最近、ゲームボーイカラーのスピーカーの調子が悪く、ボリュームを最大にしても音が小さくなったり鳴らない事がしばしばあったが、先日ついに音が全く出なくなってしまった!
最初、音量ダイヤルの接触不良の問題と思い、本体を分解してボリュームダイヤルに接点復活剤を塗布してみたが、状況は全く改善されずスピーカーは無音のままだった。
スピーカーから音は出ないが、イヤホジャックからは音が出ているので、問題は音量ダイヤルでは無さそうだ。
しかし、先ほどの接点復活剤のおかげで、音量ダイヤルを回す時のガリガリ音が解消するという思わぬ収穫があったのは嬉しいところだ。
……さて、本題にもどして問題はメイン基板やアンプではなく、スピーカーに問題があるのか?
そういえば、中古ショップで売られているゲームボーイカラーに「スピーカーから音が出ません」というワケアリ品をちょくちょく見かける事がある。
このような状況から考えると、どうやらゲームボーイカラーは経年によりスピーカーが壊れて音が出なくなる特有の持病があるのではないかと予想される。
ということは、スピーカーだけ交換すれば再び音が出るようになるのではないかと思い、検索してみたところ、交換用のスピーカーがamazonで販売されている事と、スピーカーを交換修理する方法が見つかった。
amazonでパーツを注文すること数日後、交換用のスピーカーが到着した。
そして、交換修理に挑戦したところ、見事ゲームボーイカラーのスピーカーから音が出るようになった。
そんなワケで、今回はゲームボーイカラーの内蔵スピーカーの交換方法を解説しよう!
目 次
修理に必要な道具を準備
今回の修理ではゲームボーイカラーの内蔵スピーカーだけを交換する作業となるので、スピーカーのパーツ代だけでOKだ。
発売先ごとに価格はまちまちだが、スピーカー部品は500円くらいで入手可能だ。
・交換用スピーカー
・2.5mm Y型ドライバー
・プラス精密ドライバー
・ハンダごて+こて台
・はんだ(使いまわすので多分いらない)
・ピンセット(耐熱性のあるセラミックピンセット推奨)
オール金属製のピンセットで作業すると、ハンダごての熱が指に伝わってヤケドする危険があるので、先端がセラミックの耐熱性タイプを使用する方が安全だ。
上の商品リンクのピンセットはホーザンの高級モデルで結構なお値段がするが、他社の安いセラミックピンセットでもおそらく大丈夫だ。
道具がそろったら、作業開始!
ネジを外す
本体を裏返し、電池フタを取ると全部で6本のYネジがある。
それらをY型ドライバーで外す。
外したネジは転がったり失くさないようにケースなどに入れておこう。
(ネジは思わぬ挙動に転がるので、紛失注意!)
本体裏蓋を取り外す
特にツメなど引っかけるパーツはないので、ネジを外したらそのまま垂直に裏蓋を持ち上げるだけで取り外し可能だ。
↑ 写真左下のオレンジ色の線2本に結線されたパーツがスピーカーだ。
ゲームボーイカラーは内蔵スピーカーがモノラルで1個しかないため、これ1個だけ交換すればOKとメンテナンス面ではとっても楽だ。
ハンダごてて線を取り外す
今回は、オレンジ色の線はそのまま流用するので、古いスピーカーだけを取り外して新しい物に交換する。
スピーカー取り外し前に、写真の赤丸3か所のネジを精密のプラスドライバーで外す。
ハンダごてに十分熱が入ったら、コテ先をスピーカーのハンダ部分に押し当て、ハンダが溶けたタイミングでピンセットでオレンジの線をつまんで取り外す。
2本結線されているので、どちらも取り外す。
線が両方外れたら、古いスピーカーを取り外す。
あらためてスピーカーを見ると、長年の使用でサビのような汚れのようなものがあり、これで音が出なくなってしまったのではないかと思われる状況になっていた。
長年の稼働、お疲れさまでした。
新しいスピーカーの取り付け
元々付いていたスピーカーは接点が2か所だったが、新しいスピーカーには何故か接点らしきものが4つある。
どう結線していいものか悩んだが、とりあえず左右両方の端にある接点をハンダ付けしてみて、これで上手く行かなかったら、もう片方の接点につなげば良いだろういうことで、……(高田純次的テキトー理論による)
とりあえず、これで完成!
仮組みして動作チェック
とりあえずネジどめ無しで仮組みしてみて、電源を入れて動作確認してみよう。
ここで上手く行かなかったら、ハンダ付けか線の取り付けが上手く行っていないので再度分解して線の付け直しを行うということで……
それでは、電池を入れてスイッチON!
OK、無事スピーカーから音が出た。
ボリュームを回しても音量がちゃんと上下に変わるぞー!
手術は、大成功だ。
音が出るのを確認したら、全てのネジを締めて修理完了!
最後に(山内組長時代の任天堂製品は壊れにくい!)
このように、スピーカーの音が出なくなった症状のゲームボーイカラーは、スピーカー部品を交換するだけで復活した。
しかも、交換用スピーカーの部品代も500円以下と低コストなので、同じような症状で困っている人は、是非ともゲームボーイカラーを修理して復活させて欲しい。
交換作業にはY字ドライバーとハンダごてが必要となるため、持っていない人は道具を揃えるコストが少々かかるが、ハンダごては機械を修理する時に重宝するアイテムなので、一家に一本は持っておいていいかなと思う。
Y字ネジも新旧様々な任天堂ハードに採用されているので、Y字ドライバーも1本持っておいて損は無いはずだ。
1998年に発売されたゲームボーイカラーも既に20年以上経過しているため、あちこちにガタが来てもおかしくないはずだが、任天堂の山内組長の在籍時代に「子供が使うものだから、壊れにくいゲーム機を作れ」という設計思想だったため、今回交換したスピーカー以外のパーツは今でも故障知らずで絶好調だ。
そんな「タフすぎて損は無い」な設計思想も今となっては昔の話で、現行のスイッチは打って変わってヤワな構造で手を焼いている。
特にSwitchのジョイコンは、これでもかというほど無駄に壊れやすい作りになっているのは本当に残念な話で、アナログスティックは土屋圭市も真っ青なドリフトキングだし、L/Rボタンの基板にハンダ付けされたタクトスイッチの壊滅的ヤグさには、恐怖すら感じたほどだ。
あと、Switch PROコントローラーも同様に、Wii時代のPROコンに比べてスティックやらボタンやらあちこち故障するの何のって……まったく、なに考えてるんだよ。
まったく、山内組長や岩田社長時代の任天堂イズムな堅牢な設計思想はどこへ行ってしまったのやら……。
【修理解説】ゲームボーイアドバンスSPの電源が入らないなど不安定なので、分解して電源スイッチをメンテナンス修理してみた【GBASP】