ニンテンドーDSliteの電源が入らない……電源スイッチを何回スライドしても動かざること山のごとしの状態だ。

先日、外装不良のボロいジャンク品のDS liteを買ってきたときはちゃんと電源がついて動作したハズなのだが、数日後には電源すら入らなくなるとは、さすがジャンク品だ。
まあ、DS liteそのものが2006年発売というかなり年季の入ったブツなので、経年劣化でいろいろと不具合が出るのも仕方ない話だ。
確認のため充電器を挿してみたところ充電ランプは点灯したので、バッテリーは特に問題なさそうだ。
この状況からみて、おそらく機械全体の故障ではなく、スイッチ部分の接触不良ではないかと思い、分解して電源スイッチをメンテナンスしてみたところ、電源スイッチが復活した。
今回はその電源が入らなくなったDSliteのスイッチのメンテナンス方法を紹介しよう。
■必要な道具
- Y字ドライバー
- 精密ドライバー(+-セット)
- ヘラ
- 接点復活スプレー
- 精密綿棒
- 無水エタノール
- 両面テープ
■分解前の作業
作業開始前にタッチペンとGBAスロットカバーを取り外す。

次に、目隠しゴム2個を取り外す。
ゴムは両面粘着テープのようなもので固定されているので、粘着を弱めるために無水エタノールがヒタヒタに染み込んだ綿棒をゴムの隙間に入れ、液が粘着部まで染み込むようにマイナスドライバーなどで隙間を押し広げて作業する。

粘着が弱ってくると、マイナスドライバーの先で軽く動かすだけで簡単に目隠しゴムが外れる。

次にバッテリーを取り外す。
写真赤マルのネジをプラスドライバーで緩めてフタを外す。
フタが外れたらバッテリーを取り外す。


これで事前準備完了で、ここから作業本番だ。
■裏フタの取り外し
写真のマル印のネジを全て取り外す。
ネジは全部で7本だが、ここがいやらしい事にYネジとプラスネジが混在しているので、使用するドライバーと戻す時の位置を間違えないように注意が必要だ。

ネジが全部外れても、ガワに爪がかかっている箇所があるためそのままではパカンとは開かない。
GBAスロット付近にヘラを差し込んで溝に添わせ、軽くひねるとツメが外れて裏フタが外れる。

■スイッチに接点復活剤を吹き付ける
ここで登場、当ブログではおなじみのKURE接点復活スプレー!

付属の細いノズルを取り付けて、電源のスライドスイッチの根元に軽くプッシュしてスイッチ部品に吹きかける。

次に綿棒で周りに飛び散った液をふき取り、接点復活剤がスイッチ部品に馴染むようにレバーを何度かスライドする。

これで上手くいけば良いのだが……いや、これまで何度もコイツには助けられたから大丈夫だと信じたい!
■裏フタの取り付け
ここからは組み戻し作業となるが、裏フタの取り付けで気を付けたいポイントが2点ある。
「電源スイッチの位置」と「音量ボリュームの位置」を合わせる事だ。
この位置に配慮せずに取り付けを行うと、最悪メイン基板上のスイッチを破損するおそれがあるので要注意だ。
まず、音量ボリュームの位置は、裏フタ側のプラパーツを最大に合わせて、メイン基板側の音量も最大にあわせ、裏フタを取り付ける際にパーツ同士が噛みあうか確認しながら取り付ける。
次に、裏フタの電源スライドスイッチパーツの位置を下寄りにしておく。
メイン基板側のスライドスイッチは常に下側にあるので、こっちは裏フタ側だけを見ておけば大丈夫だ。
別のDSliteをバラした時の映像で恐縮だが、こんな感じで…… ↓


この2つの位置がキチンと噛みあうかを確認して裏フタを閉める。
もし、フタが引っ掛かるときは、どこかの部品がかみ合っていないので、一旦外して嚙み合わせをチェックする。
いくら入らないからと言って力技で押し込むと、最悪ボリュームパーツの突起が折れてしまって再起不能になるので、丁寧に作業しよう。
接点復活剤の効果が上手く行かなかった時のやり直しに備えて、裏フタのネジ締めは数本だけの仮留め程度にとどめて、バッテリーを取り付ける。
■動作確認
仮留めの状態だが、ここで電源スイッチが入るかチェックする。
……ポロンポロン(DS起動音)

よっしゃ、さすがKURE接点復活剤さまさまだ。
今回も接点不良をズバッと解決してくれたようだ。
起動ついでに各ボタン類やタッチパネルの動作に支障がないかの確認を行い、問題ないのを確認できたら電源OFFにして、全部ネジを締めて完了だ。
最初に外した目隠しゴムは高確率で粘着力が弱くなっているので、両面テープで粘着部分を補強しておこう。
これで作業は完了だ!
■最後に(外装交換は男のロマン)
……あ、しまった!
これ、ガワが壊れてヒンジがグラグラのジャンク品だった。
ネジなんて締めてる場合じゃなくて、そもそもガワを交換しないといかんやつだった。
特に今回入手したDS liteは割れていると一番困るヒンジの部分がやられていて、パーツ交換する以外に修復する方法がない状態だった。

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そんなワケで、スーパーファミコン風味のガワに交換しちゃいました!


アマゾンでDS liteのシェルを検索すると、社外品の色々な交換用ガワがけっこう出てくるので、どれにしようか悩んだ結果、今回一番ビビッときたスーパーファミコンっぽいデザインのガワを選んでみた。
↓ これ
以前購入した透明タイプのガワの値段はかなりお手ごろだったが、今回はそれに比べるとずいぶんと高価なガワだった……まあ、どっちもカッコいいからヨシッ!

そして社外品パーツあるあるの話だが、前回の透明ボディに引き続き今回もプラパーツの成型がイマイチで、ネジ穴の位置や嚙み合わせなど建付けの良くない箇所が見られ、一部でパーツが上手く入らなずに浮き気味だった。
そのため、基板を移植する前にあらかじめ仮組みしてパーツ同士の噛み合わせをチェックし、ズレている部分はデザインナイフなどで削るなど位置を調整する作業が必要だ。
以前買った透明ボディ(1500円くらい)も部品精度とネジ穴の強度不足に悩まされたが、まあ安いパーツだから仕方ないかと半ばあきらめていた。
↓こいつ
しかし、今回のスーファミ仕様のガワは透明ガワに比べてお値段が2倍以上もしたので、品質もお値段以上だろうと思っていたが、残念ながらこちらもチャイナ製の大らかな作りで、前回同様にずいぶんと手こずった。
そういった事情があるため、もしDS liteのガワ交換を考えている人は覚悟の上で挑戦してみよう。
ガワ交換作業で個人的に厄介だと思った箇所は、上液晶のフレキケーブルをヒンジに通す作業で、ここでミスるとフレキが即断線するという非情さだ。
もし断線してしまった時は上液晶を丸ごと交換となり、さらに新しい液晶にスピーカーパーツをハンダ付けで移植する作業も伴うため、難易度は結構高いと思う。
(ヘッポコ英二六の感想です)
しかし、交換作業にけっこう苦労するが、ガワ交換したDSのオリジナリティ溢れる外観は実に壮観なので、試してみる価値はありますぜ!
