よーし、今日はNewニンテンドー3DSLLのスライドパッドを交換修理をしてみよう!
ニンテンドー3DSシリーズの左アナログ入力のスライドパッドは、発売当初から共通の問題を抱えており、スライドパッド先端のゴムが経年劣化でベタついたり先端のゴムパーツがポロリと取れてしまう事が多々あった。
ニンテンドー3DSは2011年2月26日に発売された任天堂の携帯ゲーム機で、初代モデル発売から何モデルかマイナーチェンジで改良が加えられ、2017年7月13日に登場した最終モデル「Newニンテンドー2DSLL」まで数多くのハードが販売されたが、初代モデルから最終モデルまで一貫してスライドパッドのゴム問題は解決されることがなかった。
とにかくゴムが取れやすかったり、キズや汚れ問題に悩まされてきた。
これまで当ブログでも3DSシリーズのスライドパッドの交換修理記事をアップしてきたが、今回もまたスライドパッドの交換修理記事だ。
スライドパッドが壊れやすいパーツのせいか、Newニンテンドー3DSLLは比較的メンテナンスしやすい作りになっており、それほど分解も難しくないところがありがたいところだ。
一方、New3DSLL以降に発売された3DSシリーズ最終モデルの「Newニンテンドー2DSLL」は打って変わってメンテナンス性が最悪で、本体を分解しないとバッテリー交換すらできない上、任天堂製品にあるまじきパーツの強度不足で、特にスピーカー付近のフレームがよく割れるのだ。
とにかく、分解メンテナンスしにくい構造となっているため、正直New2DSLLはあまり好きではない。
ボディがコンパクトで軽く、立体視以外のNew3DSの機能があるという点は評価したいが、我々のような分解視点で機械を見てしまうイカれたメンバーにとっては実にいただけない設計となっている。
……とNew2DSLLをディスっている場合ではないので、さっそくNew3DSLLを分解してみよう!
目 次
■必要な道具を準備
・スライドパッド(社外品)
現在、純正品のスライドパッドに交換する方法は任天堂に修理に出す以外に方法は無いため、今回もamazonで調達した社外品を使用。
品名に「ゴムラバー」と書かれているが、滑り止め加工された樹脂製パーツが大半だ。ひょっとしたら、稀に社外品でもゴムパーツのスライドパッドが存在するのかもしれないが、未だにお目にかかったことは無い。
現在はまだパーツの在庫が潤沢だが、この手のゲーム機パーツは突如姿を消すことがあるので、念のため2~3個くらい予備で持っておいた方がオススメだ。
・精密プラスドライバー(国産ブランド推奨)
ここは国産のベッセルのドライバーの使用を推奨する。
経験上、ニンテンドー3DSシリーズはやたらネジが固く締められている傾向にあり、100均のショボい精密ドライバーで作業すると、ネジ山を潰してしまい分解できなくなるリスクが高くなるので、極力やめておいた方が良い。(実際1個ダメにしました……)
値段は少々するが、先端の精度と硬度が100均ドライバーとは比較にならない出来で、さらにラバー部分のグリップ感が固いネジ回し作業で威力を発揮するので、確実にお値段以上の仕事はする!
・ピンセット
指では作業しづらい作業が一部あるので、そこで活用する。
少し先端が平らなピンセットが今回の作業では使いやすくてオススメだ。
今回は任天堂製品によく登場するY字ドライバーが不要で、使う道具は少な目だ。
そういうメンテナンス性の良さから見て、NEW3DSLLは本当に良い子だと思う。
(その次モデルNew2DSLLは悪い子だが……)
■本体のバッテリー蓋を外す
作業開始前にタッチペンを抜いておこう。
次に、バッテリーの収納された裏のカラフルな蓋を外す。
黒いプラスネジが2本あるのでドライバーで回すのだが、ネジを紛失しないためフタに固定されるタイプのネジを採用しているため、ネジ回しにちょっとしたコツがある。
ネジをある程度回すと「カチッ」と音がするが、まだネジが噛んでいる事が多いので、さらにもうひと回しして2回ほどカチっと鳴るまで回すとフタが外れやすくなる
ネジを回したら、ボディ側面に指を引っかける溝があるので、そこに指を入れて持ち上げると蓋が外れる。
ネジ付近で引っかかってフタが取れない場合は、ドライバーでもう少しネジを回す。
カートリッジスロットやタッチペンのある側の部分がちょっと外れにくくなっているが、ツメで引っかけてあるだけなので、無理に力をかけずに徐々にズラしながらゆっくり外そう。
ちなみに、年期の入った3DSは手垢などでフタが固着している時もあるので、結構厄介な時も……。
フタが取れたら、電池とSDカードを外す。
SDカードは一旦奥(下側)にカチッと押し込んでロックを外してから抜き取ろう。
ここまで出来たら次の工程へ行こう。
■隠しネジの目隠しゴム(2個)を外す
2か所だけネジ穴の目隠し用ゴムが入っている箇所があるので、取り外す。
今回は先端が細めの精密マイナスドライバーをズブッと入れてゴムを取り出したが、材質が固い金属で作業した影響で、わずかに本体に痕が残ってしまった。
プラスチックあたりの柔らかい材質で先端が細いものがあればキズを付けずにできるハズだが……何が一番適しているのだろうか?
