある。
アマゾンの商品レビューを見ると、同じようにダンジョンの謎解きやパーティー変更の作業感に不満のある話題もあり、確かにそういうのもあるとは思うが、全体的には分かりやすくて可愛くて楽しいという満足感が気に入っている。
何より頭身の低いキャラクターの愛らしい仕草が多少の粗を無かった事にする破壊力を秘めているので、あまり細かい事は気にせず精霊と一緒にオアシスを育てていけば全然OKだ。
パッケージ絵からも分かるようにエヴァーオアシスはデフォルメされた三頭身キャラが主人公で、マンガ「ハクメイとミコチ」のようなキャラと世界が好きなら、割と気に入るのではないかと思う。
現時点では注目度の低いタイトルのせいか中古価格も4000円しない程度とお手頃価格のため、エヴァーオアシスが気になる人は投機筋(?)やVtuberに目を付けられる前にゲットしておこう。
とまあ、相変わらずダイナミックに話が脱線してしまったが、現時点でエヴァーオアシスを遊べるのは3DSだけなので、気になる人は是非プレイしてみよう!
……え?
「3DSなんて古いゲーム機は持ってないからエヴァーオアシスが遊べない」ですと?
今すぐに中古ショップかamazonで3DS本体ごと買ってこい!
ワカッタカ?!
ワカッタラ サッサト イケ!!