ニンテンドー3DSの様子がおかしく、なぜか下画面の液晶だけ色の無い白黒映像になってしまった。
上画面はフルカラーの総天然色(しかも立体視)できる21世紀のテレビなのに、下画面だけ1960年代の白黒テレビみたいな状態に……。
何だか画面もフリッカーのようなチラつきがあり、芳しくない状況だ。


ひょっとしたら何かの衝撃で液晶のケーブル接続がズレて表示が白黒になってしまったのではないかと思い、一旦分解して液晶画面のケーブルをメインボードに刺し直してみたが、状況は変わらず白黒のままでアシュリー様もご機嫌斜めだ。

タッチパネルは使える、画面も出る、だが色が無い。
この症状はおそらく液晶パネルの故障だろう。
これは液晶パネルを交換すれば何とかなるのではないかと思い、3DSを分解して下画面の液晶パネルを交換してみたところ見事に復活したので、今回は下画面に不具合の発生したニンテンドー3DSの分解修理方法を紹介しよう。
目 次
■必要な道具を準備
・ニンテンドー3DS用液晶パネル(下画面)
・精密ドライバー
・ピンセット
・プラヘラ(スティック状/ピック状どちらでもOK)
液晶パネルの購入にあたって注意する点がある。
液晶パネルはニンテンドー3DSシリーズのモデルごとにそれぞれ種類が異なるため、パーツの使いまわしがきかない。
しかし、アマゾンで商品検索すると関係の無い別モデルの3DS用液晶までバンバン検索に引っ掛かるので、くれぐれも購入の際は間違えないように注意しよう。
今回購入するものは「ニンテンドー3DS」の「下画面液晶」だ。
しかし、アマゾンの検索機能は何でもこうも意地悪なのやら……。

液晶も届いたので、そんじゃまぁ、いっちょ、やりますか。
(作業前に電源OFFにして、SDカード、タッチペン、ゲームソフトは取り外しておこう)

■本体バッテリー蓋の取り外し
写真の4箇所(青マル)をプラスドライバーで反時計回りに回す。
ただし、ネジは緩むが外れない構造になっているので、何回回してもネジを取り外すことはできないため、緩めるだけとなる。
完全にネジ緩んだ状態の目安は、カチッと音が2回鳴るくらいのタイミングがちょうど良い。

4本ともネジが緩んだら、蓋の上部あたりから爪をかけて持ち上げると外れる。
ネジ側が浮かない時は、どこかのネジが緩んでいないので再度ネジを回す。
蓋が外れたらバッテリーを取り外す。


■本体裏蓋の取り外し
写真のネジ10本(青マル)を取り外す。

このネジは任天堂の嫌がらせかと思うほど固く締められているので、取り外しの際はしっかりとドライバーを押し込みながら回す必要がある。
生半可な力で回そうとするとネジ山を潰してしまって分解不可となってしまうので、力加減には十分気を付けよう。
あと、結構ネジを外し忘れがちなのがカートリッジスロットのネジ(銀色)だ。
過去にこれを外し忘れて「あれ?開かない」と焦ったことが過去に何回かありまして……。
ネジを全て外すと、裏蓋が外れるが、蓋とメイン基板がケーブルで繋がれている箇所があるため、全開にせずイヤホンジャック側から90度くらい開ける程度で抑えておく。


ケーブル接続箇所は2か所あり、写真の赤マル部分の根元をピンセットの先を入れて持ち上げるだけで簡単にコネクタが外れる。
これで裏蓋の取り外し完了だ。

■ネジ、スライドパッド基板の取り外し
今回交換する液晶は、このメイン基板の真下にあるため、基板を持ち上げて液晶を取り外す必要がある。
ただ困ったことにメイン基板に実装されたパーツやケーブルをを外さないと基板が持ち上がらない構造となっているため、これからパーツの取り外し作業を行う。
最初にメインボードのネジ4本を外す。(写真赤マル)

次に、スライドパッドを取り外す。
スライドパッドの基板はネジ2本でとめられているので、ネジ2本を外す。


ネジを外したらスライドパッド基板を持ち上げると先端部分と基板部分に分けることができる。
次に、スライドパッド基板とマザーボードを接続するフレキケーブルを外す。
写真のようにケーブルが抜けないようにロックがかかっているので、ロックするパーツ(ラッチ)をピンセット先端でラッチを上げてロック解除する。
ロックが外れると簡単にケーブルが抜ける。



■wi-fi基板、マイク取り外し
写真赤マルのwi-fi基板は指で摘まんで持ち上げるだけでコネクタが外れる。
基板にアンテナケーブルが繋がっているが、これはとくに外さなくても大丈夫だ。


