最近、街のいたるところで鬼滅の刃グッズを見かけるようになり、それにあわせて人気に便乗した類似品も多く見かけるようになった。
先日、ケータイ関連の売り場をのぞいていたところ、あきらかに鬼滅の刃を意識したワイヤレスイヤホンが売られているのを発見し、思わずニヤリとしてしまったほどだ。
その名も「鬼退治ミニイヤホン」!
パッケージには、よく見慣れた市松模様のイヤホンケースがデカデカと載っており、「これ、版権の問題を含めて、色々と大丈夫なの?」と見ているこっちが不安になったほどだ。
まあ、鬼滅の刃じゃなくて”鬼退治”だし、炭治郎とかのイラストも無いから版権的な問題はギリギリなところでクリアしているのかもしれないけど……。
そして、「Bluetoothイヤフォンとしての性能はどうなの?」という疑問がわいた。
そんな疑問を解決するために商品レビューを検索してみたが、探し方が悪いせいか、使用した人のレビューが見つからない。
良い機会だから、自分が人柱になって確かめてみるしかないかという謎の使命感が沸いてきたので、購入してみることにした。
色々試しながら使ってみたところ、それなりに難点はあったが、安い割にまあまあ音が良くて使えるイヤホンである事がわかった。
これを安物と侮るなかれ。
かと言って良い物と勘違いすることなかれ。
それでは、全集中のレビュー開始!
目 次
壱ノ型 鬼退治ミニイヤホンのデザインは3種類、パッケージに要注意!
店頭で見かけたとき、まず目に留まったのが、竈門炭治郎風味の緑と黒の市松模様が描かれたイヤホンケースだ。
そういうものが入っているものと思い、あまりパッケージをよく見ずに購入したのだ。
ここで注意するのは、この商品はデザインが3種類あるが、いずれも同じデザインの箱を使用している点だ。
パッケージ側面を見ると……
(写真左から)
- 竈門 禰豆子(のような何か)
- 冨岡 義勇(風味)
- 竈門 炭治郎(っぽいやつ)
そして、写真の炭治郎デザインと思って買ってしまったコレは、開けてびっくり、禰豆子デザインでしたよ!
ピンクを基調としたデザインのケースで、お外で使うには色々な意味で恥ずかしいやつだ。
なお、このケースには充電池が内蔵されており、イヤホンを収納すると充電される仕組みになっている。
しかし、ケースは3種類それぞれ異なるようだが、イヤホン本体は共通して白一色のようだ。
あらためてパッケージを見ると、右下にピンク色の紙が貼られていたので、購入の際は、中に何が入っているか確認してから購入することをオススメする。
ケースの充電は、背面のマイクロUSBから行う。
弐ノ型 荒ぶるシステム音、荒ぶる操作ボタン搭載
荒ぶるシステム音
ケースからイヤホンを取り出すだけで自動的に電源が入るようだが、もし電源が入らない時は、左右それぞれイヤホン側面のボタンを長押しするとONになる。
初回起動時は、スマホやタブレットとペアリングして使えるように設定する必要がある。
Bluetoothデバイスは「TWS-i7」という名前が検出されるので、それをペアリングすれば使用可能だ。
鬼退治ミニイヤホンの電源をONにした時や接続時のシステム通知ボイス「power on」や「connected」がやたら大きく、かなり耳に衝撃が来る鬼仕様イヤホンだ。
ソニーのBluetoothイヤホンなどのような控えめなで柔らかいシステム音声とは一味ちがう、鬼退治に相応しいワイルドな音声案内だ。
これぞまさに、鬼退治!
荒ぶる操作ボタン?
左右両方のイヤホンの側面に、マルチファンクションボタンなる操作ボタンが付いており、このボタンを操作することで音楽再生や通話の操作が可能だ。
操作方法が説明書に記載されているのだが、実際に操作してみると、音量調整の記載が抜けているなど、説明内容が雑であることがわかる。
独自にボタンの使い方を調査してみた結果は以下の通りだ。
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 再生/停止 | 再生/停止 |
2回押し | 音量下げる | 音量上げる |
3回押し | 曲送り(前) | 曲送り(次) |
この中で、3回押しの曲送り機能が実にやっかいで、接続した機種によっては2曲飛ばしする現象が発生した。
最初、Xperia Z4 tabletに接続し、付属のMusicアプリを使用した状態で曲送りをしたところ、2曲飛ばし現象が発生した。
そう、1曲目→3曲目→5曲目といった具合になるという荒ぶりようだ。
曲戻しも同様に、2曲単位で戻す徹底ぶりは、まさに鬼!
これには心優しい炭治郎もイラっとするに違いない。
しかし、この2曲飛ばし現象は、他の機種でも同様におこるのであろうか?
試しにスマホ(Xperia XZ Premium)でペアリングし、同じミュージックアプリを使用して曲送りを試してみたところ、普通に1曲飛ばしで動作した。
なぜ違いが出るか原因は不明だが、ボタン動作の精度は機種によって変わるようだ。
参ノ型 音質はそれほど良くもなく、悪くもなく
音質は、それほどクリアとは言えないが、それほど酷いものでもなかった。
音割れも無く、間違いなく1,000円位で売られているイヤホンよりは迫力のある音が出ている。
動画を見ても音楽を聴いても、あまり支障のないレベルだ。
これは、2,000円以下でフルワイヤレスのイヤホンが買えたと思えば納得の音質だが、それ以上の値段で買うと不満が出るかもしれない程度の音質だ。
さすがにコレに高音質を求めるのは残酷な話だが、思っていたほど音質が悪くなかったのは、逆に拍子抜けするほどだった。
しかし、Bluetoothデバイスでよく発生する音途切れが殆ど発生しない地味な高性能ぶりには正直驚いた。
本当にこれは安物なのか?
