2020年12月24日、我々はこの日を待っていた。
待望の新作、GGアレスタ3の発売日を!
この日は颯爽と会社を定時にダッシュで退社し、”彼女”の待つわが家へ……到着を確認、ヨシ!
待ってたぜェ!! この瞬間(とき)をよォ!
アレスタコレクションは、”コレクション”という名の通り、セガのゲーム機で販売されたシューティングゲーム「アレスタ」シリーズを複数収録したものだ。
さらに、海外版のマスターシステムのみで販売されていたタイトル「Power Strike II」も収録されている。
当時アレスタシリーズにドはまりし、アレスタと名の付くタイトルは一通りプレイしてきたが、Power Strike IIは海外のみでリリースされた作品で、入手困難な激レアものだった。
秋葉原などの輸入ゲーム専門店等の一部では販売されていたらしいとの事だが、何度かアキバに出向いて探してみたものの、購入するチャンスに巡り合うことはなかった。
そのような事情もあった為、今回のアレスタコレクションにPower Strike IIが収録されている事は本当に嬉しい話で、これだけでも十分にアレスタコレクションを購入する動機になるほどだ。
目 次
収録タイトル(カッコ内はゲーム機名)
・アレスタ(セガMK3)
・Power Strike(海外マスターシステム)
・GGアレスタ(ゲームギア)
・GGアレスタII(ゲームギア)
・Power Strike II(海外ゲームギア版) ※ ←GGアレスタIIの海外版
・Power Strike II(海外マスターシステム) ※ ←オリジナル
・GGアレスタIII(新作)
※Power Strike IIは、同一タイトルだが、ゲーム内容は全然別物なので注意!
さらに、ただの過去作品コレクションにはとどまらず、完全新作の「GGアレスタIII」まで収録してしまうという気合の入れようには、感動すら覚えたほどだ。
しかもGGアレスタ3の開発が、信頼と実績のM2という最強の布陣に、発売予定の告知を見た瞬間に眠っていたアレスタ魂が爆発するように目覚め、全力で予約ボタンをポチってしまったほどだ。
そして、12月24日という発売日は
「アレスタコレクションは、俺たちM2サンタからアレスタファンへのプレゼントだ、メリークリスマス!」
という熱い意味を込めて日程を決めたに違いない。
そんな妄想膨らむアレスタコレクションに思いを馳せ、当時ゲームギアやセガMK3で夢中になって遊んだ思い出に胸躍らせながら、アレスタコレクション起動!
うーん、何とも豪華なラインナップだ!
これだけでもご飯三杯いけそう。
大好物のGGアレスタ2からプレイ開始!
まずはお気に入りのGGアレスタ2で肩慣らしだ。
GGアレスタ2はシューティングにもかかわらず、BGMが全体的に哀愁の漂うものが多いという不思議な選曲センスだが、これがまたすごく良いのが不思議だ。
しかも、最終面のBGMがタイトル画面曲のアレンジという演出が何だかアニメの最終回っぽいノリで、テンションが最高潮に達し、そのまま最終ボスに挑むという展開の持っていきかたは正直ズルいと思ったほどだ。
1ステージ開始早々から、祝砲がわりにボムを1発誤射するという、いわゆる”シューティングあるある”のお約束も抜かりなくこなし、何だかんだでGGアレスタ2はクリア!
気のせいかもしれないが、何かフレームレートが実機より高くヌルヌル動いたような気がしないでもないが、ゲーム全体はM2の職人魂がビリビリ感じられる良移植作品だった。
しかもSwitchのIPS液晶は、ゲームギアのボンヤリSTN液晶とは違い、画面も大きくドットも色味もクッキリハッキリで視認性も抜群だ。
かなりのブランクを経て久々のプレイだけに、上手く操作出来るか不安だったが、画面の見やすさも手伝って快適にプレイすることができた。
この勢いで行くぜ新作、GGアレスタ3!
メニュー画面をよく見ると、機種名は「ゲームギア」で、発売日は本日(2020/12/24)となっているのを確認し、あらためてゲームギアの新作という扱いなのだという事を実感した。(ゲームギアのROMカセットではないけど)
そんなGGアレスタ3は、1面で「何だこれ、ヌルゲーじゃん!」と錯覚したのもつかの間、2面の道中あたりから不穏な空気が……。
どうやら1面はチュートリアルステージのようなもので、2面から本格的にプレイヤーを殺しにかかってくるスタイルのようだ。
くッ……何だか難しい!