■ネジ外し&ガワ取り外し
写真の赤丸部分のネジを取り外す。
ネジを全部取り外すとガワが外れるが、L/Rボタンのケーブルとメイン基板で繋がっている部分が2か所あるので、開ける前にケーブルを外す必要がある。
L/R側から数センチ開け、メイン基板側の根元からコネクタを持ち上げて取り外す。
L/Rボタン側から少しだけガワを開け、コネクタ根元をプラヘラやピンセットなどで持ち上げると簡単に外れる。
これでガワとメイン基板の分離が可能となる。
■アナログスティック基板の取り外し
スライドパッドは、「アナログスティック基板」「スライドパッド」で構成されているパーツのため、まずはメイン基板のアナログスティックを取り外す。
プラスネジを2本を外すとスティックがグラグラするので、1センチほど垂直に軽く持ち上げるとスライドパッドとアナログスティック部品が分離する。あまり持ち上げるとケーブルが切れるので、ほんのチョイだけ持ち上げる事。
今回アナログスティックは交換しないので、左にずらしておこう。
(作業中にケーブルを切らないよう注意!)
アナログスティックを外すと、丸い輪っかのようなパーツも出てくるがこれも一緒にアナログの中央部に入れて仮置きしておく。
■スライドパッドの交換
スライドパッドの脱着作業はちょっとクセがある。
まず、スライドパッドの下側にある薄い環状のパーツを取り外す。
この薄い環状のパーツは、一部に切れ込みがあり、視力検査のアレ(ランドルト環)みたいな構造をしている。
取り外し方は、ピンセットで切れ目の先端を掴み、スライドパッドの隙間部分のスリットを通してクルッと回すように引っ張ると取り外しが可能だ。
次に、スライドパッド本体の取り外し作業となるが、まずスライドパッドのスリット部分を本体フレームに引っかけてクルっと回すと、本体表側から取り外しできる構造になっている。
これで取り外し完了だ。
あとは、新しいスライドパッドも逆の手順で戻せばOKだ!
■(Tips)スライドパッド取り付けのコツ
アナログスティックとスライドパッドのパーツを接続するあたりがちょっとクセのある作業で、なかなかスティック部分の軸が合わないことがある。
ここで注意する点は、穴の形状が楕円形になっているので、軸と穴の向きを合わせる必要があるところだ。
次にスライドパッドを中心に合わせる事だが、この名前の通り部品がスライドしまくってなかなか位置が合わせにくい。
本体を水平な位置に置き、スライドパッド表側から厚めの布などを置き、スライドパッドが動かない状態にして中心位置を合わせてから、アナログスティックを取り付けると案外取り付けしやすくなる。
パーツが付いたら、アナログのネジ2本を締めてスライドパッドをグリグリ動かしてみる。
スライドパッドがセンター位置に戻らないときはアナログスティックの取り付けに失敗しているので、再度スライドパッドとスティックの接続を試してみる。
■Newニンテンドー3DSLLは3DSシリーズの完成形だ(2DSLL?知らんなあ)
2014年に発売されたNewニンテンドー3DSLLも既に10年選手の域に入っているため、あまり中古ショップなどでも見かける機会が少なくなってきている。
そして、運よくショップで見つけてもスライドパッドのゴムが経年劣化で取れたりベタベタになっていたり損傷しているものも多い。
しかし、現時点ではスライドパッドのパーツはamazonなどで比較的簡単に部品調達が出来る上に修理もそれほど難易度が高くないため、諦めずに修理して3DSライフを楽しんで欲しい。
何せNewニンテンドー3DSLLは、初代3DSシリーズから改良を重ねた最終形態のモデルで、発売当初から売りにしていた裸眼で立体視が出来る機能が強化されて見やすくなっているところや、ソフト起動の高速化、モンハンで必須の視点変更のアナログスティック(拡張スライドパッド)装備と、3DSのゲームを楽しむために強化された性能をオールインワンにした究極形態だ。
特にNew3DSLL購入当初に「おぉ!」と感激したのは、立体視がブレにくくなった「3Dブレ防止機能」で、これまでの3DSでは少し首を動かしただけで画面が2重にブレて見えたが、Newシリーズの3DS(New3DS、New3DSLL)は上画面に設置されたセンサーが顔の位置を検知して立体映像を自動調整するという凄いやつだ。
