またジャンクなウォークマンを安価でゲットしてしまった。
その名もNW-A867。こいつは2011年発売のモデルで、小型ウォークマンシリーズの中でも大容量の64GBストレージ搭載で、沢山音楽ファイルを入れても余裕があるという素敵な機種だ。

しかし、そんなマシンが安価で売られているには当然ワケがあり、「音量ボタンが反応しない」という理由で格安ジャンク品として販売されていた。
以前、別のウォークマン(NW-S740)の音量ボタンの不具合を直した経験から考えると、おそらくウォークマンには音量ボリュームボタンに持病があるようで、経年で音量ボタンが反応しなくなる故障が発生しがちだ。
【修理解説】SONYのウォークマンNW-S746(NW-S740シリーズ)の音量調整ができないので分解修理してみた
もし同じ原因なら、これも同じ修理方法ではないかという予測で分解修理してみたところ、予想通り音量ボタンを復活させる事ができたので、今回はNW-S740シリーズの分解修理方法を紹介しよう。
目 次
■必要な道具を準備
・プラス精密ドライバー
・接点復活剤
・デザインナイフ
・精密綿棒
・ヘラ
・カプトンテープ(必要に応じて調達)
■作業の前に行う事
まず本体正面の「PWR OFF」のボタンを長押しして電源を落とす。
次に、本体側面のHOLDをONにして作業中に作動しないようにロックする。


■裏フタを外す
プラスネジ3本で留められている箇所があるので、精密プラスドライバーで外す。
まず、本体裏に2本

次に本体底面のストラップホール奥に1本……こいつを忘れがちなので要注意だ。
実際「え……ネジ外したのに蓋が取れないぞ?」と焦った程だ。

ネジを外しても、裏フタが固めに固定されているので、隙間にプラヘラを入れて少しずつ裏フタを外して行くのだが、極力HOLDスイッチ付近はメイン基板のパーツと干渉して破損する恐れがあるためヘラは入れずに作業すること。
(HOLDが壊れると厄介なので、要注意ポイントだ)
これでウォークマンの2枚おろしが完成だ。

■音量ボタン(+-)のボタン接点清掃準備
本体側面にある、丸い銀色ボタンと基板が音量ボタンのパーツだ。

このパーツは銀色のボタンを粘着テープで基板に貼り付けて固定するタイプで、音量ボタンが押されると銀色のボタンが凹んで、基板側が接触して通電して反応するタイプだ。
つまり、ここの内部が接触不良を起こしているとボタン反応が悪くなるようなので、ここの接点部分を念入りに清掃する。
まず、デザインナイフの刃先でテープの端から粘着部分を持ち上げる。
少しテープが持ち上がったら、刃の無い側に持ち替えて残りのテープを引き上げる。


ここでテープを破らないように剥がすのがベストだが、もしカッターの刃先でテープが切れてしまった時は、清掃後にカプトンテープで補修して接点の位置がズレないように固定しよう。
■音量ボタン(+-)のボタン接点を清掃
ボタン接点までテープを剥がしたら、接点復活剤を染み込ませた綿棒で基板部分とボタン部分の接点を念入りに擦って清掃する。



一見キレイに見えるため、軽く擦る位で良いように見られるが、経年によりボタンが効かなくなるほど接点が酸化したり汚れたりしているため、結構強めにゴシゴシ清掃することを推奨する。

ボタンの接点が反応するか確認するため、一旦HOLDを解除してから電源をONにする。
HOLDのスイッチはつまようじや精密マイナスドライバーなど先の細い物で動かせる。

ボリュームボタン細い棒の先端で押せば反応するので、それぞれ音量の+と-を押してちゃんと反応するかをチェックする。
ボタンの反応があると、画面上にボリュームの表示が出て目盛りが動くので、そこが表示されるかを確認する。

もし、ボタンの反応が鈍かったり反応が無かったりするときは、接点の清掃不足なので、再度テープを剥がして接点部分を綿棒で清掃する。
キチンと反応するようになれば清掃作業の完了だ。

■元に戻す
ちゃんとボタンが反応することを確認できたら、逆の手順で組み戻す。
ここで気を付けるポイントは、先ほど動作確認のためにHOLDを解除したため、裏フタを取り付ける前に基板側のスイッチをHOLD位置に戻し、裏フタのHOLDスイッチもON側に合わせることだ。
(これを忘れると最悪HOLDスイッチの基板が壊れるので要注意!)