だが、それがいい!
どうやらGGアレスタ3は、GGアレスタシリーズの伝統芸「ナパーム系の武器で敵弾を打ち消しながら力押し」という攻略法では通してくれないプレイスタイルのようだ。
どうやって攻略できるかを探す楽しみもあり、一筋縄ではいかない作りになっているようだ。
さすがM2、いい仕事しますわ。
そんなステキな聖夜にGGアレスタに全集中してしまった結果、時計を見たら既に「明石家サンタ」の放送がとっくに始まっている時間に……あした起きられるカナ?(恐怖)
(SMS版)Power StrikeIIのBGMがスローな問題?
ところで、何で収録されているマスターシステム版のPower Strike IIのBGMは、サントラCDと比べて曲のテンポがやたら遅いのだろう?
そんな疑問について調べてみたところ、どうやらとんでもない勘違いをしていた事がわかった!
当時、海外マスターシステム版のPowerStrikeIIは希少で、入手困難だった。
しかし、BGMだけはサイトロンから販売されていたサントラに収録されていたので、曲だけは聴いたことがあるという認識だった。
前述の通り、Power Strike IIは海外の、しかもヨーロッパ圏のマスターシステムのみでの販売だった。
ヨーロッパと日本では映像方式が異なり、日本やアメリカなどはNTSCという方式を採用し、ヨーロッパ圏ではPALが採用されていた。
どうやら、NTSC(59.94Hz)とは異なるPAL(50Hz)の環境前提で製作されているソフトにもかかわらず、サントラの製作チームが間違えて、NTSCのテンポ(59.94Hz)でBGMを再生して収録してしまったとの事だ。
つまり、本来のPower Strike IIの曲は、アレスタコレクションに収録されている方のテンポが正しいということになる。
レコードに例えるなら、コンパイルは50回転のプレイヤーで再生する仕様のレコード盤を作ったのに、サントラを製作したサイトロンが間違えて59.94回転のレコードプレイヤーにかけた状態で録音してしまったという感じだ。
どうりでサントラの曲が早回しみたいにハイテンポだったわけだ……今日の今日まで、あの早回し曲がホンモノだと勘違いしていた。
なお、このCDは家庭用ゲームのサントラコレクションで、メーカーの垣根を越えてツボを押さえまくった珠玉の選曲ラインナップに感動したものだったが、まさかこんな致命的な落ち度があったとは……。
そういう事なので、正しい再生速度のBGMを楽しみたい人は、サウンドモードから確認できるので、自分を含めてPower Strike IIのBGMを勘違いして理解していた人は、神(コンパイル)に懺悔しながら拝聴するように!
超参考になった文献:SMS版POWER STRIKE IIについて
2022/4/21 update
だいぶ遅れての登場だが、とうとうサウンドトラック発売!! これでちゃんとしたPOWER STRIKE IIのBGMが聴ける!サイトロンのCDで曲のテンポを勘違いしてしまった人は特に必聴ものだ。
今回のアレスタコレクションは最高すぎて、続編を強く希望!
最後に、これは掛け値なしにアレスタファンなら買って良かったと思える逸品だと自信を持って言える。
ちなみに、これからアレスタコレクションを買おうと思っている人で、経済的に余裕のある重度のアレスタ中毒者(ジャンキー)は、ゲームギアミクロ同梱版を買う事をお勧めする。
これさえあれば、ゲームギア実機(一応)でGGアレスタ3が遊べるという夢がかなうのだ。
しかし、当時アレスタに夢中になったと思われるおっさん世代には、ゲームギアミクロの小さい画面は、少々目に厳しいかもしれないので、覚悟の上でご購入を!
もしもの話だが、今回のアレスタコレクションの売り上げが好調なら、アレスタコレクション2がリリースされるのかもしれない。
そうなった時はアレスタ1,2(MSX)やスーパーアレスタ(SFC)、武者アレスタ(MD)あたりが収録されることを願いたいものだ。
電忍アレスタとアレスタ外伝は……まあ、アレは無くてもいいかな?