あと、ソフトの起動時間がNewで圧倒的に早くなった点も見逃せない。自分の持っているソフトで特に起動時間の速さを感じたのは「スマブラ」と「モンハンX」だ。
一度この起動時間の速さに慣れると、Newじゃない3DSや2DSでプレイしようとすると「あれ?ソフト起動しない……壊れたか?」と勘違いしてしまう程の速度差だ。
そういったマシンの進化がある事情から、もし「これから新規で3DSに挑戦してみたいけど、一体どの3DSを買えばいいのだろう?」と思っている人は、Newニンテンドー3DSLLの購入が断然オススメだ。
「LLはちょっと大きすぎてイヤだなあ」という人は、従来の3DSサイズ寄りの「ニンテンドーNew3DS」もあるので、そっちも有りだ。
ノーマルのNew3DSには独自の魅力があり、背面のプレートを好きなデザインの物に交換できる「きせかえプレート」というオプション品が多く出回っており、自分好みのNew3DSが組める楽しみがある。
(個人的にはどうぶつの森のしずえさんがデザインされたきせかえプレートが好き)
しかし、最近は3DSシリーズ全般がプレミア化しつつあるようで、中古本体の価格が高騰傾向にあるので、買えないような価格になってしまう前になるべく早くゲットすることを強く推奨したい!
このライムxブラックはNew3DSLLシリーズの中でも後発に登場したカラーモデルで、ボディカラーの鮮やかさもさることながら、New3DSLLの発売初期にリリースされたメタリックカラーのブルー、レッド、ブラックに比べて塗装が強いのも魅力だ。
メタリックシリーズは高級感のある色調が魅力だが塗装の強度に弱点があるようで、中古品を見ると天面や側面の塗装がハゲている物をよく見かける。
それに比べると、後発のカラーモデルは塗装の弱点が改善されているため、もしこれから状態の良いNew3DSLLの中古を購入しようと検討している人は、メタリックシリーズよりライムやピンク、ホワイトを選択したほうが良い物が見つかるかもしれない。
↓この「メタリック~」のシリーズは落ち着いた色にメタリックが乗って本当にカッコイイが、中古購入時は塗装ハゲの商品も多いので要注意だ。
おそらく手汗や手油にさらされるところからメタリック塗装が剥がれる傾向にあるようで、酷い中古品になると、全体にまで塗装ダメージが及んでいるものも有るほどだ。
おそらく子供がワイルドに使ったと思われるNew3DSLLの中古品は、ハードなダメージ加工が施されており、想像を絶するボロボロさ加減なので、特に気を付けた方がいい。
もし、状態の良いメタリックの中古を見つけたら、超絶カッコイイので迷わず購入しよう!!
2024年5月時点ではNew3DSLLの任天堂修理サポートも「部品が無くなり次第終了」というサドンデス状態となっているので、もし腕に自信が無い人はメーカー修理に出すのも悪くない選択だろう。
そして、来るべきサポート終了となった時は自力で何とかするしかないので、もし自力でやらざるを得なくなった時はこの記事を参考にパーツ交換して、末永くNew3DSLLを楽しんで頂ければ幸いだ。
最近は後継モデルのSwitchの次世代モデルが来季以降に発売するという情報を任天堂が公式発表しており、ますます3DSの存在は忘れられていきそうだが、独特のギミックが光る3DSでしか味わえないゲームソフトも多数存在する。
そんな3DSは既に時代遅れのゲーム機となってしまったが、3DSならではの独自性のあるゲームを楽しむために、3DS本体を1台は持っておくべきではないかと思う。
個人的に3DSの立体視機能を試して欲しいソフトを一部紹介しておこう!
これらのソフトは3DSでしか体験できない独特の視覚を味わえて、このソフトを持ってて本当に良かったと心から思ったほどだ。
なお、「ゲーマーなら1台は3DSを持っておこう!」と熱く語ったが、どこかの誰かさんみたいに同じ3DS(2DS)をたくさん持っているのは重度の病気なので、よい子のみんなは絶対に真似しないように!