最近、パナソニックの電動ひげそりの電池持ちが良くない
この機種はES-ST23というモデルで、毎日朝晩使用しているため、日に日に電池が劣化してバッテリー持ちが悪くなるのを感じている。
購入当初は朝晩の2回剃っても1回の充電で4~5日くらいは普通に使えたが、最近ではフル充電しても2回使用するのも厳しい状況で、明らかにモーターのパワーも落ちている。
確かにこの機種はだいぶ前に購入したものだったが、いつ買ったものか思い出せず本体を見たところ2012年製造……既に12年以上使ってバッテリーが劣化したとは言え、ここまで頑張っていたのはある意味凄い耐久性能だ。

そんな高齢なシェーバーとなると、さすがに交換用バッテリーは生産中止で売られていないかもと思って交換用バッテリーが有るか調べてみたところ。
ESLV9XL2507……え、有るの!?
しかもパナソニック純正電池というからさらにビックリだ。
今回のバッテリーは型番こそ異なるが、後継品なので問題なく使用可能との事だ。
待つこと数日、パーツが到着したので早速分解して電池交換を行ってみたところ、上手くシェーバーが復活したので、今回はラムダッシュシェーバーES-ST23のバッテリー交換方法を紹介しよう。

■分解マニュアルを入手
今回分解するシェーバー(ES-ST23)の説明書に分解方法が載っているので、これを参考に分解作業を行う。
もし手元に説明書が無い人は、パナソニックのホームページに説明書のPDFファイルがあるので、ダウンロードしよう。
検索ワードは「ES-ST23 説明書」あたりでヒットする。
そこで参考にするページは「電池の取り出しかた」の項目だ。

元々、シェーバーを廃棄する際にバッテリーと本体を分別する目的に作られたページで、ページ上部には「これは廃棄目的の解説で、修理用マニュアルではない。防水機能は担保できんぞ?」と記載があるが、十分に修理用マニュアルとして活用させていただきましょう。
説明書によると、「作業前に廃棄する電池は全部使いきれ」との記載があったので、数分回し、バッテリー警告の緑ランプが点滅して停止するまできっちり回して電池を使い切った。

あと、だいぶ汚れていたので、ついでに軽く清掃しておくといいかも?
■必要な道具を準備
基本は精密プラスドライバー(+0)とパナソニックの充電池だけあればOKだ。
あと、全体的にネジが恐ろしいほど硬く締まっているので、ネジとドライバーの食いつきを良くする物もあった方がいいかもしれない……今回の作業で実際にネジ穴が潰れかけてしまい、コレを使ったので参考までに。
これはスクリューグラブという商品で、砂のようなものが入った粘り気のある液体をネジ穴とドライバーの間に噛ますことでネジの食いつきを上げるものだ。
「アメリカ空軍、イギリス空軍で使用」という謎の触れ込みがホンマかいなと思ったが、ネジがなめそうになった時に絶大な効果があるので、保険で1個は持っておいてもいいかも?
■本体の分解
まず、本体底面のプラスネジを1本外す。(写真赤マル)

なお、前述の通り全てのネジがもの凄く固く締められているので、ヘタするとネジ穴が潰れて分解不可になる恐れがあるので、ドライバーはしっかりとネジに押し付けてゆっくり回す必要がある。
もし、それでも舐め気味でネジが危ないかなと思ったら、早いうちにスクリューグラブをドライバー先に塗って作業するのをオススメする。
かなりネジへの食いつきが良くなり、トルクがマシマシだ。

ネジを外すと底面パーツと裏フタが外れる。

次に、隠しネジのある目隠しゴムパーツを2個取り外す。
ゴムパーツに小さい窪みがあるので、そこから先の細いものを挿して軽くこじれば取れる。
目隠しゴムのパーツは接着剤など使用していないので、意外に簡単に取れる。