次にマイクを取り外す。
写真赤マルのゴムみたいな部品がマイクなので、ピンセットで摘まんで引っ張るだけでマイクが外れる。
メイン基板から取り外す必要は無しなのでそのまま。


■SDカードリーダー基板取り外し
写真赤マルのネジ2本を取り外す。

次に、メイン基板とSDカードリーダー基板を繋ぐケーブルを外す。
ピンセットの先端で根元部分軽く持ち上げるだけでコネクタが外れる。

このSDカードリーダーは粘着テープで接着固定されているため、写真のようにプラヘラを粘着部分に差し込んでカードリーダー基板を持ち上げる。

基板が持ち上がったら、写真赤マルのネジ2本を外す。

■フレキケーブル取り外し
メイン基板には多くのフレキケーブルが繋がっているが、全て外すと復旧作業が面倒な上に、接触不良でさらに手間がかかるおそれがあるため、今回はメイン基板が最低限持ち上がる程度に留めておく。
まず、メイン基板右上の1か所を外す。
白いラッチを立ててロック解除してケーブルを外す。


次に、メイン基板下側のケーブル3箇所を外す。
写真のようにラッチを外す、ケーブルを抜くの工程で取り外し可能だ。
一番左のタッチパネルのフレキケーブルは何故かテープで覆われているので、外し忘れないように要注意だ。


ここまでパーツが外れたら、最低限メイン基板を持ち上げることが可能だ。
■下画面液晶パネル取り出し
液晶パネルと本体フレームに粘着テープなどの固定は無いため、液晶パネルは簡単に取り外し可能だ。
ケーブルを持って引っ張ると断線するおそれがあるので、3DSを開いてタッチパネル側から液晶を軽く押すと液晶が持ち上がるので、メイン基板の隙間からくぐらせて取り外す。



ようやく病巣部とご対面だ。
なかなか深い所にあるパーツなので手を焼かせるぜ……。
■タッチパネル、枠を取り外して新しい液晶に移植
今回、交換するパーツは液晶パネルのみで、元々付いていたタッチパネルと画面枠はそのまま流用するため、先ほど外した液晶パネルから取り外す。
いずれも粘着テープで貼り付けられているので、写真の位置を参考にプラヘラを差し込んで溝に添わせることで取り外しが可能だ。
タッチパネルは黒い粘着テープが接着されているので、もし液晶パネル側にテープが残っていたらテープも剥がしてタッチパネルの裏に移植する。

移植パーツを貼り付ける位置は、元々のパネルの取り付け位置を参考にピッタリ合わせて取り付けよう。
貼り付け位置がズレると、メインボードへのフレキ取り付け位置が合わなくなったり、画面が斜めにズレてしまうなどの問題が発生するので、ここは慎重に。


貼り付けが完了したら、再びメインボードを軽く持ち上げて隙間をつくって、液晶パネルを入れて元の位置に戻す。

■元に戻す
ここから逆の手順で組み戻す作業だが、経験上取り付けミスしやすい箇所をいくつか紹介しておこう。
・無線LANスイッチと基板スイッチの位置
メイン基板を持ち上げたタイミングで本体側面(左)の無線LANのスライドスイッチの位置がズレることが発生しがちで、ここがズレたまま組み上げるとWI-FIのスイッチが動作しなくなりON/OFFが出来なくなるだけでなく、基板側のスイッチが破損するおそれがある。

写真のように基板側のスイッチの黒い突起部分が本体フレームより上になるように取り付ける。取り付けたらすぐにスイッチがパーツと上手くかみ合っているかWI-FIのスライドスイッチを動かして手ごたえがあるかチェックする。
手ごたえが無かったり動かなかったりしている時はパーツが上手くはまっていないので再度位置を確認する。
・音量ボリュームのパーツと音量基板の噛み合わせ
こちらも分解時にポロッと外れてしまいがちな部分なので、取り付け前に基板側の黒い突起とボリュームスライダーのパーツが嚙み合っているか確認する。
上手くパーツ同士がかみ合っていれば、ボリュームスライダーを動かすと基板側の黒い突起も一緒に動くので、ここは忘れずに確認しよう。

以上の点に注意して組み戻して、電源をON……よっしゃ、下画面も総天然色になって修理完了だ。

■修理後にやっておくこと
無事3DSの液晶修理が完了したので、最後にやっておくことを2点紹介しておこう。
・タッチパネルの補正
先ほどタッチパネルを取り外した際に、タッチパネルの位置がズレているおそれがあるのでタッチパネル補正を行う。
(ホーム画面から)
本体設定→その他の設定→タッチスクリーン
ここでタッチパネル補正を行う。


