2025年6月5日に華々しくデビューしたニンテンドースイッチ2だが、発売前から予約がなかなか取れず、8月に入った今もなお品薄な状況が続いているようで、抽選販売がメインで店頭ではめったにお目にかかることの無い人気商品だ。
品薄により白熱しているSwitch2市場では、任天堂vs転売ヤーの熾烈な戦いや、節度の無いフリマアプリの転売やアカウントBANなど、登場人物がいずれも過激な戦争状態となっている中、英二六は我関せずの姿勢で7月頃に中古ショップで少し安くなった初代Switchの2台目を購入した。
今回購入した2台目はSwitch liteで、1台目に購入したSwitchに比べてテレビ出力など一部機能が制限されている分、本体が大幅に小型軽量化されているため携帯ゲーム機として実に扱いやすい点が魅力だ。
これまで使っていたSwitchも悪くないと思ったが、2台持ちによって得られるメリットも多いため、「時は来た、今こそ安くなったSwitch liteを買おう!」と言いたい。

なお、いま話題のSwitch2について個人的には「まだSwitch2は買い時ではない、ハード的にもソフト的にも価格的にも問題が多すぎる」というスタンスだ。
それでは、2台目にふさわしいSwitch liteの魅力と使い方について語ってみようと思う。
目 次
■ぺったんこ、ほそい、うすい
名前がliteとあるだけに、最初にSwitch liteを持った第一印象が「軽い!」だ。
これまで使っていたSwitchが398gに対して、Switch liteは275gと30%も軽量化されているのだ。
さらに、横幅も大幅にコンパクトでSwitch(239mm)に対してSwitch lite(208mm)と3cm近く小さくまとまっている点も良い。

これらの小型軽量化が実に良い感じに仕上がっているため、これまで「もうちょっと遊びたいんだけど、手が疲れるんだよな……」という不満がliteで一気に解消した程だ。
ちなみに、Switchシリーズのサイズおよび重量についてまとめてみたところ、Switch liteの軽量コンパクトさはシリーズでも群を抜いている事に気づくはずだ。

箸とニンテンドー2DS(260g)より重い物は持てない虚弱体質の英二六にとっては、liteの軽量感(275g)は実に持ちやすくてGOODだ。
逆にSwitch2に至っては、liteの2倍に相当する重量で、いくら高スペックとはいえ文鎮じゃないのかと思うほどの重量物と化しているため、キョジャッキーを自負する身には厳しすぎる……。
Switch liteの画面サイズは小型化により6.2インチから5.5インチにサイズダウンしてしまったが、特に見づらいことは無く軽量感のメリットが圧倒的に上回っているため特に不満は感じない。
もし大きい画面で遊びたい時は1台目のSwitchをテレビに繋いで遊ぶなどして使い分ければ不満なく遊べるはずなので問題は些細なことだ。
Switch liteは携帯モードで遊び、初代はドック経由でテレビ接続で遊ぶと使い分ければお互い非常に使い勝手が良くなって快適だ。
■コントローラー(ジョイコン)一体型でグリップの安定感アップ
Switchを使っていて地味に感じていた不満に「ジョイコンの部分が微妙にグラつく」があった。
Switch本体とジョイコンは、スライドレールとストッパーで固定する構造となっているためプレイ中に勝手にジョイコンが外れることは無いとは思うが、経年のせいか僅かにジョイコンがグラつくような感触があった。

とは言っても、しっかり本体に固定されていてジョイコンが外れるようなことは無いとは思うが、何か漠然とした不安があった。

そんなモヤモヤを抱えていたため、Switch liteを持った瞬間に感じた安心感は、おそらくこのコントローラーが本体に直付けでグラつかないという安定感から来るものだろう。
しかしそんな安定感と引き換えに、Switch liteはアナログスティックがドリフトしたりボタン入力が不調になった時のパーツ交換修理が結構厄介で、アナログスティック交換修理だけでも本体の分解作業に相当な手間がかかるようだ。
任天堂に修理に出すのが一般的だが、サポートページの修理料金一覧を見ると6050円と手強い価格に思わず眩暈が……こいつはなかなか高い!

