先日、名古屋の大須にある「三洋堂書店 上前津店」に寄ったところ、店頭にとんでもない掲示が貼られていて、思わず眩暈がした。
大須の三洋堂といえば、大須という土地柄に合った趣味寄りの品揃えが定評の店で、PC関連書籍やミリタリー、サブカル本、コミック、ライトノベルなどが充実している店だ。
個人的にはPC関連の書籍が充実していて以前からよく利用していた店だったが、まさかその三洋堂書店が閉店とは……何てこった。
最近はネット通販などに押されて、リアル店舗の書店が閉店するという話をよく耳にしたが、「大須の三洋堂は、PC専門書やオタク向けの書籍に特化した尖った店だから大丈夫だろう」と油断していたが、まさかこんな事になってしまうとは驚きだ。
このようにリアル店舗を失うのは実に痛い話で、これから本を選ぶのに苦労しそうだ。
特にプログラミングなど技術関連の本は記述にクセのあるものが多く、初めて取りかかるジャンルの入門書は、文章の書き方が難解だったり、図説を省略したりする読み手を無視した構成の粗いものも少なくない。
そのため、この手の入門書を探す際は、まず店頭で同一ジャンルの本を何冊か読み比べてみて、自分の感覚に合った本を探すという買い方をしてきた。
「なら、amazonなどのレビューを見て、評価の良い本を買えばいいんじゃない?」
……という声が聞こえてきそうだが、ネットのレビューは正直あまりあてにならないのが問題だ。
最近問題となっているサクラレビューが横行しているという点も不安材料ではあるが、それよりも本は読む人によって受け取り方が様々なので、その高評価レビューを書いた人にとっては読みやすい内容だったのかもしれないが、自分にとっては読みにくいこともよくあった。
仮にプログラミング入門書を例として、技術レベルの高い人がその入門書を読んだとして、ページの都合でプログラム環境の構築やインストールなどの導入部分を端折っているが、ページ中盤以降の応用部分が良い内容なら、序盤の内容はあまり必要ない情報のため、その人にとっては良書と捉えられ
「〇〇のプログラムを学ぶには、とても分かりやすくて良い本です!」
……とレビューするだろう。
しかし、そのレビューを信じて入門書として買い、最初のところから知りたい自分にとっては、導入部分がおざなりだと「メニュー画面から何をしていいのかサッパリ分からない……」といった具合に入口からつまづいてしまうこと事が多い。
実際、ネットのレビューを参考に購入した本で何度か痛い経験をしてきただけに、やはり店頭で同一ジャンルの本を読み比べて納得した上で購入したいのだ。
そういった本の選び方をする自分のような人にとって、リアル店舗は必要なのだが、このように閉店の憂き目を見るということは、時代が変わってきたのだろう。
しかし、これまで当たり前のようにあった三洋堂書店が無くなってしまうのは本当に寂しい話で、これからPC関連の本を探す時はどうしたものか……。
総員、三洋堂書店上前津店に敬礼!
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