目隠しゴムが外れたら、プラスネジ6本を取り外す(赤丸部分)。
ネジは紛失しないようにまとめておこう。

このネジ外し、簡単そうに見える作業だが、実はここが最難関だ。
とにかくネジが固い。これでもかという程ネジが固い!
ケースバイケースだが、先ほど紹介したスクリューグラブでネジとドライバーの食いつきを強化するか、あるいは電動ドライバーにトルクをアシストしてもらうなどしてネジ外しに対処する方法も有効だ。
(とりあえずネジ1本が危うく半殺しになったが、何とか取れた……)

ネジが外れると、ようやく本体裏のパーツが外れて御開帳となり、電池のご本尊がお目見えだ。

■電池入れ替え&組み戻し
電池は工具など使わず指で簡単に持ち上げるだけで外れるが、外す際はプラスとマイナスの向きを覚えておくこと。
(プラスが下側)

外した充電池は+-両方にテープを貼って絶縁しておいて処分する。
(家電量販店などに充電池の回収ボックスあり)
次に、新しいバッテリー取り付けだが、こちらも電池に+ーの表記があるので、プラス側を本体下になるようにセットして電池ボックスにカチッと鳴るまで押し込む。


あとは組み戻し作業となるが、作業自体は逆の手順と単純だが、やはりネジは嫌になるほど固い。
既に取り外しの時点で少々しくじってネジ穴を少し傷めているので、慎重かつしっかりとネジを締めこむ。
防水性能を維持する目的もあるので、ネジ締めは隙間ができないようにキッチリ行う。
特に最後の底部のネジ締めは、きっちり奥まで回しこんで締めないと裏フタの締めも緩んでカタカタするので、必ず裏フタをしっかり上側に押しあてて隙間の無い状態にしてからネジを確実に回して隙間ができないようにする。
そして、このネジ締め作業でもまたネジ穴つぶれのリスクが付きまとうので、注意が必要だ。

■動作チェック
とりあえず充電器に挿してみたところ、赤い充電ランプが点灯した。

数時間後、充電が終わってランプが消灯したので電源をON……動いた!
バッテリー交換は成功だ。
まだ1回フル充電してみただけだが、4日経った今でも無充電で使えているから、新しいバッテリーは問題なく使えているようだ。
これでラムダッシュは、あと10年は戦える!

■最後に(長く使えるパナソニック製品)
以前の記事で、パナソニックのヘッドマッサージャーの電池交換の時にも思ったが、パナソニックの家電製品は交換用電池を長期にわたって販売する手厚いサポート体制が実にありがたい。
これまでいくつかパナソニックの家電を使ってきて分かった傾向は、ここの製品はモデルが変わっても同じ規格の部品を継続して使うことが多く、その恩恵で10年以上落ちの古い機械でも部品の調達が比較的容易で、結果的に長く使うことができるという素晴らしい設計思想だ。
そういえば、シェーバーもヘッドマッサージャーもACアダプタは共通だし、20年前に買ったリビングの蛍光灯のリモコンも、今でも別売りの後継モデルが普通に使えるし、パナソニック製品はホント長く使えてありがたい。

まさに、「一度買ってもらった商品は末長くご愛用ください」というパナソニックの精神がビリビリと感じられるサポート姿勢だ。
こんな素晴らしいパナソニックの設計思想とは真逆のソニーときたら、ワンオフの専用パーツを多用してすぐにサポート打ち切りで部品調達が困難になるという実に困ったやつだ。
そんなソニー製品は物自体は非常に良いものが多くて大好きなのだが、製品寿命の短さはちょっと好きではない。
確かに買い替えが進むという側面からみると、ソニーのやり方は理にかなっているのかもしれないが、こういう部品供給の素晴らしいところはパナソニックを見習って欲しいものだ。
【修理解説】パナソニックの頭皮エステ(ヘッドマッサージャー)EH-HM94の電池を交換してみた!【薄毛の味方】