初代ニンテンドーDS発売から既に20年も経っているが、未だにDSを現役で遊んでいるロートルゲーマー英二六にちょっとした不満があった。
それは、ニンテンドーDSのソフトを入れても読込に失敗して認識されないことが多いことだ。
しかし、ソフトが認識されないときは電源をオフにして何度かソフトを抜き刺しすれば認識されるため、ソフトもゲーム機も壊れているわけではないのだが、いかんせん接触不良気味でソフトを刺し直す作業が面倒だ。
ちなみに、ゲームボーイやDSなどの任天堂の携帯ゲーム機は、カートリッジが認識されないときオープニング画面で任天堂のロゴ(Nintendo)が表示されない仕組みとなっている。
そして、この調子の悪いDS liteも頻繁にNintendoロゴが表示されないという困ったやつだ。
このようにカートリッジ読込に失敗した旧DSとDS liteはいちいち電源を切って挿し直さないとソフトを再認識してくれないため、いちいち電源オフ→ソフト抜き差し→電源オン、と手間がかかるのが結構ストレスだ。
しかし、DSliteの後継モデルのニンテンドーDSi以降の機種は、そういった事情からか電源を入れたままでもソフトの抜き挿しができるようになったため、読み込まない時は何回かカチャカチャ抜き差しするだけでソフトが読み込めるようになっている。
この状況は、おそらく本体内部のカートリッジ読込用のスロットのピンが汚れなどで通電しにくくなっているのではないかと思われる。
結構年季の入ったソフトは、ソフト側の接点の汚れで読み取り不良となるケースが多いが、今回試したソフトは他の3DSで普通に読み込めたので、ソフトではなくDS liteのスロット接点が汚れているのだろう。
この汚れていると思われるスロットの接点がキレイになればソフト読込の問題が改善されるはずなのだが、一体どうしたらいいのやら……?
そういえば、むかし任天堂純正のDS用カートリッジスロット用クリーナーを買っていた事を思い出し、部屋を探して見つかったのだが……かなり使い込まれたクリーナーで、クリーニング部が黒ずんで汚れていた。
ここまでクリーナーが汚れていては、本当にキレイになるか正直怪しい。
もう少し状態の良いクリーナーが売っていないか調べてみたところ、当然ながら製造中止になっているどころか、このレトロゲームブームにも関わらずDS用クリーナーがサードパーティから代替品が販売されていないという体たらくだ。
あらためて汚れたクリーナーを見て、この白い部分(フエルト?)だけ交換できれば何とかなるんじゃないかと考え、ふと思った。
これ、不織布とDSソフトで新しいクリーナーが作れるんじゃないか?
そんなわけで、今回は入手困難となってしまったDS用カートリッジスロットのクリーナーを自作してみたという実験回だ。
目 次
■必要な道具を用意
・DS用カートリッジ(ガワ用) DS用なら何でもOK
・不織布マスク 何でもOK
・金属ヘラ
・カッターナイフ(デザインナイフが便利)
・瞬間接着剤(ハケ付きが便利)
今回は手元にあった壊れた3DS用カートリッジを改造ベースに流用しようと思ったが、DS本体は物理的に3DSカートリッジが入らない構造となっているため断念してDS用カートリッジを使用する方向でいくことにした。
今回はDSと3DSの本体で共用できるクリーナーが作りたかったため、DS用カートリッジを改造用ベースとして用意した。
そんなDSで安く購入できるソフトと言えばズバリ、川島教授だ!
日本・三大教授と名高い「坂本教授」「篠沢教授」「川島教授」の一角を担う川島隆太教授の監修で作られたこのソフトは、脳トレブームの火付け役となり、DSの爆発的な売上にも貢献したという凄いヤツだ。
このソフトはDS本体同様に爆発的ヒットして大量に販売された影響で、今ではどこの中古ショップでも潤沢に在庫があるため大体100円位で売られており、これもブックオフで110円で購入したものだ。
■カートリッジの分解
DSのカートリッジは基板を2枚のプラスチックで挟み込んでいる構造となっているため、まずはソフトを分解する必要がある。
カートリッジはツメでロックする構造ではなく、接着剤のような物で固定されているようだ。
分解にあたって、カートリッジの溝にプラヘラを差し込み、溝にヘラを添わせるとペキペキと接着が剥がれ、比較的カンタンにカートリッジ分解が可能だ。
はい、これでDSカートリッジ3枚おろしの出来上がり。
■不織布をセット
クリーナーの部分は不織布マスクから拝借する。
パッケージの表記を見ても任天堂謹製のクリーナー部分が「フエルト」と書かれているだけで、何の素材で作られているか判明しなかったが、見た感じは不織布っぽいので、おそらくコレで大丈夫ではないかと……多分?
用意したマスクをカッターで適当なサイズにカットすると、何層にも重なった不織布が取り出せる。
今回DSクリーナー用として、カートリッジに何枚か不織布を入れて試してみたところ、どうやらガワの収まる厚さの限界は2枚っぽいので、2層分だけカートリッジのガワの縞々部分にセットしてみた。
マスクの使用する材質の種類にもよるが、今回調達したマスクでは不織布3枚では厚すぎてガワが閉まらなかった。
(不織布の種類によっては枚数が変わるので、各自用意したもので確認してください)
次に、基板をセットしてガワをしめる。
カートリッジは接着剤で固定する必要があるので、このハケ付き瞬間接着剤でガワを固定して……完成!
カートリッジも変に膨らんでいないし、肝心のクリーニング部分にもちゃんと不織布が入っているのでたぶん大丈夫だろう!
■接触の悪いDS liteで動作実験
先ほど登場した接触不良気味のDS liteのカートリッジスロットに、このクリーナーカートリッジを入れて何回か抜き差ししてクリーナーとして機能するか確かめてみた。
ちゃんとカートリッジも引っかからず抜き差しできたので、ガワの作りは大丈夫そうだ。
次に、抜き差し後にカートリッジスロットのピンが不織布に引っかかってピンが曲がったり破損したりしないか不安だったが、スムーズに抜き差しできて目視で覗いてみた限りではピン曲がりも無いため、一安心。
最後に、実際のDS用ソフトを入れてみたところ……
OK!ちゃんとソフトが認識して読込みできるようになった。
念のため別のソフトを何本か入れて試してみたところ問題なく読み込みできたので、この自作クリーナーでカートリッジスロットはキレイになっているようだ。
これでソフト読込がよろしくないDS/3DSのカートリッジスロットのメンテナンスは何とかなりそうだ。
あー、次はこの表示不良でイカレた液晶も交換修理しないとなあ……。
そんな事より、このカートリッジのデザインのままでは紛らわしいので、まずはそこから手を付けてみるとしよう。
まずはこの川島教授のタイトルラベルは紛らわしいから剥がして……そして掃除と言えばやっぱりコイツが良いな!
ふう、相変わらず汚ねえ仕上がりだぜ……。
でもまあヨシッ!
そして、作業完了の余韻に浸りながらDS画面の時計表示を見て一瞬にして青ざめる英二六であった……
そんなわけで、全国のDS/3DSユーザーでソフト読込不良のストレスを抱えている人はクリーナーを自作してみてはどうだろうか?
初代DSの発売からちょうど20年を迎えたロートルマシンなので、あちこちに不具合が出ているとは思うが、あくまで自己責任となるが手を入れればまだ十分楽しめるので、これからもDSを労わりながらゲームライフを楽しんで頂ければ幸いだ。
なお、いくらソフトが読み込まないからと言ってスロットに息をフーフーするのはサビの元となり機械を壊す原因となるので絶対にやめよう!