とうとうワンダースワンカラーの電源が故障してしまい、電源ボタンを押しても電源が入らないし、稀に動いても電源が切れない状態になってしまった!
ワンダースワンカラーは、ゴムのボタンを押し込む電源タイプで、押すと電源が入り、もう一度押すと電源が切れる仕組みになっている。
しかし、このボタンの作りがあまり良くないようで、時間が経つにつれ、だんだんスイッチボタンの反応が悪くなっていくものだった。
そして先日、久しぶりにワンダースワンカラーで遊ぼうと電源を入れようとしたところ、とうとう電源が入らない末期状態を迎えていたのだ。
この電源がダメになったワンダースワンカラーを修理する方法を調べてみたところ、どうやらワンダースワンカラーの電源ボタンには、特有の持病があるようだ。
経年や使用頻度によって、電源ボタンの接点が摩耗することにより、ボタンの反応がどんどん悪くなるという不具合があるとの事だ。
さらに読み進めてみると、修理方法として、劣化した本体基板の接点にアルミホイルを噛ませることで接点が機能を取り戻すという方法が多くのサイトで紹介されていた。
もう少し良い修理方法はないか探してみたところ、本体基板にシールのような補修パーツを取り付けて接点を修理するという方法が見つかった。
実際、その修理方法を試してみたところ、簡単に修理することができたのだ!
今回は、ワンダースワンカラー特有の持病である電源ボタンを、アルミホイルを使わない新しい修理方法を紹介しよう。
目 次
必要な道具を準備
作業にあたって、以下の道具が必要となる。
- ワンダースワンカラーのボタン修復用シール(最重要)
- 無水エタノール(ボタン接点清掃用)
- T7トルクスドライバー
- 綿棒
ここで問題なのは、修復用シールの入手方法だ。
なぜか現時点でアマゾンや楽天などの大手ECサイトでは、ワンダースワンカラー用のボタン修復用シールが売られていないのだ。
幸い、ヤフオクやメルカリなどのフリマサイトで販売されているところがあったため、今回はそこからパーツを調達することが出来た。(1000円くらい)
電池ボックスの取り出し+接点清掃
まずは、電池ボックスを取り外す。
本体下側の電池ロックを外し、電池ボックス上の爪を押しながら下側にズラせばボックスを取り出せる。
これまでワンダースワンで電源が入らない時、電池接点の汚れを拭く事で動いた事も結構あった為、まずは接点を清掃してみることにした。
よく見ると、接点が白く汚れている箇所があるので、無水エタノールを付けた綿棒でプラス、マイナス両端の金属接点をこすって掃除する。
同時に、本体側の電池ボックス接点に触れる箇所もエタノールで拭く。
まさか、これで電源が点いたら作業終了かと思ったが、やはり電源ボタンは反応無しだったので、原因は電源ボタンなのだろう。
開腹作業
電池ボックスを外したら、次は本体側の分解に入る。
ネジが少々特殊な形状のため、T7トルクスドライバーが必要となる。
まずは、写真の赤丸部分のネジを取り外す(全6本)。
ネジを全部外しても、内部のツメに噛み合わせがあるが、上下のパーツをちょっとズラしながら開ければ簡単にガワを開けることができる。
ガワを取り外す際に、バッテリーをロックする部品(白色のパーツ)がポロっと取れることがあるので、落として紛失しないように注意すること。
メイン基板のボタン接点側を上にする
開腹ができたら、つぎはメイン基板をひっくり返してボタン接点の面が上になるようにする。
メイン基板はネジ止めされていないため、手で持ち上げるだけで簡単に持ち上がる。
ここで気を付ける点は、液晶のフレキ板がメイン基板と繋がっている箇所があるので、誤って切らないようにABボタンが付いている側の部分から基板を持ち上げてひっくり返すこと。
ボタン接点の清掃
メイン基板とボタンが接する部分をよく見ると、少し黒ずんで汚れているのが分かる。
今回は電源ボタンが問題となっているが、分解したついでにボタン類の接点もメンテナンスしておくと、ボタンの反応が良くなるため、この部分も無水エタノールを付けた綿棒で清掃する。
同時に、接点に触れるボタンのラバー部分(黒いゴムみたいなパーツ)も、無水エタノールと綿棒で清掃する。
これでパーツ接点の汚れは取り除けたハズだ。
一度パーツを仮組みし、試しに電源を入れてみたが、やはり動かなかった。
やはり電源ボタン接点の持病は手強い!
とうとう修復シールの出番のようだ。
ボタン修復シールを使う
電源ボタンの動作不具合の原因に、基板側とボタンラバーの接点に問題があるという事は以前からよく言われていた。
解決策として接点と接点の間にアルミホイルを噛ませる方法が多くの修理ブログで取り上げられているのをよく見かけるが、今回は別の秘密兵器を用意しておいた。
こいつはアルミホイル同様に基板の接点部分の不具合を解消するという目的に変わりは無いが、シートがシール状となっているため粘着性があり、アルミホイルのようにズレずにぴったりと固定する事が出来るという優れものだ。
さらに貼り付け作業が簡単なところも良い。
使い方は以下の手順だ。
シートから修復したい接点を切り抜く
切り抜くとは行っても、各ボタンごとのシートはあらかじめ殆どの部分がカットされている。
そのため、端の部分をカッターでちょこっと切るだけで簡単に切り抜くことが可能だ。
裏紙を剥がす
切り抜いたままの状態では接着しないため、茶色の剥離紙を剥がす。
パーツが小さくて剥がしにくいときは、カッターやピンセットでつまんで剥がす。
粘着面を基板側に貼り付け
貼り付け位置がズレないようにピンセットで慎重に位置を合わせ、そのまま粘着面を基板側に貼り付ける。
修復シールは、全ボタンの修復が可能なセットとなっているが、今のところ他のキーは普通に動いていたので、今回は電源ボタンの接点のみを対策してみることにした。
組みなおして電源ON
これでスイッチが入らなかったらどうしようと不安になりながら、恐る恐る電源ボタンを押したところ……
「♪チュイーン!」
聞きなれた、いつものワンダースワン起動音が鳴り、ソフトも無事起動した。
念のため電源オフも試してみたが、こちらも問題なし。
手術は、大成功だ!
このボタン修復シールを使う事で、ワンダースワンカラー特有の電源ボタンの効きが悪くなる持病を簡単に克服することが出来るのだ。
わざわざアルミホイルのサイズを調整しながら切り貼りしなくても、シールを基板にペタリと貼り付けるだけで簡単に修理が出来る点は実に素晴らしい。
このシールによる補修方法は、手軽にワンダースワンカラーの電源ボタンを修理できる素敵なアイテムでメジャーになって欲しい修理方法だと思うのだが、先述の通り、なぜか普通のECサイトなどでは売られておらず、ヤフオクやメルカリの個人出品からしか入手する手段がない。
こんな便利な物なら、大々的に売って欲しいものだが、ワンダースワンというマイナー機という事情からか、積極的に取り扱っている店が無いのが現状だ。
そんな不遇のゲーム機だが、まだまだワンダースワンで遊びたいので、今後に備えてもう1セットほどボタン修復シールを調達しておきたいところだ。
そして、遊ぼうと思っていた肝心のソフト(ワンダーウィッチ)だが、カセット内蔵のバッテリーバックアップ電池が切れていた為、見事にデータが消えていたというオチまである始末……あちゃー。