(任天堂HPより引用)
あまりにも修理代が高いので、いざとなったら自分で修理してみようとyoutubeやiFixit等でSwitch liteのスティック交換修理動画を見たところ、最深部まで本体を分解しないとスティックすら交換できないのかよと震えあがったほどだ。
3DSのように本体の裏フタを外すだけでスライドパッド基板にアクセスできる簡単な構造とは異なり、ほぼ全バラしレベルでSwitch liteを分解しないとスティックまでたどり着けない構造になっているのは一体どうしたものかと……。
一方、通常モデルSwitchのジョイコンは、本体とセパレートしている構造のため、スティックの交換作業は比較的簡単だった。
過去に知人に頼まれて何本かジョイコンの修理をしたことがあるが、SL/SRボタン、アナログスティック、L/Rボタン……ぶっちゃけジョイコン各パーツの耐久性の低さには正直うんざりするほどだった。
これまで任天堂のコントローラーは子供がワイルドに使っても壊れにくい作りだった筈なのに、Switchのコントローラーは壊れやすくて嫌になるほどだ。
後継のSwitch2ではコントローラーが頑丈になっていればいいのだが……。
ちなみに、先日中古で購入したSwitch liteのRボタンがさっそく不調になったので分解修理してみたところ、L,R,ZL,ZRのいわゆるショルダーボタンはスティック部に比べてメンテナンスしやすい構造になっていたので簡単に修理することができた。
(ひょっとして、Rボタンが不調だったから安く売っていたのかも……?)
詳しくは下記の記事をご参照あれ。
【修理解説】Nintendo Switch LiteのRボタン(Lボタン)が反応しないので分解修理してみた【ついでにZL,ZRも】
■バーチャルゲームカードでSwitch間のダウンロードソフトが使用可能
これまで使っていた1台目のSwitchで購入したダウンロードソフトは、バーチャルゲームカードのやり取りで2台目でも使用できる仕組みがあり、これがなかなか便利だ。
数か月前のアップデートでメニューに”バーチャルゲームカード”という項目が出来て何だこりゃとは思ったが、2台目を買って初めて「あー、こういう事か」と納得したほどだ。
やり方は簡単で、最初に1台目と2台目のSwitchのペアリングを行う(初回のみ)。


これにより、ペアリングしたSwitch間でダウンロードソフトを貸し借り出来るようになり、使うときは貸主のswtchからバーチャルゲームカードを抜き、借主のバーチャルカードにセットすれば使用できるようになるという要領だ。
(バーチャルゲームカードの相互使用は本体2台まで登録可能)
バーチャルゲームカードの貸し借りの作業を行う時はどちらのSwitchもネットに繋がっている状態である必要があるが、なぜかうちの環境では「貸主側がネットに繋がっていないのでゲームカードが抜けない」というエラーが頻発した。
この場合は貸主の方から手動操作でバーチャルゲームカードを取り外す手続きをすると、ソフトを借りることができるので、心配ご無用だ。
★バーチャルカードの手動取り外し操作方法




(あ、別のカード抜いた映像だった……)
軽量なSwitch liteではシューティングやアクションなどのタイトルで特にプレイが捗るので、2台持ちの人はハードを使い分けてのプレイがオススメだ。
そして、Switch liteの左が十字キーになっているのも地味にうれしいポイントで、レトロゲームをやる時には特に十字キー操作がしっくりとくる。

ただし、Switch liteの内蔵ストレージ容量は初代Switchと同様に32GBと決して多いものではない。
そのためバーチャルゲームカードを入れすぎるとストレージ容量が足りなくなるため、予めそこそこ容量のあるマイクロSDカードを入れておくことをオススメする。
個人的にはダウンロードソフトはダウンロード専売ソフトやインディーズ、レトロゲームなど比較的小容量なタイトルを中心に買っているため、256GBあたりあれば十分だとは思うが、パッケージソフトのダウンロード版をメインに買う人はなるべく大容量のSDを買っておいた方が良いかもしれない。
(最大2TBまでのマイクロSDが使えるが、お値段異常なのであまりオススメできない)
■Switch2台持ちのススメ
そんなワケで、いまさらSwitchとSwitch liteを2台持ちしようという流行から外れまくった話題だったが、Switch2の登場により初代Switchの中古が値崩れしてそこそこ安価で出回り始めた今こそ2台目購入のチャンスがやってきたのでは無いかと思う。

