ゲームボーイアドバンス(GBA)の電源スイッチが不調で、スイッチをONにしても入らない時がたびたび発生するようになった。
さらに、電源ON時でも電源ランプが不安定に赤と緑が不規則に点灯する上に、電源スイッチに触れるだけで勝手に電源が落ちるという何ともアレな状況だ。



以前、ゲームボーイアドバンスSPでも似たような症状となった経験から、おそらく原因は電源スイッチ部品の接触不良ではないかと思われる。
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そんなわけで、今回は電源スイッチが不安定なGBAの修理方法を紹介しよう。
■必要な道具
・精密ドライバー
・Y字ドライバー
・接点復活剤
・精密綿棒
■本体裏フタの取り外し
まず、電池フタを外す。

写真のネジを7本取り外す
赤マル:Y字ドライバー(6本)
青マル:精密プラスドライバー(1本)


全部外れたら裏フタを垂直に持ち上げて取り外す。
■電源スイッチに接点復活剤を塗布
まず、電源スイッチ基板の手前にあるスイッチのプラパーツを垂直に持ち上げて取り外す。


この黒い突起の付いたパーツが今回の患部だ。
経年劣化でこのパーツ内の電気接点が接触不良を起こして電源が不安定になっていると思われるので、この部分を接点復活剤を吹き付けて、文字通り接点を復活させる。

付属の細いノズルを先端に取り付け、缶をよく振ってから電源スイッチの突起部分の根元あたりをめがけて軽く1プッシュする。
現在、スイッチの位置はOFFになっているので、精密綿棒の先端で突起部分をスライドしてONの位置にずらして、再度接点復活剤を1プッシュする。

その後、液がよくなじむように綿棒の先端でON/OFFを数回往復させる。

スイッチをOFFの位置に戻して、綿棒で周りに飛び散った液を拭き取る。
最後にスイッチ先端のプラパーツを取り付ける。

■動作チェック
一旦ネジ締めを行わず裏フタを閉じて、電池とゲームソフトを入れて動作確認を行う。

電源が点いた、ヨシッ!
電源ランプも安定して緑が点灯、ヨシッ!
スイッチ部分を触っても電源が切れない、ヨシッ!
ここまで動作確認できたら、一旦電源OFFにして電池を抜き、全部のネジを締めて作業完了だ。プラスネジとYネジの取り付け位置にはくれぐれも注意だ。
もし、動作チェックの時点で電源が不安定だったら、接点復活剤の作業を再度行う。
■最後に(GBAは液晶改造で生まれ変わる!)
2001年に発売されたゲームボーイアドバンスは、既に24年が経過しているため各パーツが経年劣化していることもあり、今回のように電源スイッチの接触不良も起こりがちだ。
しかし、状態によってはメンテナンス次第で復活する事もあるので、これからもゲームボーイアドバンスを動く状態で大事に遊んで頂ければ幸いだ。
液晶画面も経年劣化によるビネガーシンドロームが発生しがちだが、これも社外品パーツで修理することが可能だ。
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しかし……バックライト無しのGBAは今となっては画面が見づらい。
GBAの液晶は消費電力をおさえるため、液晶にバックライトが無く外からの光を反射して表示する「反射型TFT液晶」を採用しているため、仕様上どうしても色味がぼんやりとしてしまう。
発売当時はこんな液晶でも普通に遊んでいたが、今となっては少々厳しいものがある。
後継モデルのゲームボーイアドバンスSPでは、単3電池駆動からリチウムイオンバッテリー駆動となり電力が潤沢に確保できるようになったため、フロントライトが液晶に搭載されて画面が格段に見やすくなった。

そんなGBAの仕様上、液晶画面の見づらさにモヤモヤを抱いている人も多かったようで、最近では有志による改造キットが開発され、バックライト搭載のIPS液晶に乗せ換える改造キットが販売されており、アマゾンでも普通に購入することが可能だ。

このIPS液晶交換の改造を行うにあたって、ちゃんと動く状態のGBA本体が必須となるため、今回メンテナンスしたGBA本体をベースにしてIPS液晶にステップアップするのも悪くないかもしれない。
手元にIPS液晶に乗せ換えたGBAが1台あるが、初めて見た時はあまりの画面の美麗さに「なんじゃあ、こりゃああ!?」と驚いた程だ。
最近ではIPS液晶に改造するキットも以前より安く買うことができるようになったので、気になる人は挑戦してみてはどうだろうか?
交換用の外装ボディも豊富にあり、透明シェルから金ピカ仕様まで様々なガワがあってどれにしようか悩む程の充実ぶりだ。
IPS液晶に変えてみな、飛ぶぞ!
(改造は自己責任で)