先日、トヨタのプリウス(50系)に乗ろうとしたところ、ドアノブを握っても鍵が解除されずドアが開かない。
リモコンの開錠ボタンを押しても全く反応が無かった。
どうやらスマートキーの電池が切れているようで、電波を使った全ての通信関連が出来なくなってしまい開錠できないようだ。

しかし、このスマートキーには物理的な鍵が内蔵されており、その鍵を使えば手動で開錠することができることを何となく覚えていたので、キーを取り出してドアを開錠した。

これで大丈夫だと思い、エンジンをかけようとパワースイッチを押したところ……
ビーッ! ビーッ! ビーッ!
(バカでかいクラクション音)
そして、鳴り響くクラクションと共にランプ類がエレクトリカルパレードのようにビカビカ点滅しだした!
そして肝心のエンジンもかからず、これは一体どうした事かと焦った。
どうやら防犯装置を作動させてしまったようで、プリウス側からは「ファッ、こいつピッキングしてドア開けてエンジンかけようとしとるやんけ……せや、警報鳴らしてエンジンかからんようにしたろ!」という事になってしまったようだ。
慌ててグローブボックスに入っている説明書を読んで操作手順を確認してみたところ、スマートキーの電池が切れていても、正しい手順を踏めば防犯装置を作動することなくエンジンをかけることができる方法があることが分かり、何とかプリウスを動かすことができた。
今回は備忘録がわりにスマートキーが電池切れになった状態の50系プリウスのエンジンを始動させる操作手順を記載しておく。
あわせて、スマートキーの電池交換も行ったので、その方法も紹介しよう。
ちなみに、操作方法については手元にマニュアルが無くても、トヨタのページから説明書のPDFファイルが閲覧可能だ。
【プリウス説明書より引用 601-602ページ】


■プリウス50系の電子キーが電池切れした時のエンジン始動方法
・スマートキーのレバーをスライドして鍵を抜き取る
・ドアノブの鍵穴に鍵を挿し込んで回すと開錠
・キーを抜いてスマートキーに戻して車に乗り込む
【エンジン始動】
・ブレーキペダルを踏みこむ
(エンジンかけるまで踏みっぱなし)
・スマートキーのトヨタエンブレムの面をパワースイッチに数秒タッチする
・ダッシュボード中央の画面に、鍵マークのアイコンが表示されているのを確認
(ここを忘れてパワースイッチ入れると防犯装置が作動!)
・パワースイッチ押下


鍵マークが表示されると防犯装置を解除

(電池交換しないとダッシュボードに通信エラー表示されるが車は動く)
■スマートキーの電池交換
何とかエンジンを始動させることは出来るようになったが、毎度この方法でエンジン作動させるのは非常に面倒なので、次にスマートキーの電池交換方法を紹介しよう。
電池は汎用のボタン電池を使用しているため入手も容易な上、電池交換作業自体も簡単なので、ディーラーに出さなくてもDIYで何とかなりそうだ。
必要な道具は、電池「CR2032」x1、「精密マイナスドライバー」だけでOKだ。
スマートキーは常時クルマと通信して電力を消費するため、使用する電池はなるべく信頼のできる国内ブランドの物を選ぶことをオススメする。
100均でも謎メーカーのCR2032電池が売られているが、ときどき電池持ちの悪いものがあるため、出来れば国内ブランドの電池の使用が良い。
まず、スマートキーのレバーを矢印の方向にスライドしながら物理キーを抜き取り、キー先端を写真赤マル部分に差し込む。



カギを差し込み、テコの要領でキーを上か下に動かすと、ガワがパカッと外れる。


次に、精密マイナスドライバーを電池の隙間に差し込んで持ち上げると電池が外れる。
取り外した古い電池は、+-にテープを貼って絶縁してから処分しよう。

新しい電池の取り付けは、刻印のある面(+側)を上にして、斜めから写真赤マル部分の爪にひっかけるように電池を入れて押し込むと、パチンとはまる仕組みになっている。


ガワの取り付けも向きを間違えないように確認してから押し込むだけで、簡単に取り付け可能だ。
最後にキーを差し込んで作業終了だ。


これで無事プリウスのスマートキーが使えるようになって一件落着だ。
以前からダッシュボードにスマートキーのバッテリー切れの警告は出ていたが、まあいずれ変えようかなーと放置していたらこのザマだ。
クラクションがビービー鳴って近所迷惑な上に、本人も寿命が縮むほど焦ってしまい、見事にプリウスにわからせられてしまったという恥ずかしい結果となってしまった。

今後はスマートキーの電池切れ警告が出たら、先送りにせず速やかに電池交換しようと反省し、さらに予備のCR2032電池を1つ持っておいた方が良いなと思った。