実際、このSwitch liteの中古は先月に7700円で購入したもので、スティックのゴムに若干キズがある程度で、他の部分には目立ったダメージは無い状態の良好なブツだった。
(まあ、後日Rボタンの不調に気付いて修理したが……)
おそらく今後さらにSwitch2が普及するにつれて、一段と初代Switchの中古品が値下げされるのではないかと思われるが、これまでSwitch1台体制で感じていたぼんやりとした不満が解消するので、同じようにモヤモヤを感じている人は是非とも2台目のSwitchを購入しよう!
1台目がliteの人はSwitchか有機elモデルを、1台目がSwitchや有機elの人はliteを、この小型機と通常機を組み合わせで持つと使い勝手が格段に向上するので、今こそSwitchのプレイ環境QOLを上げるチャンスだ!
■まだSwitch2を買わなくていいのでは?
なお、今いちばんホットなSwitch2については、個人的には「まだ買うには時期尚早では?」という見解だ。
特に感じている不満は「ソフトがまだ出そろっていない」「本体が高い」「内蔵ストレージが少ない」「SDカード高い」「重くて大きい」の5点だ。
その問題の中でも、特にストレージ周りの貧弱さについて一番問題視していて、まだSwitch2を買うのは早いのではないかと思わざるを得ない。
Switch2は内蔵ストレージが256Gと、Switch(lite)の8倍はあるため、一見大容量に見えるが、ここが落とし穴だ。
ショップで販売されているパッケージソフトをよく見ると「キーカード」という形式が多く見られる。
いや、任天堂ソフト以外のサードパーティーの殆どがキーカードだ。

このキーカードというのが罠で、一見ゲームカードのように見えるが、ゲームカードにソフトのデータが入っていないため、最初にネット接続してデータをダウンロードしないといけない。
そのため、パッケージソフトを買ったにもかかわらず、ダウンロード版ソフトのように内蔵ストレージやSDカードの容量を食うという実に厄介なやつだ。
では、このキーカードは何のためにあるのかというと、「ダウンロードしたソフトの起動用ディスク」という極めて微妙なものだ。
ソフトはダウンロードでストレージを食っているにも関わらず、キーカードを入れないと起動しない不便さがあるのだ。
ソフトをダウンロードするという事は、当然ストレージ容量を食うことになるが、さらに始末が悪いことにSwitch2のパッケージソフトは1本あたりの容量がやたら大きいのだ。
店頭で見かけたローンチタイトルのキーカード作品の一部だけ見ても、これだけストレージ容量を食うことになるようだ。
・ストリートファイター6:50GB
・RAIDOUリマスター:17GB
・HITMAN:63GB
・龍が如く:47GB

これではキーカードのソフトを数本入れるだけでアッという間に内蔵ストレージは容量オーバーとなってしまい、必然的に外部ストレージのSDカードが必要となる。
ところが、そのSDカードもまた厄介で、Switch2では既存のマイクロSDカードは使用できない。
新規格の「microSD Expressカード(高い!!)」が必須となるのだ。


2025年8月現在、販売されているmicroSD Expressカードは256GBで約7000円と、既存のマイクロSDカード256Gの相場(2500円位)と比べても2倍以上と圧倒的に高額だ。
それでも、キーカードやダウンロードソフトを利用するにはかなりカツカツな容量ですぐに使い切ってしまうほどのレベルだ。
そもそも、パッケージソフトを買う目的の一つに「ダウンロード版はストレージを食うけど、パッケージ版はストレージを使わないから」という理由があるはずなのに、キーカードはダウンロード版と同様にストレージを食うくせに、起動にキーカード必須という不便さだ。
こんなに不便なら、ダウンロード版を買った方がまだマシだ。
キーカードは、こうしたダウンロード版のデメリットとパッケージ版のデメリットを悪魔合体したという最悪のメディアだと思っている。

