以前、ニンテンドーDS用のソフトにNTRという型番が振られているのを見て「寝取られ?」と解釈してしまった恥ずかしい過去を持つ英二六が、ある日ふと思った。
……そういえば、任天堂のゲーム機にはそれぞれアルファベットの型番号が色々あるけど、一体アレは何の意味なんだ?
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ちなみにニンテンドーDSシリーズに振られている型番NTRは開発コードの「NITRO」の略で、初代モデルのDS本体やゲームソフトに「NTR-〇〇」とナンバリングされている。

他にも覚えている限りでもファミコンはHVC、スーパーファミコンはSHVCと何かしらの意味があるのだろうと思い各ハードの型番の由来を調べてみたところ、最近のハードの型番事情は掴めなかったが、過去のハードは何かしらの開発コードネームが由来であることが分かった。
■歴代任天堂ゲーム機の型番アルファベットの由来
せっかく調べたので、現状で分かった任天堂ゲーム機の型番情報を備忘録として以下の通り残しておこう。
(一部、信憑性の薄い情報があるので注意)

あらためて調べたデータを見ると、実に興味深いものだと思ったが、特に印象的だったのはバーチャルボーイの「Virtual Utopia Experience(VUE)」が壮大な夢を感じるコードネームだと思った。
直訳すると、「仮想空間の理想郷を体験」となるが、おそらくバーチャルボーイの開発当初に目指した理想をプロジェクト名にしたと思われるが、当時の技術レベルではそれを実現するのが困難な時期だったため、実際にリリースされたバーチャルボーイは理想とは遠いものだった。
バーチャルボーイ発売前は「こいつは任天堂がバーチャルリアリティ時代の凄いゲーム機を出してきたぞ!」と個人的にワクワクしたが、発売後に店頭のバーチャルボーイ試遊機で遊んでみたところ「……うーん、確かに立体的だけど、思っていたのとは違うかも?」と思った程だ。
発売から数か月後、やはりバーチャルボーイは相当売れなかったようで、各地で叩き売られ始めた。
店側も何とかして早く在庫を掃きたい一心で、定価15000円だったハードをソフト数本とハードのセットにして5000円以下の捨て値でまとめ売りされていた。
そして「まあ、この値段なら買ってもいいかな?」と軽い気持ちで買ってしまった。
そのバーチャルボーイのセットに入っていたレッドアラームを遊んでみたところ、ワイヤーフレームで描かれた3D空間表現された映像は立体視に上手くマッチしたゲームだなとは思ったが、思い描いた”バーチャルのユートピア”と呼ぶにはちょっと物足りない感じだった。
画面は赤一色の単色ディスプレイで、一般的にはマイナス要素として見られがちだが、個人的には幻想的な雰囲気がして気に入っているポイントだ。
特に写真を自分で現像した事がある人なら、あの暗室独特の真っ暗闇の中で唯一の光源としてぼんやりと灯る赤い暗室灯のような独特の雰囲気を、覗きこむゴーグルの向こう側に展開されている世界は現実離れした異空間で、バーチャルボーイの雰囲気は大好きだった。
このように一部特殊なユーザーからは絶賛されたが、売り上げは芳しくなかったようでバーチャルボーイは早々に生産中止され、任天堂でも黒歴史として無かったことのように扱われてしまった。
■3DSという立体視ハードが出てもバーチャルボーイの音沙汰なし
2011年に裸眼で立体視できる夢の後継機「ニンテンドー3DS」が登場した時は、「このハードなら、バーチャルコンソールでバーチャルボーイのタイトルが出るのでは?」と期待したが、これも無かった事に……。

そんな不甲斐ない任天堂を見た有志が、「任天堂がバーチャルボーイを無かった事にするなら、俺らが3DS用のバーチャルボーイエミュレータ作るわ!」……と言ったかどうかは不明だが、3DS用のバーチャルボーイエミュレータが開発されネットでリリースされた。
しかし、改造ファームウェアの3DSが無いとエミュレータがインストールできないという導入ハードルの高さとグレーゾーンなアプリという観点から、3DS版バーチャルボーイエミュレータは完全に闇の存在となってしまった。
↓ 3DSのVBエミュに興味のある方はこちらの動画をご参照あれ(非公式アプリ)
■2026年2月、まさかの公式からバーチャルボーイ復活!
そんな長い歴史の闇を破って、2025年9月に本家任天堂から突如バーチャルボーイ復活のアナウンスがあった。
その衝撃の内容は、Switchの有料会員向けサービス「Nintendo Switch Online + 追加パック」にてバーチャルボーイ Nintendo Classicsが2026年2月17日に配信を開始するというのだ。
任天堂公式記事:
「バーチャルボーイ Nintendo Classics」をNintendo Switch Online + 追加パック専用サービスとして2月17日に配信。
公式の情報と動画を確認したところ、Switchでバーチャルボーイを遊ぶにあたっては以下の条件が必要となるようだ。
・有料サブスク「Switch Online + 追加パック」の加入
・「Switch(通常/有機EL)」または「Switch2」が必要(Switch liteは不可)
・バーチャルボーイの筐体(プラスチック製 or 紙製)が必要
(マイニンテンドーストアで購入可能)
バーチャルボーイを遊ぶにあたって、これまでのニンテンドークラシックに比べると専用の筐体が必要となるため、導入ハードルが若干高めだ。
しかし、今からバーチャルボーイ実機を購入して遊ぶことに比べると圧倒的に安価で手軽なため、バーチャルボーイに興味がある人は是非ともこの方法でバーチャルボーイに挑戦してみてほしい。
参考までに中古のバーチャルボーイは本体だけでも5万円以上のプレミア価格で販売されており、ソフトも軒並み高額で販売されているため、Switch版で遊んだほうが賢明だろう。
何より、バーチャルボーイ自体が発売から30年も経過していて経年劣化による故障リスクも高いため、余程のコレクターじゃない限りは実機でやるのは難しいだろう。
Switch本体は持っていると想定して計算してみると……
・「Switch Online + 追加パック」(年間4900円)
・バーチャルボーイ筐体 (プラスチック製:9980円 紙製:2980円)
ざっくり8000円~15000円の投資で、1年はバーチャルボーイ(+別のソフト)が遊べるというわけで、実機に比べて圧倒的に導入しやすい価格だ。
switch用のバーチャルボーイ筐体は、スマホのVRゴーグルみたいな構造になっていて、ジョイコンを取り外したSwitch本体を筐体の中に入れて使うようで、バーチャルボーイを遊ぶ上で必須デバイスとなるとの事だ。
なお、バーチャルボーイの筐体はニンテンドースイッチオンライン加入者限定販売品のため、一般販売ではないので要注意だ。
スイッチオンラインはこれまでにリリースされたファミコンやニンテンドー64等の往年の名作が遊べるサブスクサービスなので、もしバーチャルボーイに飽きたとしても十分に楽しめるはずだ。
これまでサブスクは「ソフトを所有できないなら、加入する必要はないかな?」というスタンスだったが、今回のバーチャルボーイの件で少々心が揺れ動いている。
年間4900円という金額は決して高い額ではないとは思うが、一回加入するとズルズルと契約しそうで怖いんだよなあ、サブスク……どうしたものか?
(おそらく来年にリリースされたタイミングで買っちゃうんだろうなあ……だめにんげんだもの)