HOLDスイッチの位置を揃えたら、裏蓋を締めてネジを3本締めて完了だ。
■最後に(音量ボタンは直せるっぽい)
このように古い機種だが、ボリューム周りの故障はウォークマンシリーズ共通で起こりやすいため、修理方法も似ているようだ。
今回修理した機種はNW-A860シリーズだったが、おそらく別の機種でも応用できるのではないかと思う。
【修理解説】SONYのウォークマンNW-S746(NW-S740シリーズ)の音量調整ができないので分解修理してみた
しかし、知りうるかぎりで1機種だけ例外がある。
それは、NW-S310シリーズだ。
これは直近まで販売されていたモデルで、androidを搭載していないウォークマンの最終モデルだ。

こいつは音量ボタン周りのフレキケーブルの耐久性がイマイチで、先ほどのようなボタンの接触不良より先にフレキケーブルが断線するという厄介な持病がある。
さらに始末が悪いことに、Bluetooth接続もこのフレキケーブルが絡んでくるため、断線すると音量ボタンとBluetoothが同時に使えなくなってしまうという罠が仕込まれている。
他の修理業者の記事を見ても、軒並みNW-S310の音量フレキケーブルが切れている映像を見かけるが、いずれもフレキ内の芯線が断線しているというより、フレキケーブルが丸ごと千切れるというヤワさだ。
このようにケーブルが切れる状況からみて、NW-S310という機種は内部でフレキに変なテンションがかかるという致命的な欠陥を抱えている可能性が考えられるため、この機種は迂闊に手を出さない方が良いだろう。
(交換部品のフレキも汎用品が無いので、壊れたらメーカー修理送りだ)
こんないつ壊れるか分からない時限爆弾を仕掛けられたウォークマンを買うくらいなら、この1つ前のモデルのNW-S10シリーズ(S14/S15)の中古を購入する方が断然オススメだ。
NW-S14とS15の違いは内蔵ストレージの容量で、S14が8GB、S15が16GBだ。
もしこの小型タイプでそこそこ高性能かつ比較的安価なウォークマンを探している人にはこの機種がピッタリだ。
もう少しお金に余裕がある人は、ハイレゾウォークマンのNW-A10やA20あたりがお勧めだ。
こいつはハイレゾ云々より、このサイズのシリーズで「マイクロSDカードが使える」点が最大のメリットだ。
さらにSDXCカードまで認識するため、128Gや256GのSDを入れておけば実質音楽入れ放題状態だ。

これ以前の機種はSDスロットが無いため、内蔵ストレージ頼みとなってしまい、SD大量に音楽ファイルを入れる事が困難だ。
今回修理したNW-A867は64GBと大容量モデルだったがこれはレアケースで、多くのウォークマン内蔵ストレージは4GB~16GBモデルだ。
2026年現在の現行ウォークマンはSDスロットを装備しているため、ストレージ残量の心配をする必要が殆ど無いが、本体価格が結構するのが手痛いところで、ストレージ容量よりお財布の心配が必要だ。
参考までに、中間モデルのNW-A306ですら2026年5月現在、4万円近い価格で販売されている。
最近ではスマホでも音楽が聴けるため、わざわざ専用の音楽プレイヤーなんか必要かと思われがちだ。
実際Appleは自社の音楽専用機iPodを早々に手じまいし、iPhoneに音楽プレイヤー機能を統合した過去がある。

(背景の意味が分かる人は重度の空手バカ)
その流れでSONYの音楽専用機ウォークマンもお役御免になるかと思いきや、そこはオーディオ機器メーカーのソニーで、スマートフォン(Xperia)と並行して今でもウォークマンを製造販売している。このように音楽専用機にも一定の需要が有るのも事実だ。
そんな英二六も音楽プレイヤー派で未だにCDをリッピングしてウォークマンで聴く事がメインだが、新しい音楽はストリーミング対応ウォークマンで聴いている。
他にも音楽専用機のメリットとしてスマホより音質が良いと言われているが、自分のバカ耳では「確かにちょっといい音だけど、劇的な違いは……どうかな?」レベルだ。
それでもスマホの通知に邪魔されず集中して音楽が聴けるウォークマンは便利で普段から愛用している。
現在ウォークマンの上位モデルはさらにオーディオ機器の機能を強化した高級化路線モデルが存在し、価格も軽く10万円を超えるためお財布には厳しいが、中古でやや古い上位モデルを探せばそこそこ安価で高性能モデルもあるので、音楽専用機を1台は持っておいて損は無いだろう。
だがしかし、いくらフラッグシップモデルとは言え、↓ココまで高いとは……!