そういった事情から、当面はストレージ不足の問題が起こることが考えられるため、もう少し待てば今より安価で大容量のmicroSD Expressカードが市場に出てくるのではないかと思われる。
さらに、Switch2本体もストレージ容量の大きい改良モデルを投入する可能性も考えられるため、今あわてて買う必要はないと思っている。
正直なところ、キーカードなんて不便な物はさっさと廃止して欲しいところだが、悲しきかなSwitch2は今もなお売れまくっているのが現状だ。
現段階ではキーカードでも売れているため、メーカー側も胡坐をかいて「こんなクソみたいな販売形態でも売れているなら、キーカードの販売はそのまま続けよう!」となりそうで不安だ。
以前、Switchでメタルギアソリッドの過去作コレクションが出た時に買おうかなと思っていたが、パッケージ版なのにアホみたいにストレージ容量を要求してくるクソ仕様に驚いて買うのを躊躇した程だ。
まあ、これもキーカードの走りみたいなものなんだろうなあ……。

こんなもん買うくらいなら、vita版のメタルギアソリッドHDエディションの方がいいや!
しかし、日本国内モデルのSwitch2は海外モデルより価格設定を安めにしてあるとは言え、任天堂のゲーム機にしては考えられないほど高額だ。
本体49980円、256GBのSDEXカード6980円、ソフト??円……こんな価格を見たら天国の山内組長が怒り狂って鉄砲玉を送り込んでくるのではないかと思うほど、任天堂ハードではあり得ない高さだ。
かつて、任天堂の先代社長の山内溥氏は「ゲームハードは、ユーザーがソフトを遊ぶために仕方なく買う箱」という持論を展開していた。
仕方なく買うゲームハードはなるべく負担を軽くするために、ゲーム機本体の価格は薄利or赤字にして買いやすい価格で提供して、ソフトの売り上げやライセンス料で利益を上げていこうという経営哲学だった筈だが、この豹変ぶりは一体どうしたものかと思うほどだ。
一方、「Switch2はゲーミングPCより安い」「PS5より安い」「iPhoneより安い」等の意見もあるが、果たして子供が使う携帯ゲーム機に5万円っていう価格で、親が買ってくれるものだろうか?
初代Switchも発売当初は少々高いかなと思ったが、複数の購買層に合わせてモデルをリリースしてそれぞれ販売価格を変えてSwitch lite(2.2万円)、Switch(3.2万円)、Switch有機EL(3.8万円)と上手く住み分けして調整していたと思える。
1つ前の3DSシリーズでも、2DS(1万円)、3DS(1.5万円)、New3DSLL(2.5万円)などのように購買層ごとのバリエーションがあり、親が子供に買い与えやすい価格帯の物から上位モデルで快適に遊びたいゲーマーまで機種を網羅していた経緯から、いずれSwitch2もこういった住み分けした商品展開をするのではないかと思われるが、いかんせん現状の価格帯では厳しいものがある。
さらにSwitchも3DSも価格がこなれている汎用品のSDカードが使えたため、ストレージの拡張もコスト面では厳しくなかったが、Switch2はその真逆を行くハイコスト機だ。
このように様々な懸念事項から、当面はSwitch2の購入は見送ろうかなと思っている。
まあ、初代機発売から8年間も人気機種として走り続けたSwitchなので、当面ソフトには困ることが無さそうなので、当面は初代Switch用で買いそびれたソフトや隠れた名作を遊んでみようと思う。
そういった事情から、英二六は初代機Switchの2台持ちで当面は楽しんでいこうと思う!
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……って、節子それSwitchやない、3DSや!
いやあ、3DSすら留年している自分にとってSwitchなんて老後の楽しみ用になりそうだわ。
Switch liteも良いんだけど、この気軽にプレイできる3DSの小型感が好きなんだよなあ……。
Switch版もシャンティの続編が出ているみたいから、こっちも買わなきゃ!