肆ノ型 手軽なサイズ感と重量
購入時に手に取った瞬間から、まずイヤホン本体の軽さに驚いた。
普段使用しているソニーのWF-1000XM3は、所有するワイヤレスイヤホンの中ではズバ抜けて音も性能も良いが、その高性能ゆえか、そこそこ重量があるのが難点だ。
実際に左右セットで計測してみたところ
- 鬼退治ミニイヤホン (6.6g)
- WF-1000XM3 (16.5g)
このように鬼退治ミニイヤホンは性能こそチープだが、圧倒的な軽さが最強のメリットだ。
その軽さもあってか、耳に装着しても重さでイヤホンがズレ落ちてくるような事もない。
そして、落として壊れたとしても、金銭的なダメージも少ないため、気軽に使えるところは魅力だ。
伍ノ型 意外と電池が持つ
パッケージには連続再生時間が2-3時間と書かれている。
この検証記事を書くにあたり、既に2時間ほど連続運転させているが、まだ音は普通に出ている。
2時間30分あたりから音が途切れたり不安定になったりしてきたので、このあたりがまともに使用できるバッテリーの限界なのだろう。
それでも、連続で2時間以上も再生できるのは十分なバッテリー性能だと言える。
(2時間50分で電源オフを確認)
ちなみに、WF-1000XM3は2時間ほど使用すると、バッテリー警告のアナウンスが流れるので、電池持ちは鬼退治ミニイヤホンの方が勝っている。
陸ノ型 妙に高性能な部分がある
最初は鬼退治イヤホンをただの安物だと侮っていたが、ところどころに高性能な部分があったので、まとめて紹介していこう。
- 電源ONからBluetooth接続されるまで早い(WF-1000XM3より早い)
- 充電ケース連動でON/OFFできる(これは便利!)
- 通話もできる
はたして、本当にこれは安物なのか?(2回目)
それとも、今のBluetoothイヤホン界隈では、下位モデルでもこれくらい便利な機能が、当たり前のように付いているものなのだろうか?
漆ノ型 強くなれる理由を知った(販売メーカーの)
説明書によると、鬼退治イヤホンの販売会社は、株式会社レッドスパイスと記載されている。
会社名で検索すると自社ホームページがありチェックしてみたところ、おそらくUFOキャッチャーなどのプライズ品の取り扱いがメインなのだろう。
ゲーセンで見たことのある、あんな商品やこんな商品が多数あった。
そして、トップページには、あの「鬼退治」で始まるナニでアレな商品名もズラリと並んでいた。
鬼退治折り畳み傘に鬼退治ネックファン、といった具合に、まったく悪びれる様子もなく鬼退治グッズを大々的に展開している。
このどう見てもアレなのだが、あえて「鬼退治」と言い張ることで、鬼滅の刃とは違いますよとアピールするこの姿勢に、この会社の強くなれる理由を知った。
さらにページを読み進めていくと、わざわざ「鬼退治グッズ」のカテゴリまである徹底ぶりで、出るわ出るわの鬼退治グッズ!
まあ、ここまで潔いケンチャナヨ精神は、逆に清々しいものがあり、実に面白い!
でも、このマスクはちょっと恥ずかしいかも?
捌ノ型 鬼退治ミニイヤホン まとめ
鬼退治ミニイヤホンは、見るからに人気商品に便乗したパチモノのような外観なのは、いまさら言うまでもない。
しかし、実際に使ってみると「やっぱりダメかー」と思ったデメリットや、「おー、やるじゃん!」というメリットもたくさん見つかったので、以下の通りまとめてみた。
メリット:
- 早い(Bluetooth接続)
- 安い(2000円以下で買えた)
- 音質、値段にしては結構良い
- 軽い
- 小さい
- バッテリー長持ち
- ケース収納でオートON/OFF可能
- 通話可能
- 技適マーク取得済み(鬼滅の刃の版権は取得していないが)
デメリット:
- パチモノ感あふれる外観
- 音質それほど良くない
- ボタン操作が機種によっては不安定
- システム音声がやたらうるさい
正直なところ、それほど期待していなかった事もあったせいか、それを上回る出来だったのは嬉しい誤算だ。
しかし、これだけ褒めているが、あくまで”思っていた以上に”良かっただけなので、「良い音のワイヤレスイヤホンが欲しい!」という人には絶対オススメできないシロモノだ。
もし、音が良いフルワイヤレスイヤホンが欲しい人は、WF-1000XM3を買うことを全身全霊をもっておすすめしたい。
WF-1000XM3は、他社製品にくらべても引けを取らないクリアな音質と低音が程よく再生され、さらにノイズキャンセルが秀逸なソニーの傑作品だと信じて疑わない程だ。
そして、鬼退治ミニイヤホンに過度な期待は禁物だが、良い意味で期待を裏切る「おおっ!」と唸る性能を秘めているから侮れない。
もし、ゲーセンの景品で上手く取れそうだったり、店頭で安く見かけた際は挑戦してみるのも悪くないだろう。
そして、自分の耳で確かめてみよう。
レッツ鬼退治!
なんてこった! このミニイヤホン、第二弾までありやがった!
鬼退治グッズの闇は、深い。