・日時の設定
(ホーム画面から)
本体設定→その他の設定→日付と時刻→今日の日付 or 現在の時刻
バッテリーを取り外すと日時だけリセットされてしまうが、ニックネームなどの設定類は維持されているので、ここだけは忘れずに設定しよう。

■最後に
結局、液晶が白黒になってしまった原因は分からなかったが、新しい液晶パネルに交換することで画面が復活するので、もし同様に3DSの下液晶に不具合の出ている人はこの方法で交換修理をためしてみてはどうだろうか。
今回購入した時点では液晶パネルの部品代が約3000円となかなか痛い出費だったが、まだ部品のあるうちが華なので、挑戦してみる価値はあるのではないかと思う。
ちなみに、当ブログでよく話題に出るニンテンドー2DSの液晶に至っては、マイナーだった故かそもそも売っているものを見つけるのが困難で、値段が安いものでも6000円近くと高額なため、まだ3DSは出荷台数が多かったぶん安価かつ潤沢な在庫で部品の調達が出来る部類だ。
現在ニンテンドー3DSは任天堂公式の修理サポートも打ち切られているので自力での修理となって自己責任となってしまうが、壊れたからもう使わないのは実に勿体ない話だ。
先ほどのゲーム画面は3DS用ソフトの「メイドインワリオ ゴージャス」の物で、ゲームボーイアドバンス用として発売された初代メイドインワリオから現行のSwitchまで脈々と続編がリリースされている人気作品だが、この小型軽量な3DS(235g)で気軽にメイドインワリオが遊べる意味では貴重なゲームハードだ。
Switchは398gと3DSに比べて1.7倍ほど重く、最近発売されたSwitch2に至っては534gと2倍以上の重量のため、今となっては2世落ちの旧式機となってしまった3DSだが、軽さでは現行機よりアドバンテージがある。
まあ、重量だけの話をするとSwitch lite(275g)が3DSに迫る軽量感だが、DS/3DSのゲームが遊べるゲーム機を1台持っておいて損は無いので是非とも3DSを動体保管しておこう。
何より、ニンテンドー3DSはDSとソフトの互換性があるため、DS版の「さわるメイドインワリオ」が遊べるというメリットが大きい。
何でわざわざ古いDS版が遊べて良いのかといえば、「さわる」は先ほどから何度か登場しているアシュリー様のデビュー作だからだ。
ゲーム中のBGMがボーカル曲で「アシュリーのテーマ」が流れるのだが、最初は変な歌だなあと思うが、このクセになる曲が日に日に心を蝕んでいき、気が付いたらゲームをしながら「あ、しゅ、りー♪」と合いの手まで入れてしまうという極めて中毒性の高い曲だ。
特に、アシュリーの歌うソロパートに至っては、もはや大量破壊兵器クラスだ。
なわ ぶな ぬー わらいのじゅもん
ちお いら うん なんのじゅもん?
いお でぃ えむ おぼえられない
ああ いや たいくつ!
任天堂は何て恐ろしいソフトを作ってしまったのだ……これはアカンやつやろ!

2025年7月13日現在、任天堂の修理サポートを受けることが出来る唯一の3DSシリーズに「Newニンテンドー2DSLL」があるので、自力では修理が難しいけど修理サポートがある3DSが欲しい人はこちらを購入してみるのも有りかもしれない。
なお、本体重量は260gと画面が大型化しているにもかかわらず初代3DS(235g)に迫る軽量モデルだ。
(旧2DSも260gとタイ)
ただ、最近ではNew2DSLLも中古相場が高騰気味で、普通に2万円オーバーで販売されているので、金銭的な理由でなかなか手を出しにくいところがネックだ。
軽量感なら同一重量の旧2DSでもいいと思うので、こちらはNewニンテンドー2DSLLほど高騰していないのでこっちを選ぶのも有りかもしれない。
ただ、こっちの2DSは出荷台数が少なかったせいか中古品を見つけにくいのが難点だ。
しかも、上記どちらの機種も旧型機なのにスイッチ1の中古価格より高いのはどうしたものかと悩みがちだが……
考えるな、感じろ!
すべてはアシュリー様の為に貢げ!!
他にも多くのメイドインワリオに出演しているアシュリー様だが、WiiU用のゲームアンドワリオでは、さらに危険な内容となっていてアシュリー様が……おや、誰か来たようだ。