名古屋市内をクルマで走行中、後方からサイレンを鳴らす救急車が接近するのを見かけ、「おっと避けなきゃ」と道を空け、通り過ぎる救急車を見てふと疑問に思った。
……何だあの青い「水」みたいなマークは?

パッと見たところ名古屋市の救急車だが、あの青い水マーク……まさか「水の救急車」の車両じゃないのか?
ちなみに水の救急車とは、家庭の水道トラブル対応を行う民間業者で、いわゆるクラシアンみたいなタイプの会社だ。

しかし、ただの民間の水道修理業者が緊急車両でサイレンを鳴らして赤信号の交差点に突っ込んでいく超法規的措置が許されるものだろうか……?
そういえば、名古屋の東邦ガスは民間企業だが、緊急用に赤色灯をつけた車両が配備されていて実際に街中で走っているのを見たことがある。
しかし、東邦ガスは民間業者とは言え、ガス爆発の危険を伴う緊急事態が起こりうるため、緊急車両があるのは納得できる話だ。

しかし、家庭レベルの水トラブルは当事者にとっては緊急事態かもしれないが、命の危険とまでは行かないため、何で緊急車両なのか不思議な話だ。
そして先日、サイレンを鳴らした救急車が目の前で停車し、間もなく救急隊員がストレッチャーを持って現場に急行するところに遭遇した。

その時、隊員が着用していた服にもあの「水」マークが……あれは水の救急車じゃなくて本物の救急車だったようだ。
それでは、あの水マークは一体何なのだろうか?
■水マークは「スターオブライフ」のマークだった!
あの水マークについて調べてみたところ、あれは「水」では無く、正しくは「スターオブライフ」というマークで、救急医療をあらわすシンボルマークとの事だ。
しかも名古屋市だけのマークではなく、世界中の救急医療関連に共通して使用するマークで、今回参考にした秋田県大曲の救急車にもスターオブライフのマークが描かれていた。

参考元:大曲仙北広域市町村圏組合
■真ん中の棒とヘビは何?
ここまでは何とか理解できたが、あの水マークの中心に蛇が棒に巻き付いているアレは一体何を表しているのだろうか?

先ほど参考にした秋田県大曲(現:大仙市)のページに、スターオブライフに関する詳しい情報があったので読み進めてみた。
水マークの真ん中に描かれた棒とヘビについて、棒は「アスクレピオスの杖」で、ギリシャ神話の蛇遣い座の守護神であり、医学の神のアスクレピオスを意味しているとの事だ。
さらに、先ほどから散々「水マーク」と呼んでいたものはそもそも水とは一切関係なく、6本の柱を意味しており、以下の意味が込められているとの事だ。
・Detection ⇒ 覚知
・Reporting ⇒ 通報
・Response ⇒ 出場
・On Scene Care ⇒ 現場手当
・Care In Transit ⇒ 搬送中手当
・Transfer to Definitive Care ⇒ 医療機関への引渡し
■青い水みたいなマークは救急医療のシンボルだった!
このように壮大な勘違いをしていた救急車のマークだったが、このマークは世界共通で使用されている救急医療を表す「スターオブライフ」のマークだった。
しかし、漢字を常用する我ら日本人にはどうしてもあの形が「水」に見えて仕方ない。
さらに厄介なことに「水の救急車」という会社が実在して知名度もあるため誤解を招きがちで、今回この疑問から調べてようやく誤解していることに気づいた程だ。
大曲のページには「スターオブライフの認知は高まっている」と書かれているが、英二六のように無知なアホはまだ一定数いると思われるので、日本の救急に携わる団体はもっとこのスターオブライフのマークに関する啓蒙活動をもっとやるべきではないかと強く思っている。

現在、名古屋市内で見かける救急車にスターオブライフマークの無い車両も結構あることから、順次新しい車両に入れ替えるタイミングで導入されていくのではないかと思われる。
そんなワケなので、運転中に水みたいなマークを付けた救急車がサイレンを鳴らして走行しているのは本物の救急車(緊急車両)なので、速やかに道を譲ろう!
(道を譲らないと「緊急者妨害等違反」で罰金6,000円、1点減点のペナルティ有)
